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vs義兄夫婦、の巻



私は次男嫁。


義両親も遠方で、義兄夫婦は義実家付近に住んでいた。


私たちが交際し始めた頃に義兄夫婦が入籍したんだけど、義両親の介護の話になると、「え?


でも弟君も彼女できたんだよね?


じゃあ結婚するかもしれなくない?


今後家族になるならその子も招いて全員で話し合わないと。


長男だからって勝手にうちが受け持つと噛めるのはやめてほしいわ。」って義兄嫁が言ったらしい。


ただ、そこで夫が「いや、全然結婚とか考えてないし。


むしろ本当に最近付き合い始めたばかりだけど、意外と気が強くて思ってたのと違うかも?ってなってるところ。


今後結婚は絶対にないとは言い切れないけど、絶対するとも正直言い切れないんだよね。


まあどちらにしろ付き合い始めの彼女を自分の親の老後の話に付き合わせる気はない。」ってしっかり断ってくれたらしく、この話は結婚後に聞いた。


確かに交際当初は気が合わなくて喧嘩も多かった。


そのうち分かり合えて仲良くなったんだけどね。


義兄としては「長男だし、俺は昔からずっと両親の面倒を見るつもりで生きてきたよ。


結婚の話になった時は妻にもそう話してたと思うんだけど?」とやる気を見せた。


どうにか逃れようとしていた義兄嫁はそこで行き止まり、渋々折れて受け入れたらしい。


「でも、また弟君が結婚するってなった時には話し合いましょうね。」ってら言い残したって。


それで結婚が決まって入籍した途端に、そそくさと義兄嫁は私たちの家に訪ねてきて、「お義母さん達の話なんだけどね?」ってその話を持ちかけてきた。


自分には最近産んだ一歳の子どもがいるし、今倒れられても面倒が見れないと言われた。


「それに、義妹ちゃんはもう歳でしょ?


高齢出産って大変っていうから、そんなリスク犯すようなタイプに見えないしね。


だからお願いできない?


私、今介護なんてしたら自分が倒れちゃいそうで怖いのよ。


子育てって想像以上に大変なのよ?」って言われてカチンときた。


「私まだ33歳ですけど?


義兄嫁さんも34歳で出産してますよね?


これまでキャリアも大事にしてきたんでもちろん若くはないですけど、高齢出産って歳じゃありません。


それにもう決まったことを人にどれだけ押し付ければ気が済むんですか?」って言っちゃった。


私がここまで言い返して来るとは思わなかったんだろうね。


「何よ、私の方が先に結婚して向こうの家族になってるんだからね?


あまり大きな態度取らない方がいいわよ。」って言われた。


「大きな態度とかじゃなくて、丁重にお断りさせていただいているだけです。


お断りします。


今日はお引き取りください。」って言って帰らせた。


後日入籍祝いをしようと義母に声をかけてもらって義実家で食事をしに行くと義兄夫婦も来ていた。


義兄嫁は、「本当にきたんだ。


自分達の入籍祝いがメインだと思ってた?


そんなのおまけよ、今日は私の誕生日。


あまり目立たないようにすみに座ってないさい?」って私の到着早々そうささやいてきた。


本当に感じの悪い人だなあ。


義兄嫁の子どもは一歳半になってまだ離乳食も進んでないからミルクのみ。


「何か食べさせたら許さないから!」って目が血走ってたよ。


それならちょっとずつ食事もさせればいいだろうが。


そんなんじゃ入れる保育園もないだろうね、子どもがかわいそうに。


私が憐れみの目で義兄嫁を見ていると、それが気に食わなかったのか「お義母さん?


この前入籍祝いに義妹ちゃんのお家にお邪魔したんです。


そしたらまあびっくり!


ゴミ屋敷みたいに汚くって。


どこかにタイムスリップでもしちゃったかと思ったんですよ。


義理の姉妹同士、義両親の面倒も分担してできたらいいなと思ったんですけど、あのだらしなさじゃ逆に迷惑ですよね。


っていうか義妹ちゃん自身も道徳心がないのか、そんなことやってられるかよって言ってましたし。


本当、静かそうに見えるのに驚きですよね?」って嫌味を言いやがった。


義母も、義兄嫁との方が信頼関係があるからかそれを鵜呑みにして、「息子が仕事を頑張ってるのになにしてるの?


