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224.リアナさんとの初めてのクリスマス

 だんだん、外にいるせいで身体が冷えてきている。

 でも、リアナさんに会いたいから我慢だ。

 俺は蹲りながら、空を眺める。

 雪は止んで、冷ややかなのに穏やかな月明かりが不安を加速させる。

 リアナさんが他の誰かと一緒にいる、なんてことを考えそうになる。

 でも、リアナさんは不誠実の人じゃない。

 絶対、そういうことをする人じゃない。

 だって、あんなに俺を鼓舞してくれた人を、恋したあの人を否定するのは、なんか違うと思う。


「………………」


 なんとなく、日本にいた時の、ひとりぼっちのクリスマスを思い出す。

 父さんが病院が忙しくて帰ってきてくれなくて、ケーキだけは予約してあって届いてて、父さんを待とうにも連絡で明日の朝になるって連絡が来た時は、何度落胆したことか。

 でも、リアナさんは父さんじゃない。

 父さんみたいに忙しくても、きっと、きっと来てくれる人のはず、なんだ。

 ぎゅっと両腕を掴んで唇を噛み、顔を俯かせる。

 他の人の視線なんて気にならなかった。

 変って他の人に思われてもはやくリアナさんの顔が見たかったから。

 耐えろ、俺は変わって来てるんだ。これが子供っぽいって思われたってへっちゃらだ。


「――――――青年?」

「リアナ、さん」


 泥でできた不安を洗い流す清流のような彼女の声に、顔を上げて振り向く。

 ぽろっと出た声は、少し上擦っていた。


「待っていてくれたの?」

「はい、すみません」

「謝らないで、非があるのは私の方だもの。どうして、連絡に出てくれなかったの?」

「あ……すみません、スマホ部屋に置いてきちゃってました」


 リアナさんは屈んで、俺をじっと見る。

 その瞳には心配の色が含まれていて、あまり表情が変わらない彼女も後悔してるようだった。


「もう眠っているのだとばかり思っていたわ」

「それは、本当にごめんなさい。でもリアナさんの顔、どうしてもすぐ見たくて……もし、外にいたら、すぐ貴方に会えるかなって」

「…………馬鹿な人ね、こんなことをしなくても、部屋で待っていてくれればよかったのに」

「すみません、引きますよね……リアナさんも疲れてるなら、今日のクリスマスは、一旦やめて――――」


 ふと、両頬に彼女の黒手袋が頬に当たる。

 俺の視線を逸らさまいと、彼女自身も逸らさないと言いたげに真っ直ぐそのウルトラマリンブルーのように深い瞳で見据えられる。


「貴方は、私を待っていてくれたのでしょう。なら、貴方の部屋にリードして」

「いいん、ですか?」

「もちろんよ。貴方と一緒に今年のクリスマス、過ごさせてくれる?」

「…………っ! はい!」


 立ち上がって、リアナさんと一緒に俺は彼女を部屋に招く。


「どうぞ」

「ええ」


 リアナさんを指定の席に座ってもらって、冷え切った料理を電子レンジで温め直して二人で食べることにした。


「飾り付け、素敵ね」

「あ、はい! オートメントっていうのも色々つけてみました!」


 テーブルに置いてあった食事の品々は電子レンジでそれぞれ温める。

 温め終えて、リアナさんに一つ一つテーブルに並べた。


「青年が全部作ったの?」

「はい! 気に入ってくれたら嬉しいです」

「ありがとう、私も持ってきたものがあるのだけど、いい?」

「はい、大丈夫ですよ」


 リアナさんが袋を中身を取り出すと、前回の時のようにクラフトコーラを持ってきてくれていた。


「青年に前プレゼントして飲んだ時に好きと言っていた物を持ってきたわ」

「ありがとうございます!」

「……喜んでもらえてよかったわ」


 リアナさんが、自分ようの皿に置いたポテトを一口食べる。

 ……お、大人の余裕だなぁ。

 リアナさんと、食事をした時は最初の時は微妙な感じだったけど、今日は悪くない……か!?

 脳内で、色々と思考を考えながら、情けない顔はしないよう口角を意識する。

 ある程度リアナさんと食事を終わらせて、デザートのチョコレートケーキを出して、一緒にリアナさんと食べた。リアナさんはチョコレートケーキが出てきて、キラキラした目をしていたのに、またかわいいなぁと感じつつ、一緒に美味しくいただいた。

 次にリアナさんと一緒にゲーム機の画面をテレビの画面に出して、二人で一緒にミニゲームをたくさん遊んだ。夜が更けるまで、いや、深夜も過ぎてリアナさんと一緒に遊び尽くした。

 リアナさんとの今日って言うクリスマスは、本当に楽しい。

 今日というクリスマスは、俺にとって鮮明で大切な思い出の一ページとなったのだった。

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