第八話 フクイ高校
「ピー」というチムピスの世界から現れたキャラクターが登場します
この作品を書いててドキドキしました
山の中
深夜0時過ぎ、帥丙が住む街にある小さい山の中、太い樹木の枝の上に黄緑色をした猫目がギラっと光っていた
その光っている所に針を投げてブッ刺した後、自分の所へ鎖を引っ張るように持っていった。尖ったものには鎖がついていた
よく見ると、それはただの山猫だった
「コクアの者 違う 山猫と判断」
山猫を謝って狩ったらしい。彼女はその山猫を森林の奥深くに投げ捨てた
「リキウドの者 この世界 存在 一人」
彼女はそう呟きながら山から降りていった
「チムピス フェイセスの者 生き残り 抹殺 終了後 私 元の世界 帰る 新しい世界 作る」
下山していると、二人のチンピラに出会ってしまった。チンピラは彼女を見て遊ぼうかと企み、
彼女の方へと歩んだ
「ねえねえ姉ちゃん君一人?良かったら俺といい遊び、俺達教えてあげますよ?」
「いいケツしてんじゃねえか。おまけにそのエロイ長袖ハイレグ姿。誘ってんだろ?なあなあ?」
「帥丙の野郎も誘ってみるか。こんなベッピンな女とマッサージパーティ参加するかって」
「いいねえあいつ呼んでみるか」
一人が彼女の両肩を逃げられないよう左腕で掴み、右手で帥丙の電話番号を打って耳に当てた
「よう帥丙。こんな夜中に起きてるか?いい女見つけた」
帥丙の部屋
「なんなんすか?深夜に電話鳴らした挙句いい女ってなんなんすか?ナメてんすか?俺とタイマン張りたいんすか?」
帥丙はベッドの上でチムピスと一緒に寝ていた。チムピスは携帯の音に気づかずグッスリと寝
ている
『張りてえんならいつでも張ってやるよ。そうじゃなくて長袖でハイレグ姿のいい女見つけたっつってんだよ。こいつ俺の家に連れて行って朝までマッサージパーティするんだ。一緒に来るか?』
「俺はいいっすよ別の所当たってください。明日、俺身体測定なんすよ」
『理由になってねえよ』
「いえうちの学校の身体測定は睡眠不足の状態で測ったら校長から処罰受けるんで。ウチの処罰相当危険に等しいもんでパーティ参加できません」
『・・・・お前学校に行ってから真面目になってねえか?イジメちゃうぞ?』
『邪魔者 排除』
『ん?こいつ何か言ったギャ!』
帥丙の先輩が叫んだ直後、バチっと電気が流れる音を出して通話が切れた
「あれ?もしもし?もしもし?」
するとチムピスが眠そうに目を開き、帥丙の方へと顔を向けた
「・・・・ご主人様どうしたの?」
「なんか長袖のハイレグ姿のいい女見つけたからマッサージパーティ行かねっていう話だ。なんでいきなり電話切ったんだ?まあいいや眠いし」
「長袖の・・・・ハイレグ?どこかで見たような・・・・」
その後あくびをしながら再び眠りに入った。その後帥丙もスマホを隣の机の上に置き、ベッド
に横たわって寝た
翌朝
家族3人、チムピスと父と母がパンの上に目玉焼きを乗せ、食べながら会話していた
「ねえねえお母様!学校ってどんなところかな!?」
チムピスはウキウキしていた
「授業つまんないわ規則厳しいわ酒やタバコもやってはダメだわ地獄の牢獄に等しいよ」
「黙りなさい!学校はねチムピスちゃん。友達と会話できるし家では出来ないことがたくさんあるのよ。楽しいしためにもなるわ」
「友達と会話かぁ。他にもどんなところが楽しいの?」
「授業サボることだな」
「チムピスちゃん、お父さんの言ったことは絶対にしてはいけないことよ?分かった?」
「うん分かった」
チムピスは最後のパンのかけらを口に含み、全部食べ終えた
「そういえば水人の奴学校遅れるぞ?殴って起こしてこようかな?」
「あの子は今日、身体測定だから一年生は午前中は授業がないのよ」
「へえ、あいつの学校変わってるな」
「そうかしら?他の学校もそういうことやってる所多いから普通だと思うけど」
母がそう父に言った後、階段を下りる音が聞こえた。帥丙が起きてきたのだろう。帥丙は居間
へ入って来てカップ焼きそばを取り出した
「あんた何してるの?」
「朝食」
「あんたの分作るから朝からそんな胃が面白いことになるようなもの食べないで」
「そうだぞ水人。食べるならファーストフードで食べなさい。5千円渡すから行ってこい」
「てめぇ!!」
母が明戸の方へと向き思いっきり怒鳴った
「なな何だよ。中学や高校の時はいつもそこで朝食食ったよ?なぜかぜい肉増え続けたけど」
チムピスは立ち上がって楽しそうに帥丙に近づいた
「ご主人様ご主人様!私学校へ行ってくるね!ご主人様もこのぐらい楽しみだった!?」
「死のうと思ってた」
「え~そんなことないよ。ご主人様だって楽しみだったはずだよ~」
「行きたくもなかったし、今となってはむちゃくちゃ後悔している。規則破れば抹殺される地獄の学校だよ」
「チムピスちゃん、話の途中悪いけどスカートが椅子に引っかかってパンツ見えてるわよ」
チムピスのスカートが椅子の端に引っかかっていて、黄緑の水玉模様のパンツがモロに見えて
いた
「それがどうかした?」
チムピスは恥感を感じていなかった。スカートを堂々と上に上げて元に戻した
「それじゃあ行ってくるねご主人様!」
「あっチムピスちゃんカバンは!?」
「大丈夫!玄関に置いたから!」
そういって玄関前に置いた学校のカバンを手に取り、ドアを開けて学校へ向かっていった
「元気そうだな」
「元気でいいじゃないの」
「親父。フライドチキン食いに行くから金出して」
明戸は言われた通りにお金「5千円」を出した
「ほらよ」
「あたしが作るって言ってるじゃないの!人の話聞いてた!?」
「え~別にいいよどうせパンと目玉焼きだろ?フライドチキンの方が元気出るって」
「そうだよ富美子」
