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弁財天の社 04

「既にお気付きとは思いますが、この町は怪物達からの侵略を受けています」

白蛇の姿となった弁財天が語り始めた。


 ――彼奴等は海を穢し、海の恵みを穢す事で人を穢し、人を己の眷属へと変貌させているのです。

 人を同化させ、同化していない人々を襲い、喰らう。今やこの町の海岸線沿い一帯は怪物達の縄張りと化しています。

 そのような状況下でも此の蕪島神社は、彼奴等へ対抗する為の出城として抗い続けてきたのですが、数日前に穢れを帯びた人の手によって社殿に火を放たれてしまい、そして今宵、私を完全に消滅させようと直接襲ってきたという訳です――


「そこへ私達が来た、と……」

若葉の呟きに白蛇は小さく頷き、今度は若葉に質問を返した。

「陰陽師よ。貴女は何故この町に?」

「私達は、ある薬物の出所を追ってこの町に来たんです」

「やく、ぶつ?」

「その薬物には強い依存性がある上、人外の力を得る副作用があり、それが原因で死者も出ているんです」

「その薬物が、この町から…ですがそのような事であれば陰陽師は動かぬのでは?」

「…その薬物は穢れているんです」

「なんと、そのような事が…しかしそれなら辻褄が合います」

「どういう事ですか?」

「近頃この町に穢れを纏った他所者が何人も来るようになったのです。神社に火を放ったのもそのうちの一人です。彼奴等は揃ってとある水産会社の加工場へと入っていくのです」

すると、それまで黙って聞いていた小鳥遊が口を開いた。

「きっと『ブラッド』の常習者だね。そこで取引が行われている可能性がある」

「あるかもですね、お露さん」

「そうだね。調べてみよう、若葉ちゃん」

そう言ってサッと踵を返す小鳥遊。後に続いて何歩か歩いたところで若葉が足を停め、

「あっ、ちょっと待って下さい」

そう言って白蛇の傍へと戻り、声を掛けた。

「弁天様、宜しければ一緒に参りませんか?」

「それは――?」

「弁天様もまたいつ襲われるか分かりませんし、私も現地の神様がご一緒して下さると心強いです。それに少なくとも植木の陰よりは安心して頂けると思いますよ」

首を傾げ、上を向き、少し考える様子を見せる白蛇=弁財天であったが、決断は早かった。

「それでは、この騒動が落ち着くまで、身を寄せさせて頂くとしましょう」

言うが早いか、白蛇はぴょいと飛び跳ねて若葉の左手首に巻き付いた。

 それに若葉が驚いた次の瞬間には白蛇の姿は消え失せており、そこには真珠のように輝く白い組紐が巻き付いていた。

【これで其方の邪魔にはならぬでしょう】

何処からか声が聞こえた。先程の蛇=弁財天の声だ。

「もしかして、組紐に化けました?」

【せめて化けた、ではなく化身した、と言って欲しいですね】

「あっ…すいません」

【もしこの騒動を鎮める事が出来、私が再び力を取り戻した暁には其方に褒美として、わたくし弁財天と守護の契りを結んでさしあげしょう】

「それは有難うございます。ですが以前、歳神を司るのは吉祥天様と教えて頂いていたのですが、弁財天様と縁を結んでも、その…歳神って使役出来るのですか?」

【それは問題ありません】

「ならひと安心です」

【属性がLaWかChaosかによって使役できる悪魔が変わるだけですから】

「神様がメガテニストにしか分からないネタをブッ込まないで下さい」

【というかあの女(吉祥天)とは一時期混同視されていた時期がありますので正直気に食わないのです】

「だからといってぶっちゃけトークもやめてください」

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