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オペレーションくしなだ  作者: 木葉
八雲立つ出雲八重垣
3/31

第3章 <1>

 りらが目を開けた時、息遣いが聞こえるほど至近距離に陽一の横顔があった。確かさっき、出雲大社に飛行機が墜落して、陽一と竜成と一緒に逃げたのではなかったか。

「ねぇ、長柄くん、起きて」

 りらは陽一の肩を揺すった。驚くべきことに、もう一人若い女性と竜成ではない男性が近くに倒れていた。精悍な体つきの男性が起き上がった。

「貴子…」

 連れの女性を探しているようだったが、りらの横で倒れている女性を見るや「違う…」とつぶやき、りらと陽一の方に顔を向けた。陽一も起き上がった。

 四人はどこか薄暗い森の中にいた。ここがどこか全くわからず、見知らぬ人間もいて、緊張せざるを得なかった。こういう時、竜成がいれば違った雰囲気だったのだろうが。

「大丈夫?」

 りらは派手な飾りをたくさんつけたロングスカートの女性を助け起こした。自分より少し年下のように見えたが、りらを見上げる瞳からは恐怖や不安よりも気丈さがうかがえた。

「ここは?」

「わからない。俺たち、出雲大社にいたはずなんだ」

「あたしも。飛行機が墜落して逃げてたんだけど」

「でも、ここは出雲大社とは違うよな」

 四人とも同じ境遇に置かれていたことは確かなようだ。

 陽一が地面に座り直し、自己紹介を始めた。

「俺は長柄陽一、二十六歳。東京で建築士やってます。こっちの桧枝さんと、あともう一人男友達と観光に来てました」

 こんな時に悠長に自己紹介してて良いのかとりらは思ったが、緊急事態を乗り切るにはお互いの協力が必要だった。潤もその趣旨を理解した。

「俺は五十里潤、二十七歳。美保基地で自衛官やってます。彼女と一緒だったんだけど、行方不明だ」

「あの、私、桧枝りら、二十五歳です。私も東京で働いてました」

 最後に、個性的な見かけの女性に注目が集まる。

「あたし? えっと、徳永美輝です。二十三歳。一番若いね。あたしも友達と一緒だったのに、誰もいなくなっちゃったみたい」

「徳永さん、大学生?」

 潤が訊いた。なんとなく見かけも話し方も苦手なタイプの女の子だった。

「ダンスやってる。セミプロ」

「えー、すごい! 今度ダンス見たい」

 りらが美輝の話に食いついたが、今はそれどころではない。

 陽一は深呼吸をして、目の前にいる若者たちを順に眺めていった。服装におかしなところはない。持ち物もそれぞれ所持している。

 しかし、あまりにも静寂すぎた。もしここが出雲大社の近くや裏側だとしても、あの墜落事故の騒ぎが聞こえないし、そうでなくても、車が行き交う騒音なども全くない。

「桧枝さんと徳永さんは、ここで待ってて」

 陽一は潤についてくるよう促し、慎重に動きながら周囲の様子を偵察することにした。

「五十里さんが自衛官で頼もしいです」

 安易に考えたきらいがなくもないが、陽一は心からそう思った。

「役に立つかわかんないよ、俺、ほとんどデスクワーク的なことやってるから」

 そうは言うものの、周囲の様子を伺う潤の眼光は鋭かった。

 木の陰に身を潜めつつ少しずつ遠くへ進むと、前方に川が流れていた。穏やかで澄んでいるような水が流れており、川べりには木製の小屋が建っている。

「ホームレスでも住んでるのかな」

 さらに観察すると、なんと小屋の陰に馬が二頭潜んでいた。そして、人の声。聞き耳を立てようと息を殺していると、潤の背後に何者かの気配を感じた。

「おい、待ってろって言っただろ」

 いつの間にか、美輝とりらが不安げな表情を浮かべながら木陰に立っていた。

「今日はよく釣れたな」

「兄貴は女だけじゃなく、魚にも好かれる」

 二人の若い男性が笑いながら小屋から出てきた。

「何か変じゃない、あの人たち?」

 りらが陽一にささやいた。それもそのはず、若い男性たちが手にしている釣り道具は非常に原始的で、服はシーツを被ったような簡素なもの。髪型に至っては、長い髪を頭の両サイドでまとめている。

「あれって、オオクニヌシっぽくないか」

 陽一は出雲大社で見た銅像を思い出した。あの男性たちは、まさしく銅像のオオクニヌシと似た格好をしている。

 間が悪いことに、今まで無風だった森を強い風が吹き抜け、美輝の鮮やかなクリームイエローのロングスカートがはためき広がった。

「何者だ!?」

 誰何の声とともに、美輝が地面に倒れた。大柄な男の手には飛び道具があった。

「徳永さん、大丈夫!?」

 よく見ると放たれた矢はスカートの裾をピンで留めたように刺さっているだけであった。隠れることが無駄だと悟った陽一は潤と女性二人の盾になるよう仁王立ちになり、正体不明の人物に対峙した。