「もう親子揃って体調不良しやすい食べ物を要求して!ろくな身体にならないわよ!お隣の阿笠さんとこの息子さんは言うことも聞くしちゃんと野菜を食べてる!!まるでチムピスちゃんのように利口な子!もうあんな子が欲しかった」
母は頭を抱えて呆れたように首を軽く振った
お隣さん 阿笠家
「ババア!ハンバーガー10個買ってこい!てりやきとグラタンとチキン合わせてだ!ナゲット忘れんじゃねえぞ分かったか!」
息子さんは部屋に引きこもってパソコンでオンラインゲームをしていた
「うっうんわかったよ光彦ちゃん。飲み物はなにがいい?」
「A&Wに決まってんだろ!ジャンク屋へ行って買ってこい!」
分厚い辞典を取り出してドアの方へ思いっきり投げた
「あと全ての隣の野郎共に俺の真実流してねえだろうな!」
「分かってるよ。光彦ちゃんが中卒だってことも誰も行ってないよ。国立大学にも進出して野菜も食べて親の言うことも聞いてるたくましすぎて困るくらいの良い子だって言ってるからね」
「当たり前だ!それが俺なんだからな!頭ん中で考えてやった設定なんだから感謝するんだな!バラすんじゃねえぞ!つかとっとと行ってこいやテメエ!!」
今度はパソコンデスクの上に置いてある包丁をドアに向けて投げる。ドアが包丁にぶっ刺さり
生のような音が部屋に響いた
「うあぁぁぁぁぁぁぁぁ手がぁぁぁぁぁぁぁぁ!手に穴がぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「つべこべ行ってねえで行けっつってんだろが!!あああもうムカつく!ついでにGALLYのポイントカード一万円分買ってこいや!!」
帥丙の家 居間
「あんな真面目な奴になれるわけねえだろ。よそはよそ、うちはうちだ」
「あの子のように真面目になってくれって言ってるのよ」
「なんでフライドチキン食べに行くだけなのにそんな説教喰らわなきゃいけないんだよ」
「朝からジャンクフード食べるバカがどこにいるのよ。お隣さんの黒光さんとこの息子さんなんて運動神経抜群で野球もしてるのよ?」
「だから何だよ」
「息子さんこんなこと言ってたわ。朝からジャンクフード食べるとからだに良くないから野菜食べてるって」
「ベジタリアンじゃねえか。俺だって中学の時、ラクビー部に所属してたぞ?」
「アンタんとこのラグビーは無法地帯だったじゃない。グラウンド荒らすわバイク乗って学校サボるわ。フジシマ高校に受かったのも奇跡よ」
「まあ高校は行って欲しかったからな」
「おかげで死にかけてるけどね」
母はため息をついた
「水人が黒光さんとこの息子さんだったら良かったのに」
黒光家 台所
幼女のパンツのみ履いている黒光の息子さんはカメラの前でネット生放送していた
「みなさんこんにちは。今日も踊りだして野菜をパンツのに中に入れたあと食べようと思います」
ラジカセの再生ボタンを押す。チョイエロ萌えアニメソングの音楽が流れ出した
「きゅう~りをパンツに~挟みます~」
そう歌いながら横にある黄色のカゴの中からきゅうりを取り出していやらしくパンツの中に入れた
「あっ・・・これいいかも。気持ちいい・・・」
30秒間入れてこすった後、取り出してそれを食った
「うん悪くない。次はこの食べかけのきゅうりを尻の方に入れます」
食べかけのきゅうりを尻の方へと入れた後、再びカゴに右手を突っ込みピーマンを取り出した
「これはキツそうだ。これも股間に入れて種ごと食べてみようと思います」
そう言ってピーマンをパンツの前の方へと入れた。その瞬間、母と妹が帰ってきた
「ただいまー」
息子さんは気づかない。母と妹がキッチンへ向かう
「龍斗、あんた一体なにしてるのー?」
母と妹がキッチンへと入る
「キャアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
兄の末路を見た妹はキッチンから出て行った
母は息子さんの行動を見て固まった。次第に買い物袋から買ってきた新しい包丁を取り出し、パッケージから取り出して持ち手を右手で握った
白菜を股間に入れてる息子さんの方へと歩みだし包丁を上に持ち上げ頭上へと振りかざした
帥丙の家 居間
「仕方ないよこんな子供に育っちまったんだから。俺たちが責任を持って育てた結果だ」
「全くあんたら二人は情けない。少しはおとなりさんを見習ってよ」
フクイ高校方面道路
チムピスはわくわくが止まらなく、草原を走り回っているように両手を少し広げてフクイ高
校へ向かっている
「アハハハハ」
走り回っている時にフクイ高校と同じ制服を着た二人の女子高生にぶつかりそうになった。チ
ムピスは左へ曲がって避けた
「どうもこんにちはー!」
チムピスは二人にそう言い残して学校へ向かった
「・・・・・誰あの子?」
「ああ、確か今日うちの学校へ転校してくるチムピス・ペイントっていう子よ」
「へー、外国人?」
「そんなの本人に聞いたら?偶然あたし達のクラスに来るんだから」
「そうなの?一体どこから来たのかな?聞くのが楽しみだなあ」
「ちょっとからかってみようかしら?」
「そうねえ面白そう」
二人は会話しながらチムピスが向かっていった学校へと歩んだ
フクイ高校
石で出来た校門を抜けると、グラウンドが左にあり円型のビルが右にあった。おそらくビル
は校舎だろう
チムピスはその校舎のΩと等しい形をした入り口の中へと入った。下駄箱が扉式となっている
が名前が刻まれていなく、番号だけが書かれてあった
「え・・・・・?これ何?」
チムピスは戸惑った。下駄箱を知らないのだ。辺りを見渡すと、生徒全員が下駄箱に靴を入れ
ている
「靴を入れるの?」
チムピスはほかの生徒と同じように靴を脱いで適当に43番の下駄箱に入れようとした。そ
