第一章 第四話 元男爵山田
「ルネッサンス!」
そう言ったのは、でっぷりとした貴族風の男だった。
「どうも。貴族は廃業した、山田三十六世です。」
側に控えるのは、家令のヒグチ氏である。
「で・・・なんの御用で?」
レミナリアが、尋ねた。
「先代は、愚かしくも「鎖国派」だったのですよ。なので私は、そのままでもつぶれてしまう家を処分し、懇意にしていた「開国派」に任せました。そうして私はヒグチと共に、芸人の修行をし、芸人を育て管理する「山田興業」を設立いたしました。経営はうまくいっているのですが・・・なにぶん、初めての業種なので、知名度がないのです。」
「で、「お仕事」よ。ハル。」
そういうことか・・・
ハルモニアには、このレミナリアが「元」黄金騎士待遇の騎士であり、祖父や王に師事した「政治家」であることを思い出した。
「しょうがない・・・レポートに載せましょう・・・でも、「領内」では、レミナリア卿にお任せしますよ。」
「無論。」
「芸人の会社・・・「売れる」かも・・・」
コハルが言った。
「リシテアールでは、これまでは「古代文明」でしかそういう団体はなかったようです。独占ですね。」
ヤタノが、言った。
元ネタは、「髭○爵」です。古いなァ・・・