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122話 訪れる変化③

 歩き続ける事、どれくらい経っただろう。

 疲れ知らずのこの体だと、余計に時間感覚が曖昧になる。



 こういう魔術的な事に関係があって、居場所までの徒歩での行き方を知ってて、不在という事が無いであろう相手。

 特に最後が無理なように見えて、けど相手を人に限らなければ、思い当たる相手は居る。

 文字通りの「神頼み」だ。


 そして辿り着いた、学校近くの神社。

 ここにいる神使の2匹の霊狐には面識がある。しかも今の自分は、多分そいつらの方に近い状態。

 ついでにここに来て思い出す、聞き出しておきたい事。

 鳥居をくぐり、呼び出すまでもなくあちらが来訪者に気付く。


 どこからともなく現れる、青白く光る狐。

 こちらを見て足を一度止め、不思議そうに観察される。

 半周ほど回り込まれたところで、あっちから話しかけてくる。

「…君、なんだかあいつに似てるね。たまにここに来る、物好きな人間に。

 もしかして関係者…いや、君なのか?」

 …やっぱり分かるのか?

「妖力が似てる…っていうか同じだからね。『見通し』が不全でも、それくらいは分かるよ。」

 まって思考が読めるのか?

「思考っていうか、聞こえるんだよ、願いを聞き届けるボク達には魂の声がね。」

 …そういえば最初の時もそうだったか。願い事として思い浮かべただけの事を、言葉にせずとも知られてた。

 となると、ここじゃ変な事は考えられないな……。

「余計な事を知ったとしても、言いふらす趣味は無いから安心して。そもそも話せる相手なんてほとんどいないけど。」

 じゃあ、この状態の解決法って何か分からないか?

 気が付いたらこう、自分の召喚体に乗り移ったみたいになってたんだけど。

「本体の所まで行けば、できる事はあるかもね。ただ、生憎ボク達はここから遠く離れる事はできなくてね。

 でも、この近くに来てる、君の(ゆかり)の者なら解決できそうだよ。丁度学校から外に向かってるみたい。」

 分かった、頼ってみる。ありがと。

 それともうひとつ、前にここで…多分もう1匹の方からなんかおまじないみたいなの貰って。

 その後色々と大変な事があったけど、もしかして関係してる?

「ボクも仔細は聞いてないね。

 分かる事は、あいつの祈祷は近い未来に幸運を引き寄せる。

 だからその『大変な事』も、結果として君の利になる事じゃないかな。」

 じゃあ今の状態も?

「どうだろうね。変化を進歩と見るか否かは君次第だよ。」

 確かに普通じゃない経験ではあるし、求めた願いに近づいてる…のかな…?

 ていうかその本人はどこに?

「今は『見通す』のに集中してるよ。

 ボクも世界を『見通す』のに霧がかかったような不全さがあるけど、あいつが見る未来は余計に邪魔がひどいらしくてね。」

 じゃあどうしようもない事で邪魔する訳にもいかないか。

「そうだね、邪魔する何かがある以上、尚更見通しておきたい。」

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