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101話 養生と思案の末③
待たせるのも悪いし、さくっと着替える。
ファンタジーモノでしか見た事が無いような服だ。コスプレでもしてるような感じがして、落ち着かない。
脱いだ服を畳んで隅に置き、部屋の外へ。
だけどナナノハと合流する前に、なだれ込んでくる小さな影3つ。
茶トラ柄猫の3人組、服装までお揃いだ。
「ねーねー、異世界の人ってほんと!?」
「あっちって本当に神様がいるの!?」
矢継ぎ早に来る質問。
物理的な押しに負け、後退を余儀なくさせられる。
「まってそんないっぺんに来られても──」
「ほら、通してあげてください。良くなったとは万全とは限らないんですし。」
フォローありがとう、ナナノハ。
その発言に、後方で見ていた子が続く。
「そうだよ、すぐ帰るわけでもないって言ってたんだしさー。」
「でもっ、でもっ、気になるじゃん!」
「ほらー、だからまだダメそうって言ったじゃん。」
「スゥだってさっきまで乗り気だったじゃん!」
二人が言い合う傍ら、後方の子が回り込んで来て言う。
「今のうちに行っちゃった方がいいと思うよー。」
「そうみたいだな…ありがと。」