信用と信頼
今回は短めです!申し訳ないです_(›´ω`‹ 」∠)_
「はぁ?ほとんど食料が無くなったから、分けて欲しいだって?」
「すいません!すいません!全部、この女が悪いんです!」
辺りも暗くなり始める頃、私たちは車を停め野宿することにした。
すると車を停め、もう一方の車から降りた叶向は真っ先に透の元へ駆け足に近づき、食料を分けて欲しいと透に頼み込んだのだ。
何となく想像はできるけど、そんなにだったのか……。
確か、【BFF】の方たちはシェルターを出る際にそれはもう大量の食料を渡されていたのだから、それがこの短期間で底をついたということは、それだけメンバーの中に大食らいがいるのだろう。
私はチラッと陽葵の方に目線を向ける。陽葵は、わたしの視線に気が付いたのか私の方ににへらと笑みを向け、手を小さく振ってきた。
「おい、陽葵」
「はい!なんでしょう?」
「お前、飯抜きな」
「うえぇ!?ま、まってくださいよぉぉお!!わだしのよるごばん!!」
陽葵は、顔を涙でぐしゃぐしゃにしながら叶向に縋り付く。
「俺は夜ご飯じゃない!!というか、離せ!離せぇぇええ!」
「はぁ……まあ、分けてやるからあんまり夜に騒ぐなって」
「「すいません」」
透はため息混じりに食料を分けることを伝え、それに対して陽葵と叶向は、息の揃った謝罪のするのであった。
「それで明日の朝は、銃の訓練をするつもりだからそのつもりでいてくれ」
「分かりました!」
そして、私たちは皆で焚き火を囲うようにしてぐるりと座り、雑談を交わしながら夜の一時を過ごした。
そして、辺りがとっぷりと暗くなり、眠気を感じ始める頃。
透は、私の肩をトントンと叩き「少し話がある」と言って、少し離れた砂から飛び出ているちょうど良い高さの石畳の上に腰を下ろした。
空を見上げると暗く澄み渡る空に点々と瞬く星々が夜空に鮮やかな灯る色を点けていた。そして辺りは月光の下、月明かりに照らされ薄らと透けて消えてしまいそうな白い光に包まれていた。
そんな仄かに灯る白光の下で透は、何か遠い場所を見つめるかのように星々の瞬く夜空を眺めた。
「澪の件、ありがとな」
「え?」
そんな微かに照らされる空間に魅了されていた私は、その言葉を即座に理解することが出来なかった。
そして、え?と言葉を発した後になって、少し前の調達班との活動についてのことだと理解する。
「あ、そんな全然ですよ。むしろ、私のことを信頼してくれていると分かっただけでも私にとっては、とても嬉しいことでしたので」
「そっか。ならよかった」
そして、またしばらくの沈黙が辺りを包み込む。
透は、このことについてお礼を言うために私のことを呼んだのだろうか。それなら、わざわざ二人になる必要も無いと思うのだが…。
「まあ、そうだな。このことを話すためだけに呼んだわけじゃないんだけどな」
すごいナチュラルに心を読まれた……。
「身の上話みたいなものを話そうと思ってな」
「身の上話……」
今隣に座る透は、いつにも増して穏やかな表情をしていた。何か優しそうに大事な人を想っているようなそんな雰囲気を感じた。
「俺が何のために命懸けの旅を初めたか……。それを結衣にも話しておこうと思う」
これは、透なりに私を信用してくれたということなのだろうか……?もしそうだったなら、嬉しい。
「聞いてくれるか?」
「はい、私でよければ一一」
コンテスト用の小説執筆の為、しばらくの間休載致します。本当に申し訳ございません!お許しを……!