「奇妙な身なりをしてるが、どこから来た?」

「我が王国の者ではなかろう」

 見た目や口調や言いぶりからすると、地位の高い人間のようだ。潤はとっさに頭に浮かんだ文字を言葉に出した。

「私は防人の隊長をしていました。しかし今は旅をしており、道に迷いました」

「領地に足を踏み入れてしまったことはお詫びします。ですが、お許しください。東の国から来た身ですので…」

 陽一も必死にそれらしく言い繕った。

「東国か。随分と遠くから女を連れてよくたどり着いたな」

 知性的な方の若者がりらと美輝を見つめた。明瞭な声と好きな俳優に似てスマートな雰囲気をたたえる若者に、りらは惹き付けられた。そして、思わず陽一に話しかけた。

「あのカッコいい人、やっぱりオオクニヌシじゃない?」

 陽一が返答するより早く、

「今、何て言った」

 いぶかしがる声が飛んだ 。りらの小声は森の静寂には大きすぎたようだ。

 彼らにとってオオクニヌシがどういう意味を持つのかわからないが、陽一は覚悟を決めた。

「オオクニヌシと言いましたよ」

 目の前の若者二人は互いに顔を見合せ、思いもよらないことを言った。

「我々の父の名は東国にも知られているのか。それともお前たちは本当はキビの密偵か」

「オオクニヌシの息子…」

 つまりここは神話の世界の出雲地方なのか。

 自分を落ち着かせるため、もう一度、陽一は息を深く吸った。りらを守るため、オオクニヌシの息子たちを味方につけなければ。

「俺たちの国でも、オオクニヌシは優しい素晴らしい方だと有名です。俺たちは本当に旅人だ。オオクニヌシが治める国を見たくて遥々やってきました」

「絶対に密偵なんかじゃありません」

 りらが背後から必死に主張した。

「信用してくれたら俺たちの国のことも話します。その貧弱な弓矢よりも強い武器の作り方も知ってます。それに珍しい東国の踊りもお見せしますよ」

 潤は意図的に挑発的な言葉を選んだ。最後の提案には、場合によっては美輝を売ってもいいという考えがあり、それがわかった美輝は眉をつり上げながら潤を睨み付けた。

 あくまでも陽一は下手に出た。

「オオクニヌシの名前は存じていましたが、あなた方の名前は私たちの国にはまだ伝わっていません」

「私はコトシロヌシ」

 りらはその名を思い出したかのような声を上げた。敵か味方かも判別していないのに、知的で落ち着いた雰囲気がなぜだかりらの心をくすぐった。コトシロヌシの前で立ちはだかる色黒で大柄の男性が名乗った。

「俺は弟のタケミナカタだ。兄貴は父の頭脳だが、俺は武力を担当してる」

「お前たちが何者かわからないが、ここで出会ったのも何かの巡り合わせだろう。詳しい話は父の館で聞こう」

「館はすぐ近くだが、女は馬に乗るといい」

 タケミナカタは馬をりらたちの傍へ引いてきたが、当然、馬など乗ったことはない。

「あの、私、馬に乗ったことないんだけど」

「さすがにあたしも無理だわ~」

「まさか歩いてここまで来たのか」

「そのことを含めて、後でちゃんと包み隠さず話しますよ、あなたたちには奇妙だと思うけど」

「馬に乗ったことがないなら、乗せてやれ」

 実はこの馬、背丈が低く、ずんぐりしており、競馬などのサラブレッド種のようにお世辞にもかっこいいとは言えなかった。陽一と潤は、りらと美輝が鐙に足をかけ、馬の背に跨ろうとするのを傍らで見守った。この女性二人は自力で馬に乗ろうとしたのだった。