お嫁さんはきちんと家の環境も整えないとじゃない。」って言ってきた。


それから「老人の面倒なんてやってられるかって?


そんなこという人に頼んだ覚えもないけどね。」って怒ってしまっていた。


義兄嫁の策略だ、と私はイライラしていると夫が助け舟を出してくれた。


「そんなこと言わないんじゃない?


今でも家が近ければ父さんにも母さんにも頻繁に会いたいのになって言ってたよ。


だけど残念。


今よりさらに遠くに転勤が決まったから、こうやってみんなで集まれるのもしばらくないかもな。


次は年末とか?


そんなもんだと思う。


当分向こうで暮らすことになりそうだから、どっちにしろ中々面倒は見てやれない、強いて言うならお金くらいかな?」って言ってくれた。


「どこに引っ越すの?」とみんなの話題はそちらに引っ張られた。


私たちはもうすぐ都心に引っ越す予定だった。


というのも私が義兄嫁との事を夫に話すと、じゃあもっと物理的に面倒を見れない距離に引っ越せば良くない?と言って会社内で異動届けを出してくれたらしいり


おかげで引っ越しは決定。


義実家は遠方となったわけ。


でもこの日の義兄嫁の発言のせいで私と義母の間には溝ができていた。


そして私たちが引っ越したことによってなかなか会えずその溝は広がるばかりだった。


でも、周りの友達から聞いてても、嫁姑問題は面倒なことばかりらしい。


それならそんな問題にも発展しないように今の溝が狭まらないように関わっておこうと思っていた。


もちろん義兄夫婦とも私はほとんど連絡も取らず、私が出産した時もハガキでそれを知らせるだけだった。


義兄夫婦からも特におめでとうの一言もなかったし。


夫と義兄は兄弟で連絡を取ったりはしているみたいだったけど、義実家に帰っても私は隅っこで子どもと遊んでなんとかやり過ごしていたって感じかな。


数年後、私の子どもも大きくなった頃に突然義兄嫁から私に連絡が来た。


「久しぶり義妹ちゃん!


元気してる?


義弟君って昇進でそっちに引っ越したんだよね?


いいなあ。稼ぎも私たちの倍くらいはありそう。


義妹ちゃんだって仕事続けてるんだもんね?」って突然世間話をされた。


「ああ、まあ。」って私がいうと「あのね、実はちょっと夫が最近全然帰ってこなくて。


最低でしょ?


あのろくでなし!


絶対に浮気してると思うわけ。


だからこっそり探偵でもつけてやろうかなと思ってるんだけど、意外と費用がかかるみたいなのよ。


お宅の旦那さんにその費用受け持ってもらえないかしら?」って言われた。


「そうなんですね。


でもちょっとそれは難しいです。


私達の子どもが2人とも今年受験で、面倒事には巻き込まれたくないですし。」っていうと


「面倒ごとって何よ?!!!


大体アンタの夫の兄貴でしょう?


こんなロクでもない男と結婚させてしまって申し訳ないって思わないの?


お詫びと言っても足りないくらいの金額なのよ?


それくらい払え!」って怒鳴られた。


だから私は「申し訳ないと思わないのって?


はい、思いません。


他人事なのでね。


じゃ。」って言って電話を切っちゃった。


よくあんな事が言えるよね。


流石にこの後は義兄嫁から連絡は来なかったけど、半年後くらいに代わりに義母から連絡が来た。


「今までごめんなさい。


兄嫁のことを過信していたわ。


あの子パート先の人とダブル不倫してたって。


それも全部長男のせいだって言い張って謝りもしないのよ、お金もないのにこれからどうするだろうね。


もう縁を切るわ。」って言ってた。


義兄嫁どんまい。


私はだからといってそんな義母とも仲良くするつもりないけどね。


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