の中には、何やら二次元の10代以下の子のシールが貼られていたり女児パンツのようなもの
がぎっしり詰まっていた
「あれ?」
すると、左から誰かに左腕を殴られた
「何勝手に見てんだ三次元がぁ!僕の下駄箱に触るなって言われなかったのか!貯金箱のような目ぇしやがって」
チリチリパーマでメガネをかけていたにきびだらけの男性だった。その男は言い終えた後にチ
ムピスの前から去った
「・・・悪いことしちゃったかな?」
「大丈夫?」
赤いカチューシャをしたロングヘアーな女子が心配そうにチムピスにそう声をかけた
「腕が痛い・・・」
「稲草のくそ野郎のロッカーを開けちゃったってことはあなた転校生なの?」
「そうだけど。悪いことしちゃったかな?」
「全然。反省する必要なし。クラス分かる?」
「・・・・・入学許可書からはB組だと書かれてたからそこだと思う」
「へえB組。私と同じクラスね。あたしは黒沢あかね。あなたは?」
「えっと、チムピス・ペイント・・・」
「へえチムピス。外人さんなのね。B組の場所分かる?」
「分かんない」
「じゃあ私についてきて」
黒沢はチムピスの殴られてない方の右手を掴んでB組まで案内した。学校内は結構複雑で真上
の渡り道路が十字に重なるように複数あった
「私が受けた学校と全然違う・・・」
「ああ、あんたが受けたところは職務館って所じゃない?この校舎の裏側にある教師が滞在するところ」
「え?そんなものがあるの?」
「まあね、普通は校舎と繋がってるんだけどうちの学校では別だからね」
「え?普通の学校って校舎と繋がってるの?」
黒沢がそれを聞いて立ち止まった
「・・・・・・・学校って知らないの?」
「うん。私の住んでたところではガッコウっていう所無かった」
「そうなんだ。あ、ここがB組。あなたの教室よ」
右を向くといつのまにかB組にいた。黒沢は少し慌ててそう右にあるB組を紹介した。チムピ
スはその教室をじっと見た
「分からないことがあったらいつでも私に聞いてね」
「うん分かった。ありがとう黒沢」
チムピスはB組の戸のノブを掴み、押したり引いたりして開けようとした
「何してるの?」
「開かない!これ開かないよ!」
黒沢はチムピスをどけて戸を横に引いた。きれいに開いた
「引いて開けるのこれは」
「そうなんだ。知らなかった」
「さ、入って」
黒沢はチムピスを教室に入れた後、自分も入って教卓の前へ立った
「はーいみなさん注目―!そこ、携帯いじらない!そこ、肉を焼かない!今から転校生を紹介しまーす!チムピス・ペイントです!」
チムピスの方へと顔を向き、手を指して紹介した。その時、チムピスの真下から白い光が放っ
た
「ん?何?」
チムピスは下を向いた。小型カメラがチムピスのスカートの中を映していた。カメラに付着し
ているコードをたどって見てみると、丸坊主の男子が堂々とコードにつながってるタブレット
を見ていた
「水玉模様か。悪くないな」
「え?私のパンツ何色か分かるの?」
「早く警察呼んで後藤さん」
黒沢が冷静に後ろから2番目の左端の生徒にそう言った
「もう通報しました」
携帯を切った後藤が黒沢にそう伝えた
3秒後
警察に連れて行かれる丸坊主の男子がガラスの外から映しだされているときに、黒沢がチムピスに平常心がないか質問していた
「恥ずかしいと思わないの?」
「何が?」
「何がって・・・!パンツ映し出されたのよ!?普通だったら恥ずかしくて起こるか泣くかするよ!?」
「なんで怒らなきゃいけないの?」
「女としてのプライドを持たなきゃだめよチムピス!そうでなきゃまた男子に狙われるわよ!?」
「・・・・・なんかよく分かんないけど分かった。頑張ってみるよ」
「それと男子!みだらな行為をチムピスが許したって私たちが許さないから!真っ先に警察呼ぶからね!分かった!?」
男子たちの反応は、まるで全否定するような顔で「え~!」と黒沢の方に顔を向き嫌がった
「え~じゃないの!この変態共!」
フジシマ高校 人工生物部
「おお!部長見てください!ウズラの黄身に蛇の黄身を混ぜたところ、ウロコ姿のヒヨコが生誕しました!」
「おお!これはすごい!ウズラの幼体からヘビのウロコができている!しかも眼球も蛇のように猫目形!すごいじゃないか小池君!」
「僕もびっくりです!まさかこんな生体が生まれるなんて思いませんでした!ああ!ウズラヘビがえさ(ミミズ)を噛まずに飲み込んでる!」
「すごい!これなら、ノーベル賞間違いなしだな」
部室にはウズラヘビの生態をノートで書き込んでいるトカゲ頭の部長と、カレーパンのような
頭をした4つ目の男部員がいた
「はい!」
フクイ高校 一年B組
クラス全員がチムピスに集まっていろいろな質問をしていた
「ねえねえ、チムピスってどこから来たの?」
「フェイセスのリキウドっていう街から来たんだよ」
「ふざけてるの?」
「え?別にふざけてないけど?」
「その頭の角ってなに?自分で作ったの?」
後ろの女子がそう質問した
「これ?生まれた時から付いてるよ」
「設定はいいからとっとと教えて」
「ん?意味分かんないんだけど?」
チムピスは頭を傾げた
「私の方が分かんないんだけど」
その時、先生が戸を開けてB組に入ってきた。クラス全員自分の席へ戻り、先生は教卓の前に立ち、こう言った
「えーみなさん。おはようございます。今日、転校生がこのクラスに来ます。みなさん知っていますか?」
黒沢が先に答える
「もうこのクラスに来ています。チムピス・ペイントですよね?もう自己紹介済ませましたので」
「何で先生がいない間に済ませるの。仕方ないなあ。今日の朝の会は、転校生にいろいろ質問してみましょう。チムピスちゃん。こっちに来て」
