第二章 第四話 滝川クリスタル、クリスタル鉱へ行く2
ウズドガルド大公領の鉱山の一つ、リナステア鉱山。
元々、クリスタルの鉱山として知られていたが、ライテスのオリハルコン・アダマンタイト複合ハンドドリル掘削機が導入されたことで、より安全により速く掘削が可能となった。
「わあ・・・キレイ・・・」
ラナが、感嘆の声をあげた。
この鉱山は、観光用の整備した道と坑道とがある。
「それだけじゃないんだなこれが。」
案内の、鉱夫長アラナスが言う。
「実はここのクリスタル・・・キティルハルムにも輸出されてるぜ。」
「え!?]
ラナは、人熊のおっさんの言葉に驚いた。
「ハルモニア嬢ちゃんやコハル嬢ちゃんなら、ライテス卿の孫だからよく知っているだろ。」
「ええ。」
「よく宝珠や、機械の振動子、耐久レンズなどに使われるわ。キティルハルムでは、錬金術用よりも、機械の部品としての需要が多いみたい。」
「そういうこった。まあ、洒落っ気のねえキティルハルムの連中も、「宝飾品」として使う奴もいるそうだ。」
ただ・・・と、アラナスが続ける。
「クリスタルって奴ァ、硬すぎていけねえ。金属や金剛石の次に硬いときている。そこで、「ライテス卿の掘削機」って訳だ。」
「まあ、最近じゃ、ミケランジェロ一族の彫刻家が、変った作品をクリスタルで作っているようだけど。」
滝川クリスタルがいった。
「マッチョな男性像や、猫神のノワール二世前女王像・・・今じゃ、「スケルトン像」を手が手いるそうだけど・・・」
「もとより、「スケルトン」だと思うけど・・・」
ラナが呟く。
「うんにゃ・・・俺には芸術はわからんが・・・発想はわかるぜ・・・「骸骨」だよ・・・」
「髑髏?」
「「骸骨」と「スケルトン」をかけてるのよ・・・ライテス卿が考え付いてもやらないことをあの一族は、やるから・・・」
いいつつ、奥へ到達する。
「これが、偉大なる「大総合導師」だ!」
ハルモニアとコハルは、絶句した。
そのクリスタル像は、紛れもなく・・・
竜鳥姿の・・・それも、「連合軍総参謀」の頃のライテスの姿だった。