第一章 第一話 レポート1獅子おどし
朝・・・
「きゃあああああああッ!」
ズガガガガン・・・!
バキッ!
ドカアアアアアアンッ!
やたら派手な音がする。
「ん・・・?」
ハルモニアは、その音で目を覚ました。
「ありゃ~・・・」
レーザーパンダのレルは、トラップに引っかかった人獅子の女性を見た。
「なによコレ!」
女性は、獅子特有の尻尾を逆立てて怒鳴る。
「ご無礼を。当屋敷の主人・ライテスが、趣味で作成したトラップでございます。通常侵入者は、我々・通称「レーザーパンダ」が、迎撃しますが、「獅子おどし」に引っかかったあなた様の状況や、感想をレポートにまとめよとの命を受けております。」
「はあ?」
女性は、目を丸くした。
「元来、鹿おどしとは、庭園を守るため、水車の要領で竹筒を石で鳴らす仕掛け。主人は、字面が気に入らず、「獅子」を脅すトラップとして、作成しました。名の通り、人獅子にのみ反応いたします。」
「うげ!」
「どうでしょう。感想は。」
「最低よ!」
「かつて、邪馬台国から参られた「ムラサキ・シキブ氏」も、当屋敷のセキュリティーには、そう申されていました。」
「こりゃいい・・・ウチのお爺様の「アホっぷり」も「売れる」かも・・・」
ハルモニアは、さっそく、この様子をレポート用紙に記し始めた。