「つかまってろよ」

 タケミナカタが二頭分の手綱を持ち、りらたちを先導した。

「馬に乗ったことがないとは、もしかして、女たちは王族か。踊りができると言っていたが、巫女なのか」

 警戒心が解けないタケミナカタとは違って、コトシロヌシはこのおかしな一行に興味を示し、話しかけてくる。

「私たちは王族ではないし、巫女もいません。今更ですが、ここは出雲なのでしょうか」

「そうだ。イズモ王国だ。我々の国は広大で豊かで平和だ。イズモはイズモの人間のもの。誰にも譲ることができない」

 きっぱりと言い放つコトシロヌシに、潤はいたく共感した。

「俺は防人だからその気持ちわかる」

「そうか、東国も防人がたくさんいるんだろう」

「まぁね。東国はどの国も攻めないし、できれば遠くのイズモとも交流したいと思ってるよ」

 潤は、俺は外交官かよ、と心の中で突っ込みを入れた。

「それは良い考えだな。父も興味を持つはずだ。イズモはコシやスハ、それにツクシとも交易を行ってる」

 ツクシはたぶん福岡あたりだろうと見当がついたが、コシもスハも一体どの地域なのか誰もわからなかった。

 ゆっくり十五分くらい歩いた先に、急に開けた広場が現れた。その真ん中に木造の美しい館が建っており、その周りにも様々な大きさの建物が並んでいた。真ん中の館はオオクニヌシの住居と政務の場となっており、西側の館はタケミナカタの、東側の館はコトシロヌシの住居の場である。りらたちが通ってきた道は、東側の広場につながっており、広場の端には来客用の小屋が用意されていた。

「さぁ、着いた。この小屋は自由に使ってくれ。しばらくしたらまた呼びに来るが、逃げるなら逃げてもいい。偵察したければどこへでも行くがいい」

 自信たっぷりに笑いながら、コトシロヌシは告げた。まるで、この奇妙な旅人たちは絶対にここに留まると確信しているかのようだった。

 オオクニヌシの息子たちが去ると、四人は小屋の戸を開け中に入った。簡素ではあったが、美しいくすんだオレンジ色のなめらかな敷物が床に置かれ、壁にはガラス玉でできた飾りがかけてあった。

「ここは相当、文化が高い国だな」

 正直なところ、四人はまだ自分たちが置かれた状況をよくわかっていなかった。なぜか神話時代のイズモ王国に来てしまったことは強制的に頭に理解させたが、冷静に考えるとこちらの世界の人間と言葉が通じているのは奇妙としかいいようがなかった。

「どうするの?」

 当たり前の質問を、りらが当たり前のようにした。

「帰れるのかな、あたしたち」

「無理だろうね。なぜここに来たのかわからないし、下手に逃げたりしたら危ない」

「今のところ、オオクニヌシの息子たちはこっちに危害を加えるような感じじゃないから、様子を見ながらこの世界のやり方に従うべきだろうな」

 潤と陽一がそれぞれ冷静に意見を述べると、りらは安心したようだった。

 ただ、四人がなぜここに来たかを知る手掛かりは少なそうだ。とはいえ、思い当たる節がなくもない。陽一は財布を取り出し、開く。あった。

「桧枝さん、まだあれ首にかけてる?」

「え。あぁ、うん」

 りらは服の隙間から勾玉を取り出した。陽一も財布から勾玉を出す。すると、潤と美輝が驚きの声を発した。

「何でそれ持ってるの?」

「どこで拾ったんだ?」

 美輝はスマホのストラップに勾玉をつけており、潤も財布に入れていた。そして見事に瑠璃色の勾玉が揃った。

「貴子は琥珀の勾玉だったよ」

「そういえば、竜成も琥珀だ」

「じゃあ、もしかしたら二人は一緒にいる可能性が高いってこと?」

「かもな。問題はあのまま玉造温泉に帰ってくれてるのか、それともこの世界の別の場所にいるのかってことだ」

「また別の世界に飛ばされてるかもよ」

 貴子と竜成が今どこでどうしているのかは想像の域を出ない。陽一は試しに、この勾玉を得た経緯を尋ねてみた。

「俺は貴子と八重垣神社に行って、池で占いをしてたら見つけた。そしたら、変な婆さんまで現れてさ」

「あたしも同じ! 贈り物だよって言ってた。りらちゃんもそうなの?」

「うん。私たちもそうだった。おばあさんが、誰にも渡しちゃダメだって」

 つまり、四人がここにいるのは勾玉の力によるものである可能性が高く、老婆が仕向けたに違いなかった。

「あのばあさん、この世界にいるのかな」

 潤が言った言葉を受けて、りらが陽一に外に行ってみようと誘った。色々動き回った方が何かわかるかもしれない。

「五十里さん、俺たち、ちょっと外出ます」

「ああ。ていうか、お互い、さん付けとか敬語とかやめようぜ。ここじゃ、運命共同体みたいだし」

「了解」

 改めて景色を見回すと、オオクニヌシの館は整然と管理され、文化的な匂いをかもし出しながらも隙がないように見えた。背後には資源が豊富な森があり、なだらかな丘陵もかいまみえた。おそらくここはイズモの中枢であって、さらに外界には豪族や庶民の住居などがたくさんあるのだろう。

「大丈夫? 怖くない?」

 陽一はりらを気遣ったが、相変わらずりらは予想外の返答をし、陽一を呆れさせるとともに安心させた。りらの答えは、普通の人ができない体験ができて小学生だったら夏休みの絵日記がたくさん書けるね!というものだった。

