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第一幕 第五章
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【午前6時30分】
ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ――――――
目覚ましが鳴っている。
朝がやってきた。
つい一秒前まで、机で勉強していたにも関わらず。
また、一日がやってきた。
カーテンを開ける。
雨。
なんで。
なんで。
なんで。
躰が震えている。
頭が働かない。
なんで、また――。
全ては、無駄だったのか。
何をやっても、ダメなのか。
何度でも何度でも、繰り返してしまうのか。
自分はもう、抜け出せないのか。
ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ――――――
鳴り続ける目覚ましを、力一杯、壁に叩きつけた。リンッ、と断末魔のような音を残し、床に転がる目覚まし時計。
「ああああああああああああああああああああぁぁぁ――ッ!」
頭を抱えて、悠一は絶叫した。
いつまでもいつまでも、悠一は、叫び続けていた。