233.囚人からの逃走
「キティナ、さん……で、合ってますか?」
「雑魚がアタシの名前口にしないでくれますぅ? ウザいんでぇ、殺しちゃいますねぇ♪」
「うわっ!!」
キティナは手に持ったハンマーを小さくして、俺の方へと大振りで降ってくる。
俺は間髪、横に避けてさらに続けてキティナはハンマーで襲い掛かる。
ハンマーを小さくも大きくもできるのか!?
もしかして、それが彼女の能力……!?
「ちょこまかとウザいです!! とっとと死んでください!」
「あはは、死にたくないので……お断りします!」
キティナは俺がいた場所へ、俺は扉の方へと向きが逆転する。
完全に逃げれる態勢だと踏み、走り出す。
「だーかーらぁ、逃げるな!!」
――――まずい!!
翔太は後ろから、ハンマーで大振りで振りかぶってきているキティナに避けるために体を低くしゃがんで足をスライドさせて彼女の方へと振り返る態勢に入った。
「……そう簡単には逃がしてくれないんですねっ」
「当たり前じゃん、だって君。この学校の生徒の顔写真にいないし……もしかして、敵対組織さん?」
ハンマーを首に回し、前のめりになりながら彼女は俺を挑発する。
その挑発に乗る理由もないです、ってね!
「ありがとうございます、それじゃこの辺で!」
よし、ある程度の距離も取った、俺のスピードなら彼女も追いかけてこれないだろう。
翔太は隙を狙って、入口の方へと駆け出した。
キティナは大声を絶叫した。
「だぁああああああああああああああ!! 逃げたー!! 逃げられたぁー!!」
『何をしてる、67番』
キティナのヘッドフォンから、聞き慣れた看守の声が聞こえてくる。
彼女は残念そうに看守に説明した。
「今、同胞っぽい人いたんですけどぉ……逃げられましたぁ」
『……他の組織の人物かもしれないが、今は任務中だ。そっちを優先しろ』
「はぁーい……」
キティナは通信を切って、退屈そうにハンマーを首の後ろに構える。
「なーんか気に入らなーい。なんていうか、先輩が興味持ちそうな感じがする男な予感……これ絶対女の勘って奴かも!」
キティナは右手の人差し指を自分の唇に当てて、片手に持っていたハンマーを背に隠す。
「もし、そうだったらぁ……殺そ♡」
恍惚とした表情で、キティナは怪しく笑みを浮かべた。