「で、たぶん五十里も考えてるはずだけど、現代に戻れるヒントが見つかるまではオオクニヌシたちに従った方がいいね」

「あの人たちの家来になるの?」

「まぁ、そういうことだね。俺たちが神話で知る限り、オオクニヌシは慈悲深い。それに息子たちも俺たちと年齢が近いし、話は通じそうだ」

 見かけからすると、コトシロヌシは三十歳手前でタケミナカタは二十代半ばだ。神にとっては見かけの年齢など関係ないのかもしれないが。

「桧枝さん、白兎の話の他にオオクニヌシにまつわる神話を知ってる?」

 ここが神話の世界だとしたら、そのストーリー通りに事が流れるに違いない。

「うーん、私が坂倉さんから聞いた話は…」

 りらが思い出した神話をかいつまんで話そうとした時、

「ここにいたのか」

 突然、後ろから声をかけられた 。コトシロヌシだった。

「どうだ、少し落ち着いたか」

「ええ、まぁ」

「腹は減ってないか。館で夕げを用意させている」

「ありがとうございます、楽しみです」

「父にお前たちのことを報告したら、たいそう興味を示したぞ。敵でも何でもいいから連れてこいと。夕げを食べながら話を聞かせてほしい」

 陽一が承諾すると、コトシロヌシは微笑んだ。

 そして 、その後、コトシロヌシは意図せず陽一に衝撃を与え、忍耐を強いることになる問いかけをりらに向かって発した。

「ところで、名前は何と言うのだ? そなたの父はどこで何をしている?」

 陽一はこの問いかけの意味を瞬時に理解し、りらが返答するのを遮ろうとした。

「この女は私の…」

「桧枝りらと言います。父は東国で酒を作っています」

 りらは勢いよく一歩前に進み出て笑顔でコトシロヌシに返答した。陽一は目の前が闇に包まれたような絶望的な気分で天を仰ぎ見た。

「そうか、いずれそなたの父に会いたい。ぜひ酒を献上してくれ」

「はい」

 りらはコトシロヌシの質問を文字通りにしか受け取っていないようだった。さらにコトシロヌシは陽一とりらに対して言った。

「東国の名はちょっと変わっているな。良ければイズモ風の名を与えよう。お前の名はまだ聞いていなかったな」

 陽一は感情を圧し殺して告げた。

「長柄陽一。日の光、一番目という意味があります」

「なんと立派な名前ではないか。では、イズモではナガツヒカリサキヒコと名乗るが良い」

 続いてコトシロヌシはりらに向き合い、その両手を取った。さりげない堂々とした動作に、陽一は敗北を感じた。

「我が妻の名は…」

 りらの瞳が驚きで見開かれ、動揺を隠せない顔で陽一に助け舟を求めた。

「スオウフサミミヒメはどうだ?」

「あの、ちょっとわけわからないんだけど。私、いつあなたの奥さんになったの? プロポーズした? してないよね? ていうか、さっき知り合ったばっかりだし」

「今しがた、承諾したではないか。私のことが嫌いなのか」

 りらだけでなく、コトシロヌシも困惑し始めた。ここは“通訳”が必要なようだ。

「コトシロヌシ、申し訳ない。フサミミヒメはイズモ風の求婚を知らなかったのです。私たちの国では出会った瞬間に名前を尋ねて夫婦になることはまずありません」

「ではどうするのだ?」

「少なくともしばらくは互いのことを知る期間があります。桧枝さん、昔の日本では身分の高い男性が女性に名前を尋ねたり、父親のことを訊いたりっていうのがある種のプロポーズなんだよ」

「そんなこと全然知らなかった。長柄くんはよく知ってるね」

「仕事の関係で、上司が教えてくれたことがあったんだよ」

 通訳はうまくいき、二人の混乱は解けたようだった。りらを安心させるためか、コトシロヌシが誤り、真剣な口調で申し出た。

「悪かった。東国のしきたりに従ってやり直そう。まだ私を好きになってくれる時間はあるだろう?」

 この男はズルいな。陽一は悔しかった。コトシロヌシの一連の言動は、確実にりらの心に波紋を生じさせていた。動揺の中にも、甘い言葉にくすぐられた心地よさがじわじわと広がっていた。

