第一章 第五話 キティルハルムの学問
「違うにゃ!ここで、ゼウス神は、超絶な浮気をぶっこいたにゃ!」
「そう見えるが、「神」を言わば「量産」して「地球世界」の安定を図ったのだ!」
キティルハルム闘技場・・・
開閉式の屋根が、展開し、冷房が効いているが、白熱した議論の真っ最中である。
「なんですかアレ?」
「「神学」。」
ユイが、応えた。
「神学とは、「神様」「宗教」を学問すること。地球でも、文明の発展に応じて無意味・不要になった「戒律」などを整理したり、神話の時代の神の言葉を科学的に「解析」するのに有効だった。それにより、新しい考え方や宗派が誕生した。このキティルハルムでも、長らく宗教は禁止されていたけど、神学は禁止されていなかった。」
「そうです。かつて、アトランティアはこの国に攻め込みました。しかし、戦争のどさくさに紛れ、アトランティアの封印は解かれ、この国を滅ぼそうとする教皇エクシィルは、大魔王と化し、「闇の勇者」に倒されました。それにより、宗教を禁止する理由がなくなり、こうして交流が始まったわけです。」
「しかし・・・どこにも、聖鳳凰像が、見当たりませんが・・・いいところ、創造神帝や、司書神くらいで・・・」
ハルモニアが返した。
「まあ、司書神は、全ての「神」の王の弟とされる神で、「深淵の図書館の管理人と言われ、多くの偉人が面会している神です。ある意味、歴代の女王・王は司書神の神官という人もいます。とはいえ・・・聖鳳凰当人とケンカしてしまっていて、好印象がないのです。」
「何度言えばわかるにゃ!竜神と、神々は微妙に違うにゃ!」
「いいや!同じだ!」
議論は、白熱している。
「そして・・・悟りを得て神波動に覚醒することは、「神」になることだ!」
「それは、我々「人間」の愚かな驕りにゃ!神に近づきはするが、神にはならないにゃ!ただの進化にゃ!」
「ああいえばこういう!」
「だったら、そういうにゃ!」
「泥沼・・・か・・・」
ラナが、つぶやいた。




