第二章 第三話 滝川クリスタル、クリスタル鉱へ行く1
ライテス邸の新築の離れ。
ここは、ハルモニアの事務所になっていた。
「いいネタないかな・・・」
ラナが、紅茶を飲みつつ言う。
「今月分のレポート・・・終わり!」
ハルモニアは、冊子に穴を開け、針金状のリングを通す。
「ラナ・・・同じチームとはいえ、ここは我が家の敷地。休憩目的でないならボケてない。」
コハルが、呟く。
「どーせ、私は居候ですよ・・・」
そのとき、レーザーパンダのレルが声をかけてきた。
「ハルモニアお嬢様。滝川クリスタル様が仕事で、お見えです。」
「こっちにお通して。」
レーザーパンダは、覚えた相手には危害を加えない。
「な・・・なんですか?それ!」
「「ぷくく・・・ク・・・クリスタル・・・」」
コハルとラナが、爆笑していた。
「笑えるでしょ?滝川「クリスタル」、クリスタル鉱を今話題の、「勇者の娘の観光調査員」と共に、取材・・・」
なんだ・・・このオヤジギャグ・・・
「お爺様が、飛ばしそうなギャグのような気が・・・」
人狼の報道官・滝川クリスタルは、超魔王との戦いに参加した報道官である。
これでも、剣の腕なら黄金騎士にも匹敵する。
「う・・・売れるのかな・・・?このネタ・・・」
ハルモニアは、頭を抱えた。
古代人と言っても、「現代人」とそう変らないようだ。