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若者の手紙
中国
明末清初の頃
荒野
二人の男が戦っている。
1人は若者。もう1人は白髪初老の男だった。
二人は拳脚を応酬。互角の腕前に見えた。
そこに三人の編み傘を被った男達が現れた。
「遅くならました陳先生。後はお任せ下さい」編み傘の男の1人が初老に言った。「よし、やれ」
三人が若者に挑む。
多勢に無勢。若者は三人の拳脚を浴び倒れた。
「フフフ。ワシに逆らうとこうなる。行くぞ」「はい、先生」
四人は去って行った。
李英風は馬に乗って荒野を疾走していた。
白い上着と黒いズボンの汚れが長旅を物語っていた。
人が倒れている。李は馬から降りて近ずいて行った。
若者が血を流して倒れている。
「これを、街の道場の先生に渡して下さい」若者は李に手紙を渡し事切れた。