 コトシロヌシはまた穏やかな顔つきになり、りらと陽一をオオクニヌシの館に案内した。丘陵の背に、傾き始めた太陽の影が差しかかった。


 美輝は壁にもたれかかって面白くなさそうにしている。客人用の小屋に残された美輝と潤の間には沈黙が続いていた。思い切って、美輝が声をかけた。

「ねぇ、私たちも外行こうよ」

 初対面の年下の女の子から早速タメ口をきかれて、潤は良い気がしなかったが不機嫌になるのも大人げないので諦めることにした。

「西側に行くか」

「ここどこなの?」

「はっきりとはわからないけど、大昔の日本だと思うよ。地理的に言うと、たぶん出雲大社の近くかな」

 少し西側に歩いていくと小川が流れていた。川に沿って野の花が顔をのぞかせており、時々、水面がきらりと光り跳ねた。魚かもしれない。

 二人は乾いた草の上に座った。目の前の状況は、未だに夢を見ているのではないかと疑ってしまう。

「あたしたち、帰れるの?」

 潤は陽一がりらに説明したこととほぼ同じような見通しと対応を美輝に話してやった。美輝は「ひとりぼっちじゃないだけマシだね」とつぶやいた。

「そういえば、あの二人って付き合ってるの?」

 陽一とりらの関係についてらしいが、何しろ初対面で知るはずがない。

「俺もさっき知り合ったからな」

「五十里くんは彼女いるんでしょ。何ではぐれたんだろうね」

「俺も知りたいよ」

 貴子の身が案じられた。現代にとどまっているのか、この神話の世界のどこかにいるのか。

「やっぱダンスとかやる子って変わってんだな」

 風がそよぐたびに美輝の鮮やかなロングスカートが波打つのが潤には気になった。

「神社にその格好で来たの?」

「ダメ? だって別にお葬式に出るわけじゃないでしょ」

 美輝が少しむっとして言い返した。

「俺の彼女はもうちょっと常識的だよ」

 いつものくせで、高校生に毛が生えたような若い部下に服務指導をする気持ちになってしまった。

「自分の常識と他人の常識は違うよ。ダンサーに偏見持たないでくれる? 逸脱してるって思ってるんでしょ」

「俺はそこまで言ってない」

「でも思ってる」

 潤は反論しようとしたが沈黙を選んだ。

「自衛官って厳しいんでしょ」

 美輝の言う厳しいの意味がわからなかったが、潤は態度や考え方が厳しいという解釈をとった。

「上からの命令が絶対なんて変だよ」

「君の好きそうな自由はうちの組織にはないよ。自由の代わりに銃だから。何かの本で読んだけど、自由は銃の上に成り立ってる。わかるか」

「わかんない。自由はそれだけで存在するんだよ」

 聞き分けのない子供に諭すように、潤は静かに続けた。

「もう一つ、ジュウがある。服従だ。俺の仲間は服従こそ喜びだって教えられてきた。何かに従うってことは、自分の力で自由を生み出すことになるんだよ」

「あたしはルールに縛られるのも誰かに支配されるのも大嫌い」

 ほんとにめんどくさい小娘だな。潤は陽一とりらが早く戻ることを願った。

「あたし、一人で散歩してくる」

 美輝は立ち上がり、潤に背を向けた。今にも泣きそうな顔がちらりと見えた。

「ここの人たちに迷惑かけんなよ」

 潤も立ち上がり愛想なく声をかけると、突然、太い笑い声が弾けた。

 タケミナカタが心底おかしそうに険悪な雰囲気の旅人たちを見ていた。当人たちにとっては意地の悪い笑いであったが、タケミナカタはあっけらかんとしていた。

「喧嘩はよせ。防人の心など女にはわからないだろう」

「何よ、それ」

 美輝はふくれっ面をした。タケミナカタはまた笑った。

「そう怒るなよ。笑ってくれ。俺は笑ってる女が見たい」

 どうやら潤よりもタケミナカタの方が、この奇抜なじゃじゃ馬娘をてなづけられそうだった。

「二人とも父の館に来てくれないか。長旅で疲れただろう。うまいものを用意させた。飲み食いしながら、東国のことを聞かせてほしい」

「それならお言葉に甘えて参上しよう」

 潤は武人であるというタケミナカタに興味を持った。豪快でさばさばしているが、情がありそうだった。

「ところで、お前の名は?」

 コトシロヌシがりらに名を尋ねるのと同じ理由で、タケミナカタは美輝に問うた。当然、美輝はその意味を知らない。

「え、あたし、徳永美輝」

「トク、ナガ、ミキ。それは東国風なんだろう。俺には男の名に聞こえる。そうだ、ナガスソノイオリという名はどうだ? その長い衣が風に吹かれたせいで、ここにいるのだからな」

 一瞬、美輝はとまどったが、口の中でその聞きなれない名前を反芻してみて、意外とかわいいのではないかと思った。

「いいよ、あたし、ナガスソノイオリになってあげる」

「良かった。妻にもなってくれるよな」

 この言葉には潤も驚きを隠せなかった。現代の自分たちの常識とは違うルールで動いているのだ、この神話の世界は。

「いいのか、タケミナカタ。イオリは自由奔放で防人の男のことなんてわかっちゃくれないよ。まぁ、俺の関知することじゃないけどな」

 潤は、美輝を他人に預けられるものならそうしたかったので、タケミナカタが美輝を引き取ってくれそうで安心した。美輝はふざけているとしか思えない全く理不尽なプロポーズに腹が立ったが、それ以上に潤の薄情そうな言葉への反感の方が強かった。

