表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
102/231

102話 養生と思案の末④

 階段を降り、昨日は飛ばした2階の部屋。

 開けた空間に、椅子の多い大きい卓ひとつ。事務室といったところだろうか。

 先に降りていたナナノハの他に、その卓に着いている人が。入口から見て卓の丁度向こう側に、頬杖をついてる女性がひとり。


「よ、客人。元気なったか?」

「お陰さまで、それなりには。

 そうだ名前…ユートっていいます。」

 言ってから思う、言葉のたどたどしさ。まだ頭回ってないなとぼんやり思う。

「あたしはここを仕切るミレースだ。

 まずは一度話纏めようや。」



 自分が席に着いたのを見て、ミレースさんが切り出す。

「まずは現状だな。

 あんたが倒れてた間の……色々だ。」

 けどその前に、確認しておきたい事が。

「そもそもここって一体…? 異世界ってのは分かるけど、詳しい事は全然……。」

「…そこからかよ。」

 だるそうにため息、目配せされたナナノハが話を引き継ぐ。

「では、改めてのところも含めまして……。

 こちらの言葉で『マグラセンド』と呼ばれし世界、あちらの言葉では『魔界』と例えた通り、魔法が日常的に存在するのが一番の違いでしょうか。

 そしてこの街の名前は『シント』。そこにある…向こうでいう警察のような組織がここになります。」

「つっても色々な事があって、今は大半が活動休止だがな。ここも一人出払ってる以外、お休みみたいなもんだ。」

 強引に流れを回収したミレースさんが、目線でナナノハを指し示しながら言葉を続ける。

「で、前にコイツがうちに居た縁で、場所貸してくれって頼みこまれたワケ。

 そっから色々あって、今は正式に客人って次第だ。ゲートの都合が付くまでのな。」

 昨日ナナノハが言ってた「媚びを売っておけ」っていう話も関係してるのだろうか。

「それって結構かかりそうなのか?」

「さぁな、あたしは専門外だし。周期と揺らぎの関係で10日前後だから、7日より後は空けとけだとさ。」

 …微妙に長いな。「やる事が無い」まま過ごすには。

「その間、何か手伝える事とかあったりは?」

「ある…と言いてぇが、さっきも言った通りここは待機組だ。割り当てられる仕事も無ぇ。

 ま、のんびり待ってりゃいーよ。」

 この辺を散策するだけでも、それなりに暇はしないであろう、とはいえ。


「で、後はまかせていーか?」

 と目線も混みで指示されたナナノハが答える。

「との上からのお達しですし。」

「じゃ、任せた

 ゲート準備できたって通知がこっちに来たら、それだけ伝えるからさ。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