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地球戦争  作者: 洲本六文
第2章「船出」
7/10

「取引」

機関銃の男と黒服達の襲撃によってレイ・ソードレスは崩落に巻き込まれ、青葉なつは凶刃に倒れ、鈴谷榛名は誘拐された。

「うぅっ…」

鈴谷榛名の意識が覚醒した。

「目が覚めたかね?」

鈴谷榛名の目の前には機関銃の男、両脇には黒服二人がいた。

鈴谷榛名の手には手錠がかけられていた。

「私をどこへ連れてく気?」

「それはまだ言えないなぁ。」

「言っとくけど、私がここで擬似太陽を爆発させればあなた達は死ぬわよ」

「そうすれば当然君も死んじゃうよ?」

「あなた達の道具に成り下がるよりマシだわ」

「まぁまぁ落ち着いて。」

機関銃の男は不敵な笑みを浮かべると続けてこう言った。

「もうすぐ君のお父さんの元へ着くから」

「お父さん!?」

「ほらあそこに見えるだろう?」

ヘリの窓から海上に浮かぶ戦艦が見えた。

「なに…あれ…」

「第一海上基地で作られた対異星人超弩級戦艦鈴谷だよ。戦時中に作られた重巡洋艦鈴谷を基にして作られた兵器だよ。」

「兵器…」

「そうだよ。あれがあれば国家転覆なんて容易いものさ」

「国家転覆?」

「そうだよ。私は国民自由党のリーダー冬月武蔵。君を引き渡す代わりに戦艦鈴谷を貰い受けて、異星人どもを蹴散らし、首都を奪い返す。そしてそのまま国家を国民自由党のものとする。ハハッ!いい考えだろう??さぁ降りよう。お父さんがお待ちかねだよ。」

ヘリは戦艦鈴谷のヘリポートに降りた。

「娘を返してくれ」

ヘリポートに鈴谷吹雪が現れた。

鈴谷吹雪の周りには鈴谷吹雪の部下数名と黒服達がいた。

「あなた方が先にこの船から降りるのが先です。さぁあの救命艇に乗りなさい。乗ったら娘さんはお返ししましょう。」

「…………………分かった。」

鈴谷吹雪と部下達は救命艇に乗り込んだ。

冬月武蔵は鈴谷榛名を救命艇に連れて行く。

「取り引き成立です。娘さんをお返ししましょう。」

そう言うと冬月武蔵は手の平で拳銃を生成し、その拳銃で鈴谷榛名を撃った。

鈴谷榛名は救命艇に倒れこんだ。

「榛名ッッ!!!」

「娘さんは約束通りお返ししましたよ。命の保証はしませんが…。くれぐれも擬似太陽で交戦しようなんて馬鹿なことは考えないように。」

救命艇は戦艦鈴谷から切り離された。

戦艦鈴谷は速度を上げ救命艇から離れていった。

救命艇から離れても艦影がはっきりと確認できた。

鈴谷榛名の意識は再び薄れていった。

「お父さん………」

「すぐ基地から船が迎えに来る!それまでの辛抱だ!榛名!榛名!」

「お…父…さ…ん」

鈴谷榛名は気を失った。

第一海上基地から迎えの船が来たのは鈴谷榛名が気を失ってからすぐのことだった。

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