 後で冷静に振り返ると、短絡的であったが、美輝は潤に対する反感からタケミナカタの求婚を受け入れてしまった。ただし、タケミナカタでさえ、美輝の言動に振り回され、妻というよりも別の役目を与えることになるのだった。

「防人、お前は名を何と言うのだ?」

「俺にもイズモ風の名前をくれるなら強そうなやつにしてくれよ。東国での名前は五十里潤」

 五十里という発音をタケミナカタは感情の怒りだととらえ、お前は怒りっぽそうだからなと余計なコメントをした。少し考えた後、タケミナカタは潤に名を与えた。

「タカハネイカリヌシにしよう。お前の目は鷹のように鋭いからタカハネだ」

「気に入ったよ」

 厳つく立派すぎる名前だったが、この世界ではタカハネイカリヌシになりきり生き延びるしかない。それが現代に戻り貴子と再会する唯一で最短の道に思われた。

「では行くか。飯、楽しみだな。兄貴が釣った川魚が出るぞ」

 先頭を歩くタケミナカタの声は弾んでいた。


 中央の大きな館は高床式で風通しがよく、木の香りに包まれていた。部屋は大小に区切られ、壁や床には織物や毛皮が置かれるなど整えられている。

 タケミナカタは潤と美輝を中庭に面した広い部屋に案内した。正面には鏡がいくつかかけられており、壁には装飾用の玉や石が飾られていた。そして、既にコの字型に食事が並べられ、右手手前には陽一とりらとコトシロヌシが座していた。何となく、陽一に落ち着きがなかった。

「さぁ、揃ったな。後は父と奥殿のみ」

 奥殿というのはオオクニヌシの正妻スセリビメのことを指す。なぜコトシロヌシは母と言わなかったのかというと、実はコトシロヌシとスセリビメとは血がつながっていないからだ。さらに、コトシロヌシとタケミナカタも母が違う。この兄弟の母たちはイズモには住んでおらず、それぞれ実家で暮らしていた。オオクニヌシは数多くの妻がいた。

 タケミナカタに指示されて、陽一たちと対面になるように潤と美輝は左側の席に着いた。それぞれ緊張した面持ちで待っていると、正面奥から中年の男女が入ってきた。オオクニヌシとスセリビメの登場だ。

「待たせたな。コトシロヌシの釣りの成果を味わうことにしようか」

 簡素な食器の上には、炊いた米と魚、そして青菜と茸が盛りつけてあり、暖かな湯気が立ち上っていた。味付けはおそらく塩だけだろう。

 オオクニヌシの風貌は息子たちとよく似ていた。首にかけている装身具が大ぶりであることと、耳に黄金の飾りを下げているのが特徴だ。よく見ると、剣に何か巻きついたようなデザインだ。蛇だろうか。

 オオクニヌシは自分の剣を腰から外し、スセリビメに渡すと正面に座った。スセリビメも剣を奥の祭壇に置くと、夫の隣についた。

「父上、この者たちが東国からの旅人です。きっと興味深い話が聞けるでしょう」

「私がイズモを治めるオオクニヌシである。こちらは妻のスセリビメだ。息子たちと年が近いのだろう。話し相手になってやってほしい。では、そうだな、一人ずつ名前と、何を生業としているかおしえてくれ。目の前の幸は食べながらで良いぞ」

 オオクニヌシがまず陽一に視線を向けた。

 陽一は迷った。自分たちはこの時代の東国の人間ではない。だからきっと話につじつまが合わなかったり返答できないことが出てしまうだろう。陽一は助けを求めるように正面にいる潤を見たが、潤は「行け」というように頷いただけだった。

「私は… ナガツヒカリサキヒコと申します。父とともに建設に携わっていました」

「どのようなものを建てるのだ?」

「主に神の住居です」

「神の住まいに、東国とイズモと何か違いはあるだろうか」

「いえ、特に大きく変わることはないでしょう。もし修繕など必要であれば、ご命じください」

 オオクニヌシは頷いた。続いて、りらが話し始めた。

「スオウフサミミヒメと言います。お世話になります。私は高齢者の介護をしていました」

 平均寿命が現代の半分くらいのこの世界で、高齢者の介護などと言ってもピンと来ないだろう。それに、神々に寿命など関係ないかもしれない。スセリビメが詳しく教えてほしいと頼んだ。

「東国にはいくつも老人を預かる施設があるんです。元気な人もいるけど、記憶が定かでなかったり、頭は問題ないけど、怪我などで体が動かなかったり、色んな老人が住んでいます」