「はーい!」
チムピスは元気に立って教卓に向かい、先生の隣に立った
「それじゃあ、チムピスちゃんに質問したい人はいる?」
先生がそう質問すると、複数の生徒が手を挙げた
「はい、じゃあ舎川くん」
後ろの席の男子の名前を当てた
「はい。チムピスちゃんのおっぱいって柔らかいんですか?」
「チムピスちゃん。触らせてあげなさい」
「はーい」
先生がそうチムピスにいい、チムピスが承知すると、黒沢が立ち上がった
「先生!生徒のセクハラを許可しないでください!」
「あ、そうか。セクハラ発言するな舎川くん。それじゃあ次に質問したい人は?」
複数の生徒が手を挙げる
「じゃあ幕張ちゃん」
先生は窓側の女子高生を呼び掛けた
「はい、チムピスちゃんって赤ちゃん語分かりますか?ばぶばぶばばばぶばぶばうばぶぶ」
「はい次に質問したい人は?」
先生はスルーした
「あ、じゃあ私が先生に質問していい?」
いきなりチムピスが先生に声を出してきた
「はい何かね?」
「ご主人様が、学校は規則を破れば抹殺される地獄の監獄って言ってた。それって本当?」
それを聞いたみんなは沈黙した
「ははははは。面白いことを言うなチムピスちゃんは。罰はあるけど規則を破れば殺される学校なんてないよ」
フジシマ高校 2階廊下
「廊下を走るなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
田ノ村が廊下を走った生徒の腹を思いっきり殴った。生徒は殴られた方向へと従って飛んでい
き、後ろのガラスを突き破りそのまま小さくなっていった
「今度から気をつけろよ」
田ノ村は殴った生徒の方へと向き、そう言った後去っていった。
フクイ高校 B組
「それじゃあ、朝の会は終了だ。10分後に授業が始まるからな」
全員「はーい」と適当に返事をした後、先生は教室から出て行った
クラス全員は再びチムピスの方へと集まり、いろいろ質問を始めた
「ご主人さまって誰?」
「私が今住んでいる家の主だよ。名前は帥丙水人」
「え?帥丙って・・・・あの暴走族の?」
「うん。フジシマ高校っていうところへ通ってるらしいんだけど」
「そんなことより、これ読める?」
幕張の二人は赤ちゃん語が書かれた紙をチムピスに見せた
「何これ?」
「だから読めるの?内容は私が昨日食べたケーキの内容です」
「いやだからあんたが何なんだよ。チムピスに何がしたいんだよ」
黒沢が幕張に嫌そうに言った
「いいじゃん別に面白いし」
「面白いと感じるのははあんたらだけなんだよ」
「ごめん。2文字しか使ってないから全然分かんない」
チムピスは幕張に赤ちゃん語の紙を返した
「きゃははは!あたし達だけが読めるものだからわっかんないかあ」
幕張は返してもらった赤ちゃん語の紙を窓へ投げ捨てた。紙は風に従って飛んで行った
「自分だけ面白いことやって楽しいわけ?」
「自分オリジナルだから楽しいのよ。黒沢もやってみれば分かるって~」
「自販機でジュース買いに行こ、おごってあげる」
黒沢は幕張から遠避けるようにチムピスを連れて教室から出て行った
「ジュース?」
「うん。何が飲みたい?」
フジシマ高校 3階廊下
田ノ村が見回りに廊下を歩いているときに、2m離れた開いてる窓から一枚の紙が飛んでき
た
「ん?なんだ?」
田ノ村は飛んできた紙の方へと歩き出し、その紙を拾った。赤ちゃん語が書かれた紙だった。
田ノ村はその紙を普通に読んでる。最後まで読み終わった後、真剣な顔になり体が震え出した
「な・・・・なんてことだ!そんな!」
人工生物部
「小池君。一年生は午後からなのに部活してていいのかい?無理しないで休めばいいのに」
「そんなあ。僕は改造生物を作って歴史に名を残すのが夢なんだ。それを実現させるために部活を休むわけにはいきません」
「そうか。君はそこまで頑張ってるんだ。よし!人工生物部は君合わせて74人しかいないけど、みんなで頑張ろうね!」
「はい!」
「よし!次はオウムの黄身をホタルの黄身に注入して光るオウムを作ろう!」
「はい!」
二人は注射器を取り出してオウムの卵を刺そうとした時、入口から田ノ村先生がドアを突き破
って紙片手で現れた
「おい加納君!小池君!その他大勢!いるか!?」
「どっどうしたんですか田ノ村先生!」
「巨大な隕石がこの学校へと墜落する!」
「ななんだって!?」
「一体どうしてこの学校へ!?」
「分からん!詳しくはこの紙に書かれてある!」
田ノ村は赤ちゃん語の紙を二人に渡した。部長はその紙を見たが何かなんだか分からなかった
「な・・・なんですかこれ?まるで赤ちゃんの泣き声のようですが」
「あっすまない。君たちは赤ちゃん語検定取ってないんだったな。えー、赤ちゃん語検定1級の俺が言うと、『フジシマ高校に隕石が落ちる。校長でさえ破壊できない隕石だ。これを読んでる人工生物部と田ノ村。午前中にいる二年生達を死なせたくなければ隕石を破壊することだ ゼウスより』」
「な・・・・!ゼウスといえばこの世界を作った張本人!神様が書いたというんですか!?」
「おそらくな。確実に読めるように書かれてある」
「ちょっちょっと待ってください!仮に本物だとしても、何で赤ちゃん語なんですか!?どっかの誰かがふざけて書いたものじゃないんですか!?たとえば女子高生とか!」
「小池君!残念だけど赤ちゃん語検定を取った人はふざけた文章を見分けることができるんだ。たとえふざけて書いたとしても、意味が通じない。意味が通じるとしたら、神様か検定を取った人になる!」
「じゃあその検定を取った人がいたずらとして書・・・!」
「検定で受かったのは世界中で田ノ村先生だけだ!だから神様としか思えないんだよ!」
