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最高の悪役を目指した結果、俺は神話の存在すら利用する--理想の悪役を追い求める物語  作者: あんこ


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第1話 最高の物語には、最高の悪役を

みんな、魅力に溢れたカリスマ性のある悪役は好きかな?

俺は――大好きだ!


今も、これからも変わらない。

悪役という存在が、俺は心の底から好きで堪らない。


パッと思いつかない?

それなら例えば、B○○ACHの藍○○右介。

P○○CHO-PASSの槙島○護。

もっと有名どころなら、ホームズシリーズのジェームズ・モリアーティ。

日本なら怪人二○面相でもいい。


彼らに共通しているものは何だ?


圧倒的な存在感。

揺るがない思想。

そして、主人公ですら物語の一部に組み込む支配力。


改めて聞こう。

みんな、魅力に溢れカリスマ性のある悪役は好きかな?


何度でも言う。

俺は、大・大・大好きだ!


――だが。


同時に、みんなが嫌いな悪役も思い浮かぶはずだ。


実力はない。

カリスマもない。

その癖、態度だけは一丁前。


甘ったれで、負け犬根性に溢れ、

足を引っ張ることしか考えず、

芯がなく、性格が悪く、ヘイトだけを撒き散らす。


主人公の踏み台になるためだけに存在し、

最後は黒幕に利用され、

情けなく切り捨てられる――ショボイ悪役。


物語上、必要な存在なのは分かる。

だが、好きかと聞かれたら答えは一つだ。


NOだ。

断じて、俺はそんな悪役を好きになれない。


だからこそ、この話をしている。



どうやら俺は、事故に遭って転生したらしい。

詳しい状況は覚えていないが、気付いたら異世界にいた。


しかも、俺がよく遊んでいたゲームの世界だ。


ここまでは最高だ。

夢にまで見た異世界転生。

たとえモブだったとしても十分すぎる。


――ただし。


転生先が問題だった。


俺の名前は、アルフレッド・アドラー。

響きだけは最高にイカしている。


だが何が問題か?


俺が転生したのは、

俺が1番嫌いなタイプの悪役だったからだ。


アルフレッド・アドラー。

【エーデルワイス・クロニクル】――通称エデクロに登場する典型的な小物悪役。


主人公に僻み、蹴落とそうとしては失敗し、

物語中盤で黒幕に利用され、

最後はポイ捨てされるように殺される。


一応、公式設定では「主人公のライバル」。

だが実態は、公式が勝手に言っているだけの噛ませ犬だ。


黒幕も黒幕で残念な存在だが、

それでもアルフレッドよりはまだマシだろう。


俺がプレイしていたエデクロは、

アクションRPGとしても、

学園編や恋愛要素を含めたストーリーとしても超大作だった。


だからこそ、余計に際立つ。


悪役だけが、本当に、本当に酷い。


正直に言おう。

悪役がもう少しでも魅力的だったら、このゲームはさらに評価を上げていた。


――だから、俺は決めた。


せっかく悪役キャラに転生したんだ。

なら、俺自身が最高の悪役になってやろう。


ゲームの世界に転生したからといって、

元のアルフレッドになりきる必要はない。


俺は俺だ。

そして、俺が目指すのは噛ませ犬じゃない。


カリスマ溢れる、本物の悪役だ。


なんなら、ショボい黒幕なんて蹴散らして、俺がその座に座ってやる。


そして――主人公。


お前を、最高の英雄に磨き上げてやる。


最高の主人公には、

最高の悪役が必要だからな。


その逆も、また然り。


俺が最高の悪役になるためには、

主人公にも最高でいてもらわなければならない。


それが、

俺がアルフレッド・アドラーとして自覚し、

本当に生まれ変わった瞬間だった。


その歳、六歳。

木の上から落ちて頭をぶつけるという、

あまりにもテンプレなスタートで。



「……ア……アル……」


頭が痛い。

どうやら、相当熱く語っていたらしい。


誰かに呼ばれている声で、意識が現実に引き戻される。


「アルフ様! 大丈夫ですか!?」


目を開けると、心配そうに覗き込むメイドのミラがいた。


「……木登りしてて、失敗したみたいだ」


「そうでしたか……一先ず回復魔法をかけておきました。医者も呼びますか?」


「いや、必要ない。心配をかけたな」


そう告げると、ミラは目を丸くしてから部屋を出ていった。


――しまった。


アルフレッドは、子供の頃から傲慢な性格だ。

メイド相手に下手に出ることなどない。


アドラー家は侯爵家。

俺は、いわゆるボンボンというやつだ。


父のカレードは武芸に優れた人物で、

母セレスを亡くしてからは領地経営に専念している。


真面目な性格で、週に二度は街へ出て住民の声を直接聞く。

そのため、アドラー領は民からの評判も高い。


……全く。

これだけ恵まれた環境で、どうして元のアルフレッドはああなったのか。


いや、だからこそか。


兎にも角にも―


俺は最高の悪役になる。

そのために、これから全力で動く。


まずは、実力をつけるところからだ。



____________

TIPS


アルフレッド・アドラー


アルフレッドは本来、

小物ながら傲慢、怠惰で大した実力もなく、

使い捨てられる悪役ライバルキャラ(噛ませ)である。


ただし、公式設定では「主人公のライバル」とされており、

才能そのものは一級品。

本編では完全に宝の持ち腐れだった。


外見は黒髪で吊り目、瞳の色は金色。

鼻筋は高く整っており、唇は薄め。

笑うと口元が釣り上がるため、いかにも悪役然とした顔立ち。




________

なろうでは初投稿です


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