雪だるま
雪が降ったある日。寒い空の下で、雪だるまを作っている男の子がいました。
「うんしょ。うんしょ。」
自分の背より大きな雪の玉を転がして、だんだんと大きな体ができてきました。
「うんしょ。うんしょ。」
次に頭を作ろう。ゆっくりと転がして、頭を作り始めました。
やがて雪は止みました。すると、男の子と同じ歳くらいのお友だちもたくさんやってきました。
「一緒に大きな、大きな、雪だるまを作ろう。」
みんなで協力して、手になるものや、目になるもの、転がすのを手伝ったりしました。
「やったぁ!完成だぁ!」
その雪だるまはお友だちみんなよりも高い、背高のっぽの雪だるまになりました。
春になると、その雪だるまは溶けてなくなってしまいました。そして男の子もどこかにいってしまいました。お友だちも楽しく遊んだあの子と、春も夏も秋も、一緒に遊びたかったのに。春になっても、夏になっても、その子と会うことは出来ませんでした。
その男の子に会えないまま、お友だちは大きくなってしまいました。そのお友だちの子供が元気に冬のなか、遊んでいます。そのなかで一人、白い帽子と白い手袋をつけた、男の子がおりました。その男の子は雪のなかで楽しそうに、楽しそうに雪だるまを作って遊んでいました。
それからです。この村に、雪が積もった日に来る妖精の物語が出来たのは。