小池は衝撃を受けた。検定で田ノ村のみが受かったというのなら神様しかいない。誰かが描い
たとは思えない。今その思考に切り替わった
「そ・・・・・・そんな・・・・・なんで・・・・・なんで隕石がこっちへ・・・・」
「分からない。先生は昨日、仏像に備えてあったおにぎりを勝手に食べただけだしな」
「僕も材料の為に鳩を射殺しただけだしな」
「どっどうすればいいんですか!このままだと学校が!学校が隕石に」
「落ちつけぇ!先生がお前らに隕石を知らせた理由は、その隕石を吹き飛ばすロケットを作ってほしいんだ」
「・・・・・え?」
二人は何を言われてるのか分からなかった
「ロケットだ。隕石を壊すロケット。この部室ならプリトニウムが山ほどあるだろ?それを使うんだ」
「でっですが先生。ロケットだなんてそんな」
「73人じゃ足りません。せめてあと30人は必要です」
「何言ってんだ。俺がいるだろ?」
田ノ村は二人の肩をポンと叩いた
「・・・・良いんですか?」
「大丈夫だ」
「分かりました!部員全員呼んできます」
部長は無線をポケットから取り出してボタンを押した
「みんな!フジシマ高校に隕石が落ちる!隕石を打ち壊すロケットを開発してほしい!部室へ集合してくれるか!?」
無線の前へそう叫ぶと、「何!?分かった!」「オッケー!」「隕石だって!そりゃ大変だ!」「い
まそっちへ向かう!」全員簡単に承知した
「みんなありがとう!」
部長は無線を切って田ノ村と小池に顔を向けた
「こうしちゃいられない!ロケットを作るぞ!」
「おう!」
「はい!」
フクイ高校 B組付近の林
B組付近の木の上から長袖のハイレグ少女が現れ、太い枝の上に乗られた。少女は近くの窓際
を見た
「チムピス この部屋 存在確立 97%」
長袖のハイレグ少女が木の上でB組の窓から内部を見てチムピスを捜索している。窓には牛乳
パックをそのまま飲む男子生徒とマンガを読んでる男子と女子4人で立ちながら会話してる奴
らばかりだ
いくら探してもチムピスがいない。それでも少女はチムピスを探し続ける。太ってる男子の
隣があやしい。今すぐそっちへ襲おうと戦闘準備を始め、太ってる男子の方へと飛びかかろう
とした
太ってる男子は重い足を動かして場所を移動した。隣にいたのは居眠りしている白髪の不良
男子だった
「・・・・ この部屋 チムピス 存在確立 0%」
そう言って木から降りようとした
すると戸から黒沢とチムピスがココアを両手に持って現れた。二人仲良く会話していた
「チムピス 確定 処刑モード 以降」
フクイ高校 B組
「ココアっておいし・・・」
チムピスがココアの感想を言おうとした瞬間に窓ガラスに大砲を打ったような乾いた音が鳴っ
て粉砕し、煙が充満した。17人の生徒が吹き飛ばされて壁にぶつかったものもいれば教室と
廊下の窓ガラスを割って飛び降りてしまった者もいた
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」
無害だった男子がその光景を見て腰を抜かした。煙が次第におとなしくなって、人のようなも
のが映し出される。右腕が鉄で10本の尖った指が出来てた少女だった
「だ・・・・誰!?」
「ピー!!」
「は!?」
黒沢はこの状況を読み込めなかった
「・・・・なんでピーがここにいるの・・・・?」
「チムピス 捜索期間 6ヶ月 ターゲット 抹殺」
ピーという少女がそう言ってチムピスに襲いかかった
「ひっ!」
黒沢が情けない声を出し、チムピスは左手を前に突き出し、半径3mのバリアを張った。簡単
に壊された
「助けてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
黒沢は逃げ出し、それを見たチムピスも黒沢とともにピーから逃げた
ピーは冷静に止まる暇もなくチムピスを追いかけた
フジシマ高校 校庭
「何とか材料を校庭に持って行けた」
校庭には大量の鉄やプリトニウム、機材などを並べて配置してある。今いる部員は現在先生合
わせて3人
「みんな遅いね」
「待ってる暇はない。ロケットを作るぞ」
「はい」
「待て、設計図はどうした?それがないと分からないだろ」
3人は材料を組み立てる準備をした。部長は手に持った設計図を2人に見せる
「これがロケットの設計図です。設計図の通りに組み立ててください。操作をする奴はもうすでに完成してますので作らなくてもいいです。難しいことは僕に全部聞いてくださいね」
「分かった」
「作業に取り掛かりましょう。隕石が落ちてくる前に」
作業に取り掛かろうとすると、部員たちが60人来た
「部長~~~~~!」
全員部長の方へと走りだして、部長の前へと立った
「おまたせしました」
「ロケットを作りましょう」
「ごめんねみんな。急に呼びだしちゃって。怒ってない?」
「全然。俺、学校と部活が大好きだから。学校を守るためなら何でもします」
「俺も」
「あたしも」
「俺も」
「僕も」
全員の活気ある態度を見て、部長は泣いた。涙を片手で拭いた
「みんな・・・・・ありがとう」
「こうしちゃいられねえ!設計図を見てロケット作業を取り掛かろうぜ!」
「「「「「「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」」」」」」」
60人の部員達は設計図を一人ずつ見た後、さまざまな材料を取り上げてロケット作業に取り
掛かった
「あとは森永君と森永君と富田さんと熊田君と柴田さんと下村君と気荷駄さんとその他大勢・・・・か」
「いきなり呼んだんだ。用事で来ないかもしれないな」
フクイ高校 1階廊下
『緊急放送です!学校に不審者が現れました!繰り返します!学校に不審者が現れました!
