235.教室に潜む囚人 キティナ
周囲を確認しながら進むと、キティナが教室で周囲を見ていた。
この学園の体育館側に行くには、このルートだというのはわかっている。
はっきり言って、どうやって彼女に気づかれないようにいくか、が問題だ。
「青年、ここは私に任せて」
「え? あ、はい」
「――――具現創造、弄場の玩劇」
リアナさんが小声で隣から言われ、彼女は眼を閉じながら能力を発動させた。
彼女の周囲から青い光が現れたのを見て、キティナがぴくりと反応する。
「何? 今の……?」
ま、まずい。気づかれた!?
俺たちは口を閉じて、数分間沈黙した。
すると、キティナはボソッと呟いた後、ふぅと息を漏らしつつ体を伸ばした。
「もぉ、アストリア先輩ももう少し融通利いてくれたらなぁ……アタシ、後始末とか面倒なの嫌いなのにぃ」
リアナさんの方に振り変えると彼女の手には猫のぬいぐるみが彼女の手に現れた。
俺は小声でリアナさんに質問する。
「シルバーさん、それは?」
「彼女がお気に入りのものよ、私が先に行ったらこれを投げてくれる?」
「は、はい」
俺はちらっとキティナの方を見ると、彼女は窓辺を眺めているようで気づいていないようだ。
リアナさんと俺は互いにアイコンタクトを取って、頷きあうと行動を始めた。
まず先にリアナさんが忍び足で道を通っていくと、俺の方へと振り向く。
俺は頷いて、黒猫のぬいぐるみを教室へと投げた。
教室の後ろの席の真ん中にうまく投げ込めたので、俺は急いで足音を立てずにリアナさんのいる教室の真ん中へと歩いていく。
「ん? ……あ! ぬいぐるみぃ!」
キティナがうれしそうな声を出して、ぬいぐるみの方へと歩み寄っていく。
俺とリアナさんはぬいぐるみに夢中になっていると踏んで、俺と彼女は完全に歩き終えると、急いで体育館へと向かった。




