第一章 第四話 絶倫女王の蛇園
その日・・・キティルハルム女王キティ二世は、執務中に禁断症状を覚えた。
「これこれ・・・」
山と積まれた、段ボール箱。
その端っこの一箱を開き、絶句する。
「げッ!もうこの一山だけ!?アカン!」
キティ二世は、ちょうどこの日、執務の休暇に入る。
「久しぶりに、行こうか。」
彼女の目が、猫さながらに細くなった。
王家直営錬金術工房。
ここでは、キティ二世の発明した医療に携わる薬品が、多数量産されている。
中には、機械化・量産化が進んでいるラインもあり、近代的だ。
「ようこそ陛下!頃合だと思って、ダンボール百箱用意してございます。」
所長のアリエス・アルケミアが、声をかけた。
「ありがとう。経費は、私の小遣いからひいて振り込んでおくから。」
極めて私的な経費なので、以外にもキティ二世は、小遣いから払っているのだ。
「ついては、お願いの儀がございまして・・・」
「わかってるわ。「材料」ね?」
「はい。」
「久々に、いきますか・・・あそこに・・・」
そこは、キティ二世の「蛇園」。
マムシ、ヤマカガシ、キングコブラなんぞがいる。
変り種では、アナコンダなんかもいる。
「ぬっふふふ・・・」
目が怖い。
本当なら、ここに揃えられている蛇の「一般基準」では、「人間」は彼らの美味しい「食糧」だが、ここにいる連中からすれば・・・
「「「!!!」」」
無理矢理人間の言葉に訳せば・・・
「わーッ!またアイツだァ!」となる。
知能が発達しすぎて、下手な霊長類並みとなっている。
カラスもかくやである。
がしッ!
キティ二世は、キングコブラの一匹・・・彼ら基準の「ボス」を難なく「捕獲」。
首根っこを掴んでいる。
更に、気付くと、マムシを同じように掴んでいる。
彼女は、夫のレナスに門を閉じさせると、鼻歌交じりで帰って行った。
新事実!キティ二世は、こうして「蛇」を調達していたのです!