速やかに体育館へ避難してください!これは避難訓練ではありません!』
校内放送が流れ、生徒全員が体育館へ急いで避難した
「何だ何だ!?」
「不審者!?」
「ふっざけんなよもう!」
牛乳を落としたりハンカチを落とした生徒もいた
1階廊下 体育館から遠距離側
「チムピス聞いた!?」
「聞いたけど、体育館ってどこ!?何!?」
「説明してる場合じゃないわ!早く体育館へ!」
ピーから逃げている二人。黒沢はチムピスを体育館へと誘導した。後ろからピーが右腕を液体
に変えて固体の鉄球を発砲しながら追いかけてきている
「しゃがんで!」
チムピスが黒沢に言い、黒沢の頭を下げた。ギリギリな幅で鉄球から避けることが出来た。鉄
球は先の壁にぶつかり、柔らかいゴムのように水のように変化し、トゲとなってチムピス達を
襲った
チムピスは反射神経で飲みかけの缶を捨て、両手を前に掲げて分厚いバリアを張るが、効果
がなかった。トゲがバリアを打ち抜いた
「ぎゃあ!」
チムピスは吹っ飛ばされてピーの真横へ倒れた。ピーは素早く右手を10本の尖った指に変形
させた。その手がチムピスを襲う
その時、消化器がピーの頭をぶっ叩く。黒沢だった。ピーはそのまま倒れた
黒沢はその隙にチムピスの手をつなぎ、一緒に逃げた
「大丈夫!?」
「だ・・・大丈夫じゃない」
「今の何!?あんたの周りからバリアのようなものが出てきたけど!全然役に立たないけどどうやったの!?」
「生まれつき。私の世界では1000人に一人、こういう呪術を使う人が生まれるの。私はその一人。彼女も・・・」
後ろから大量のトゲの鉄が襲いかかってくる
「うわああああああああ!」
「早く体育館に!」
二人は急いで体育館へ向かった
体育館
「早く入れ早く!」
ジャージの先生が生徒達を体育館へと誘導している時、変な紙のようなものを持った女子高生
を見つけた
「幕張!それはなんだ!?」
「え?・・・・赤ちゃん語の紙」
「大事なものか!?」
「いやいやいやいや!こんなの大事なものじゃないし!なんで持って来たのかな!?」
「聞くな!だったら貸せ!捨てる!」
「いいわよ!自分で捨てるから!」
幕張はそう言って真ん中へと逃げて行った
「いて!何か切れた!おい幕張!その紙で切ったろ!!」
「は!?」
「よこせ!」
手が切れた男子は幕張の赤ちゃん語の紙を横取りして窓の方へと人をかき分け窓を開けて捨て
た
「あー!何するのよ!」
「うるせえ!こんなもんいくらでも書けるだろ!!赤ちゃん語なんか書いて楽しいか!?」
複数の赤ちゃん語の紙は風に連れて飛んで行った
フジシマ高校 校舎
「もうすぐできそうか?」
「もう少し時間かかります。あと半分です」
部員達と田ノ村は半分出は来たまだ10mのロケットを組み立てて、ロケット組み立て前に組
み立てた上りの台の12番目を乗っていた時、田ノ村の足もとから紙が引っ掛かっていた
「なんだ?」
田ノ村がその紙を拾うと赤ちゃん語の紙が書かれていた。すべて眼に通した後、田ノ村は急に
急ぎ出した
「やばい!あと30分で追突するぞ!!急げ!!」
部員達に聞こえるように大声で発した。部員達は30分で追突することを知り、手足を早く動
かしてロケットの製作を速めた
一人が急いでプリトニウムを一つ急いで持って行ってるとき、こけて落してしまった。11
番目の足場だから9mはある
「しまった!!」
落してしまえば大爆発は起こるだろう。頭を抱えて目をつぶってしまった。ほかのみんなもプ
リトニウムが落ちて行くところを見て逃げた
「逃げろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
その時、火炎放射機のような音がだんだんと下から近づいていく
「だめじゃないか!危ないものを落としちゃ!」
ロケットがついたバックを背負った熊田君だった。落としたプリトニウム片手で落としてくれ
た部員に手渡した
「今度から気をつけろよ」
「熊田先輩!」
「熊田君!来てくれたのか!?」
部長が熊田にそう言った。熊田は部長の方へと顔を合わせた。目の下が黒かった
「うん」
「その眼のクマどうしたの?」
「先週から隕石を一つ一瞬にして灰にする光線銃を作っていて昨日やっと完成したんだ。でも、今はそんなこと関係無いよね!」
「そうか・・・・ごめんね。でも学校が危ないんだ。後・・・・25分で隕石が降る」
「分かってる。だから俺もロケットを作りに来たんだ。寝不足だろうが部室・・・いや学校を壊されるわけにはいかないからな」
「熊田君・・・・」
「「おおーい!」」
校庭からその他大勢の部員達がロケットの方へと向かってきた
「森永君と森永君と富田さんと柴田さんと下村君と気荷駄さんと・・・・その他大勢!!来てくれたのか!」
「ああ!学校に隕石が降ると聞いて駆けつけてきた!」
「作ってた衛星破壊爆弾あと10秒で完成しそうだったけど、ロケット製作手伝うよ!」
「ありがとう・・・・みんなありがとう!」