「病人を保護して薬を与える施設は、イズモにもあるのよ。オオクニヌシは医療の知識があるから。東国にはそんなにたくさんの老人がいるものなの?」

 あなたたちの子孫(?)の世界は、少子高齢化が進んで高齢者がわんさかいるのですよ、などとも答えられず、りらは高齢者といっても年齢に幅があるし、もちろん病人も預かっていると言い繕った。スセリビメは、後で私たちの施設も見てちょうだいねと、りらに言った。

 自己紹介の順番が左側に移った。

「タカハネイカリヌシ、武人です」

 潤の自己紹介は簡潔だった。

「父上、イカリヌシはイズモの弓矢よりも強い武器を我々に教えてくれるそうですよ。イズモは今日も平和ですが、より強い守りを追求すべきではありませんか」

「そうだな。イカリヌシよ、東国の守りはいかなるものなのだ?」

「近隣の国と同盟を結び、こちらからは攻めることは決してありません。陸も海も、それに空も守りを固めてはおりますが」

「空も、とはどういうことだ? 天に届くような見張り楼閣を作ったのか?」

「機密の情報なので、我々を信用してくださってからお話します」

 どうやら潤は、自分たちの正体を明かすつもりでいるらしい。だとしたらそれは早い方が信用を得やすいと、陽一は考えた。

 一人黙々と出された食事に手を付けていた美輝は、隣にいるタケミナカタに「イオリの番だぞ」と小声で言われ、顔を上げた。全員の注目を浴びていた。茶色い長い髪を頭部のてっぺんでシュシュでくくり、ブレスレットをじゃらじゃらと重ね付けし、片方の肩を露出させているのだから、神々だって驚くだろう。

「あ、ごめん。あたし、なんだっけ、えっと、ナガスソノイオリ。踊ることが好き」

「踊り子か。巫女でもあるのか?」

 確かに神憑りになりそうな感じはする。しかし、美輝はあくまでダンサーである。

「巫女はやったことないなぁ。踊り一筋だもん」

 いつの間にか日が暮れ、中庭は薄暗くなり、松明がかかげられていた。その明かりが壁に流れるようにかかっている玉に反射し、幻想的な空間を生み出している。

 タケミナカタが美輝に請うた。

「何か舞ってくれよ。東国のやつでいい」

「音楽つけてくれたら」

 半ば断るつもりで条件をつけたのだが、タケミナカタはにやりと笑い、袖の下から小型の笛を取り出した。

「武芸だけの男ではないんだぜ。ツクシの交易使に笛をもらってから趣味にしている」

 そう言われてしまえば、断ることはできない。美輝は中庭に下りた。

「ここでいい?」

「ああ」

「じゃあ、何か吹いてみて」

 美輝は専門学校の課題を思い出した。講師がアド・リブで奏でるメロディーに合わせて即興で踊るという課題は何度もクリアしてきたし、決められた振付けに従って踊るよりもわくわくするものだった。幸い、島根の公演のために神楽舞も習ってきた。

 タケミナカタの音色は、本人の体格や性格からは想像もつかないほど穏やかで繊細だった。ゆったりした袖とロングスカート、そして長い髪は、美輝が大きく動いたり回転すると、羽や波のように見えた。

 一曲が終わると、タケミナカタは美輝にまだそこにいるよう示し、また笛に息を吹き込んだ。今度はテンポが速い。民間で流行っている唄のようだった。美輝はタケミナカタの挑発に乗った。

 最初の曲と違って、不規則なリズムと畳みかけるようなメロディーが美輝の踊りたい欲求を刺激し、途中から自分がどのように動いているのかわからないほど集中していた。本当に神が依り憑いたのではないかと思わせる動きであった。

 不意に静寂が訪れた。笛の音は止んでいた。

「すばらしい。やはりそなたは巫女ではないか」

 オオクニヌシが手を叩いて褒めた。美輝が一礼をして、部屋に戻ってきた。タケミナカタが美輝の手を取り、「美しい我が妻よ」とささやいた。普段は子供っぽいところがあるのに、息を切らせてタケミナカタを見上げる美輝の姿は自信に溢れていて妖艶だった。この女は化けて怖いなと、潤は思い、そういうところにも反感を持ってしまった。

「父上、ナガスソノイオリを私の妻として私の館に住まわせることをお許しください」

 タケミナカタは改まってオオクニヌシに向かって頭を下げた。それを機に、コトシロヌシも頭を下げた。

「私はこのスオウフサミミヒメを娶るつもりです」

「良かろう。大事にしてやるがいい」

「二人とも父上に似て、行動がお早いこと」

 嫉妬深いことで有名なスセリビメが言った。陽一はコトシロヌシとりらの関係が公的なものになった以上、うかつにりらに手を出すことができなくなってしまったことを悟った。

 もし、りらがコトシロヌシを気に入らなければ話は別かもしれないが、この男は優しくてリーダーの素質が備わっていて、りらの好きな俳優に面影が似ており、今のところ、りらとコトシロヌシは和やかな雰囲気だった。

