表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
111/231

111話 出会った存在③

 ナナノハの後を追い、入り組んだ地形をどんどん奥へと進んでいき。

 それなりに人通りはあるが、とりあえずナナノハを見失う事は無さそうだ。

 フォーマルな服装の人ばかりのこの場所では、青くひらひらしたナナノハの服はかなり目立つ。

 それに、時折十字路で地図を確認している。ナナノハにとっても、ここは不慣れの地らしい。


 子供ドラゴンは、相変わらず布袋の中で大人しくしている。

 気を許してる…なんて訳は無いよな。見つけた時の様子からしても、単に抵抗できる体力が無いだけだろう。

「こいつ、大丈夫かな…?」

「大丈夫、と思うしかないでしょう、今は。」

 ナナノハでも確証は持てない、か。


 話のついでに、さっき気になった事を今の内に聞いてみる。

「今更だけどさ。

 助けるのって色々とこう、大丈夫なのか? というかさっき言ってた『盟約』って一体?」

 少しの思案ののち、ナナノハが答える。

「では『盟約』の話から。

 その昔、人族と竜たちとの間に交わされた不干渉条約だそうです。

 要約すると『互いに相手の領地に踏み込んだら殺されても文句は言えない』といった内容の。」

「…随分と物騒だな。」

「実際にはそれ以降、友好的に接触してくる竜も現れ始めて、すぐに形骸化したと記録にありますけどね。

 とはいえその盟約に則るなら、生かすも殺すもこちらの裁量次第、となります。形式上は。」

「その盟約の前は、どうだったんだ?」

「ボクも文献で見た程度の話ですが……。

 竜の気を損ねての村の焼失は珍しい話でもなく、不可避の災害のひとつに数えられてたらしいです。」

「だとしたらまだ子供とはいえ、もしこいつが暴れたらそれなりの被害の可能性はあるんだろ?

 思い付きで発案しちゃっておいてアレだけど、何で助けるって選択に乗ってくれたんだ?」

「そうですね…『これから会う人の縁で竜という存在に恩義を感じてる』、程度のものです。

 確証と言えるものが無いのはボクも同じです。でも、そういうもんでしょう。」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