部長は来てくれた部員達に涙を見せた。新たに来た部員達はロケットの部品を運びだした
「みんなが来てくれたおかげで、あと20分で出来るかも知れない!」
「20分じゃない!15分で完成させようぜ!」
「うん!そうだね!」
部長は部員達の有機に熱意が湧き、手に持ってるスパルを力強くネジを回した
田ノ村が機械を上まで運んでいるとき、また赤ちゃん語の紙を見つけた
「あ!また赤ちゃん語の紙です!ゼウスから何とおっしゃってますか?」
小池が田ノ村にそう言った
「ああ、これは誰かがふざけて書いた奴だ。全然言葉にもなってないし意味も分からん」
田ノ村は興味なさそうにその紙を破いて捨てた
フクイ高校 体育館前
「もうすぐで体育館よ!」
先にある保健室を曲がるともう少しで体育館だ。黒沢はチムピスと一緒に曲がった
体育館
「みんないるな!」
ジャージの先生が全員にそう言った。全員「いるいる!」「いるから閉めろ!」と適当に言った
「それじゃあ閉めるぞ!いいな!」
ジャージの先生は体育館の両引き戸を重そうに閉めた
体育館前
体育館の扉が閉められようとしている
「わあ!待って待って!まだ残ってる!」
黒沢は大声で叫んで伝えたが、聞こえていなかったそうだ。重い扉が閉められた。鍵を閉めた
ような金属の音が鳴った
黒沢は閉まった扉に頭を当ててしまいよろけた。その後、必死にドアを叩いた
「ちょっと!開けてぇぇぇ!まだ残ってるぅぅぅ!!」
「え・・・・!?一体どうしたの・・・・・・!?」
黒沢はチムピスの方をすばやく向いた
「閉められた!!どうしよう!!」
そう叫んだときに、チムピスの後ろの遠くからピーが襲いかかってきてる
「逃げるしかない!」
黒沢はチムピスの右腕を掴み、左の廊下へ逃げた。左の廊下には突き当りに階段がある。二人
はその階段を上って必死に逃げた
フジシマ高校 校庭
「よし!この通信機を先端に付ければ完成だ!」
「はい!」
一人が先端に米粒のように小さい通信機を慎重につけようとした。人差し指でつけようと手を
震わせながらゆっくりと乗せた。先端の方へと上へ持って行った後、先端の穴へと落とした
すっぽりと入り、自動的に穴の2mm先から丸いシャッターが上から回転してふさがった
「入れた!?」
「シャッターが閉まりました!」
「閉まった!?じゃあ完成だぁぁぁぁぁぁぁ!」
全員ロケットの完成に喜び、先端に通信機を入れた部員も喜んだ
「それじゃあ降りてきて!ロケットを発射するから!」
「うん!」
先端に通信機を入れた部員は急いで下へ降りた
フクイ高校 3階廊下
「黒沢!何かシャッターのようなものが閉まってきてるんだけど!」
「え!?」
眼の先にある2つの4m離れたシャッターが人の下半身から閉まってきている
「不審者や火災が起きた時に作動したんだ!かがんで!」
黒沢はチムピスを抱きしめ、ペンギンのように腹で滑ってシャッターの中へと入った。2つの
シャッターの間に囲まれた。でもこれでピーが来ることはないだろう
「閉じ込められたけど・・・・」
「これでいいのよ・・・・。学校のシャッターは結構頑丈だから攻めてくることはな・・・」
完全に閉まった後ろのシャッターが爆発した。ピーが鉄の右手でぶっ壊したのだ
「う・・・嘘・・・」
黒沢とチムピスは逃げた。が、もう一つのシャッターのせいで行き止まりになっていた。もう
逃げるすべはない。シャッターにもたれかかってしまった
「いやぁぁぁぁ!!いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「助けて!助けてご主人様ぁぁぁぁぁぁ」
二人は何もすることができず、抱きしめあってピーを見ていた。奴が近づいてくるたびに足の
筋肉が弱くなっていき地面に尻がついてしまった
「ターゲット 邪魔者 排除 開始」
フクイ高校 校庭
「それじゃあ、操作機にその赤ちゃん語の紙を入れるからちょうだい」
「はい」
小池は手に持ってる赤ちゃん語の紙を部長に手渡した。人のように大きい操作機の横長い穴に
入れ、印刷機のように自動に読み込んだ
「成功するといいですね」
「いや、成功しなきゃ駄目なんだ。失敗したら、隕石が落ちて学校が滅ぶ」
「そっそうでしたね。すみません・・・・」
「ですが、もし隕石がなかったらどうなるんですか?」
「隕石がないわけがない。ゼウスからの紙だぞ。もし隕石がなかったらこの紙を書いた人の所へ墜落するだけだ。ゼウスならこんなロケット屁でもないだろう」
「そうですね」
操作機のモニターから『読み込み完了』の文字が流れた
「よし!読み込みが完了した!発射ボタンを押します!準備はいいですか!?」
全員「はい!」と答えた。部長は赤いボタンを思いっきり拳で殴って押した。ロケットの尻
から大量の煙が出る
「頼むよ。ロケット」
「隕石を破壊してくれ」
みんなはロケットの成功を祈う。しかし、妙に変だ。ロケットがどんどんと前へと傾いて行っ
てる
「なんだ?」
ロケットの尻には4つの発射口がある。まさか片方しか発射されてなかったのか?
