異世界転生をさせて貰えるらしい
「やぁ、目が覚めたかい?」そんな声が聞こえたから目を開けると、俺は真っ白な世界に一人立っていた。
声が聞こえた方を振り向くと、髪も目も、服装すら真っ白な人物がそこにはいた。
「あんた、人じゃないな。一体だれだ?」俺は直感で目の前の人物が人間ではないことを悟った。
「ボクは神さ。ただ『異世界の』と言う前書きがあるがね。」
目の前の神を名乗る人物によると、戦争の為だけに造られ、自身の持つ大きすぎる力に耐えきれず、15歳と言う若さで死んだ俺があまりにも可哀想だから、自分の管理する異世界に転生させてあげようと言うことらしい。
「で、だ。ただ転生させるのも面白くないから、そうだねぇ...あ!
そうだ、願いを3つまで叶えてあげるよ。さあさあ、言ってみな!」
3つか、2つはもう決まっているが、最後の1つどうしようか...
「なぁ、神様」
「ん?なんだい?」
「その異世界とやらには、俺のいた世界と何か違うのか?」
「おぉ!待ってたよその質問!違いは沢山あるよ。まず、〔魔法〕がある。まぁ、科学の代わりに魔法で発展した世界なんだよ、他には〔魔獣〕や〔魔物〕と呼ばれる生物がいてね、さらにそいつらを狩る『冒険者』もいるんだ!さらに.....」
「ストップ、もういいから。つまりいわゆる【ファンタジー】とやらだろう?」
「レベルはないけどそうだね。あと身分制度もある。」
「OK、願いを言おう。1つ目は、人造人間としての力を使いこなせる体が欲しい。」
「....そんなことでいいのかい?」
「あぁ、あの力を使いこなせなかったから早死にしたんだ。なら、使いこなせる体があればいい。」
「ふ~ん。じゃあ、二つ目は?」
「転生先をましな環境の孤児院にして欲しい。」
「これまた何で?」
「俺は親と言うものが分からない。そして分かりたくない。...そう言う事だ。」
「あっそ、最後は?」
「異世界なんだから、<スキル>みたいなものがあるんだろう?それが欲しい」
「具体的には?」
「そこまで指定していいのか?」
「もちろんさー」
少しイラっとしたが気にせず続ける
「武器を創る力が欲しい。俺のような戦い方をすると武器がすぐに使い物にならなくなる。」
そう、俺は少し特殊な戦い方をするため、安物だとすぐに壊れてしまうのだ。なので、いつも自分用に作った武器を幾つも携帯していた。
「いいよー。おまけで異空間収納もつけとくねー」
...多くね?
「いいのか?そんなにもらって?」
「君はこれでも足りないくらい前世が可哀想すぎたの!」
そんなに可哀想を強調するなよ...悲しくなるぜ
「まぁ、これでOK。新しい人生楽しんでねー」
そんな会話を最後に、俺の意識は沈んでいった。