 陽一はここで一石を投じることにした。正体を明かすのである。

「オオクニヌシ、今からお話することを笑わずに、あるいはお怒りにならずにお聞きください」

「何だ、改まって」

 オオクニヌシは居住まいを正して、陽一の話を聞く姿勢をとった。陽一は潤の様子を伺った。

「俺も、明らかにしたいことがある」

 潤はそう言って、陽一の考えていることに賛同を示した。

「実は、私たちは正確に言うと東国の人間ではありません」

「どういうことだ」

「あなた方が考えている東国ではないということです。確かに私たちはこのイズモから離れた東の地方に暮らしています。そして、イズモに向かって旅をしていました。しかし、私たちはこの時代の人間ではありません。あなたたちの子孫の子孫のそのまた子孫ともいうべき、未来から来た人間です」

 広間に沈黙が訪れた。松明の音が激しくバチバチいっている。

「だからあまりにも奇妙な格好をしているのだな」

 コトシロヌシはりらのポニーテールを撫で、刺繍が施された赤茶色のカットソーをなぞった。このカットソーの色が蘇芳色に見え、ポニーテールを房だと思い、コトシロヌシはりらにスオウフサミミと名付けたのだった。

「初めからこんなことを言っても信じてもらえないと思ったんだよ。危害を加えるつもりはないから、許してほしい」

 潤が付け足した。

「包み隠さず話してくれるな?」

「もちろん」

 四人は未来の世界について、神々にわかりやすいように語った。彼らが住んでいる土地はもはや葦原の中つ国と呼ばれることはなく日本国として統一され、技術も高く繁栄していること、寿命が長くなった一方で、新しい命が少なくなったこと、神々の存在を真剣に信じる人はいないけれど、一年に数回は神にお祈りをするくらいの信心はあること、日本の他にもたくさんの国があって、仲よくしている国もあれば、終わらない戦いを続けている国もたくさんあること――。そして、オオクニヌシを祀ってある神社にいたところ、突然、こちらの世界に飛ばされて、気がついたら館の近くの森にいたことも付け加えた。

 四人の神々は奇妙な時の旅人の話に興味深そうに耳を傾けていた。

「なるほど。にわかには信じがたいが、おぬしたちがこの場にいることは事実だ。正直に話してくれて感謝する。ところで、おぬしたちは元の世界に戻りたいのだろう?」

「はい。できれば早く」

「家族や恋人が待っていますから」

「そうか。しかし、今すぐ帰れないとなると、ここに留まるほかないな。なぜここに来たのか何か手がかりがつかめるかもしれぬし、私としては未来の話をもっとおしえてほしい」

「まぁ、そうですよね。俺たちには行く当てがない」

「ならば、しばらく我が王国で我々の役に立ってみないか?」

 オオクニヌシはそう提案した。息子たちも提案に賛成の意を表し、コトシロヌシが父に代わって陽一に頼んだ。

「ナガツヒカリサキヒコ、私の片腕として知恵を貸してほしい。もちろん友人としてだ」

 もしコトシロヌシがりらと何の関係も持つつもりがなかったら、陽一は気楽にこの役割を引き受けることができただろう。

 出会った時から今までの様子を見ると、コトシロヌシは裏表がなさそうだし、陽一たちに純粋に興味を持っているようなので、一方的に君は俺の敵だなどという態度をとるわけにもいかない。何より、りらを傷つけずに共に現代に戻るためには、コトシロヌシと手を結ぶ必要があった。

「わかった。これからよろしく頼むよ」

 その言葉を聞いたりらが笑顔を陽一に向けたことは、唯一の救いだった。

 次にタケミナカタが潤に話しかけた。

「おぬしは既に俺の友だ。そして共にイズモ軍を指揮してほしい」

「イズモにも軍団があるのか」

「あぁ、よく鍛えているつもりだ」

「悪いが俺は、未来では軍団を指揮する立場にはなかった。まだ教えてもらう立場だったんだ。役に立つか知らんぞ」

 潤は自衛隊の階級上は幹部だったが、初めて現場の部隊に配属されたばかりで、幹部の先輩やたたき上げの曹クラスの隊員と比べたらほんのひよっこに過ぎない。それが何を間違ったのか、一国の軍団の指揮を執れとは大そうな役目を負うことになったものだ。

 しかし、いずれ指揮を執る立場になる潤にとって、タケミナカタの申し出は魅力的であった。航空管制とは全く異なる体験ができるはずだ。

「役に立ってくれないと困る。でなければ、未来の守りとやらが大したことないことになってしまうぞ」

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