「倒れてるぞ!」
「ややばい!3口と4口のボタンがOFFのままだった!」
部長は急いで3,4口のスイッチを押してONにした。しかし遅かった。ロケットは完全に倒
れていて、3,4口が発射したときに凄いスピードで直進した
「まずい!この先は他校のフクイ高校だぞ!」
「あそこで爆発したら、あそこで爆発したらお気に入りのスイーツ店も巻き添えが食らう!」
「部長!早くロケットの起動を停止してください!」
部長は言われたとおりに操作機をいじってロケットを止めようとした
「だめだ!一度動かしたら止まらない!急げ!ロケットを上に戻すぞ!」
部長は熊田の方へと走り出し、ロケットバックを掴んだ
「ロケットを追いかけて!熊田君!」
「分かってる!」
熊田は急いでロケットバックの電源をつけてロケットを追いかけた。ロケットよりも速いスピ
ードを出したおかげですぐに追いついた
「もうすぐ着くぞ!」
「熊田君!ロケットの下に行って方向を上に曲げて!」
「分かった!」
熊田は言われたとおりにロケットの下に回り込み、ロケットを上に持ち上げようとしたが、予
想以上に重たかった。足に地が付いているがブレーキすらならない
「く・・・・クソ重い・・・・!」
「危ない!」
部長が目にしたのは一軒家だった。その家はロケットの装甲によって簡単に貫通された
「大丈夫!?」
「破片が体中に当たって痛い!あと、ロケットバックの燃料がもうすぐ切れそうだ!」
部長はロケットバックの尻を見てみると、火の威力が落ちてきているのが分かった
「頑張って!あ!この先フクイ高校だ!」
フクイ高校が目の先に映っていた
「ぶつかるぅぅぅぅぅぅぅ!!」
「うおぉぉぉぉぉぉぉおおおおお!!」
熊田は本気を限界まで出し、ロケットの方向を少しだけ曲げた。ロケットは少し傾いた状態に
なった後、ロケットバックの尻から出てる火が完全に消えた
フクイ高校 3階廊下
「ターゲット 邪魔者 排除 開始」
ピーが右手を分厚い剣に変化させ、二人の方へと走り出した。チムピスと黒沢は目をつぶる
その時、壁から巨大なロケットが突き破って現れ、ピーはロケットの先端に腹から突き刺さ
ってロケットと共にどこかに飛ばされた。二人はゆっくりと目を覚ますと、ロケットの存在に
唖然とした
ロケットは壊れた壁に沿って空へと飛んで行った
「・・・・・何?今の・・・・・?」
「・・・・・・・知らない・・・・・」
体育館
いきなりの大きな振動でクラス全員が騒ぎ出した
「あたしはもう逃げる!」
「待て幕張!今の振動で分からなかったのか!?」
「うるさい!こんなとこにいたってどうせ助からない!外に逃げたほうが助かるわ!」
幕張は窓から出て行き、そばにあった駐輪場にある赤いバイクに乗って学校から出て行った
「あ!それ俺のバイク!こらぁ!」
一人の男子生徒が幕張に叫んだ
フクイ高校 付近
「やった・・・・・・」
「ロケットを空へと飛ばせたぞ!やったぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「ああ、これで隕石を破壊できる。僕たちは学校を救ったんだ」
二人は寝ころびながらロケットが空を見上げていくところを観察した
「ああ、疲れた。これからどうする?」
「3年生は何もないよ。早く家へ帰って睡眠をちゃんと取ってね」
「ははは。何もないのか」
「これで1年生は午後から身体測定ができるね」
「そうだな」
部長が熊田を起こし、学校へ帰ろうと一緒に歩いた
フクイ高校から7km離れた道路
幕張がバイクから降りて家に入った
「ただいまー、ってあれ?お母さんいないの?お兄ちゃーん。お母さんはー?」
幕張は階段の上を見上げ、引きこもりの兄に言った
「ああ!?うるせえよ!ババアなら買い物行った!」
「あっそ」
幕張は階段を登って兄の部屋へと入った
「んだよお前入ってくるな!ブス!」
「うるさい。お前が出てけよ中卒」
「中卒じゃねえ!大学生だ!」
「大学にも言ってないのに大学生?通信制ならわかるけどパソコンの画面キモイ女ばっかり。しかも絵だし」
「うっせええええええ!今は充電中なんだよ!出て行かねえとぶっ殺すぞ!」
窓から何かロケットのようなものがこっちに向かってきているが、兄妹は気づいていない
「はあ?充電中?充電しすぎて破裂しちゃったんじゃないの?」
「黙れ!!いい加減にしねえと俺の中の電池が爆発するぞ!爆発したらお前ら家族どうなっても知らねえからな!跡形もなくなるぞ!」
ロケットが窓ガラスを突き破った
阿笠の家はロケットとともに爆発に巻き込まれた
第8話 完
初期設定はチムピスがピーに殺されかけて、友達の黒沢がピーに攻撃をするが足をやられて絶体絶命という展開でした
オチもこの話のラストの後、病院で繰り広げられる予定でした