223.最終チェックの後
俺はリアナさんと遊ぶゲームの機材で充電はどれくらいとか確認したりゲーム機をフキンで軽く拭く。一応人気どころのパーティゲームだし、難しく悩む必要のないゲームソフトをチョイスしたから、問題はないと思うけど……どうなんだろう?
アルシュさんと図書館に行く時に、たまに一緒にリアナさんともゲームはしたことがあったし、たぶん大丈夫だとは思いたい。
「……よし!」
新品だけど、埃が付いた状態でゲームなんて絶対リアナさんとはできないから、最終チェックできるのも、いいことだよな。
でも、本当にリアナさんは任務で忙しいんだろう。
連絡もなかなかこないし……リアナさんの性格上、ラインの返事で「やっぱり今日はもう無理だわ」って一言くらいは乗せるタイプだって知ってる。
だから、はじめての誰かとのクリスマスを、心の底から楽しみにしてるから。
……でも、それが本当にそうなったら?
「あー……はやく、会いたいなぁ」
一緒に食事をして、今年にあったたわいもない話をして、リアナさんとゲームしたりして。
いっぱい、いっぱい話したいんだ。
いつもなら、前までの俺なら我慢できるはずなのに気持ちがきゅっと辛くなってくる。
…………リアナさんの顔、見たいなぁ。
「……そうだ」
息をゆっくり吐いて、俺は準備に取り掛かる。
こういう時は、行動すべきだろ俺。
俺は最終チェックの確認を全部終えて、たてかけてある上着を羽織り、赤いマフラーを首にかける。
手袋は念のために付けて、俺は玄関のドアノブを捻った。
冬空の風が頬に冷たく当たって、俺は玄関前の扉の前で蹲った。
「……これなら、すぐリアナさんのことわかるよな」
なんとなく恋愛漫画でもこういうのってストーカーっぽい、って引かれそうだけど。
でも、部屋にいたら来れないって絶望しそうで怖くて出てきてしまった。
リアナさんにまっさきに声を掛けたいし、一応服は大丈夫なように重装備してあるし。
大丈夫だ、たぶん。
「……リアナさん、はやく来ないかなぁ」
ぽつりともれた独り言は、雪が降り積もる中白い息とともに宙へ上がって行った。




