君の影 薄明照らし 道となる 並びて歩む 未来を願う 2
『私は、原典の夕顔ではない
あなたが照らしてくれなくても、歩ける』
『だから…その気持ちだけで、十分です』
強がり…だったのかな…
暁が、私を想ってくれるのは嬉しいし
暁が道を照らしてくれるのも、心強い
でも、暁がいなくても、私は歩いて来たし…いなくても歩ける
そう、思ったけど…
『それでも、君が…俺の隣にいてくれるなら…』
『夕顔
俺の正妻になってほしい
俺の…傍にいてほしいんだ』
暁の言葉が…
心が震えるほど…嬉しい…
「…暁」
声が震えた
「巻き込まれることが…怖くないと言えば、嘘になる
でも…」
息が詰まり、一呼吸置く
「私は…」
目線を上げ、暁を見る
「それでも、私は…あなたの傍にいたい…」
暁の瞳が再び揺れた
「夕顔…」
微笑み、そっと暁の手を取る
「あなたの隣を、並んで歩きたいです」
暁の手が、私の手を包み込んだ
その力は強くて、でも震えていて――
胸の奥がじんわりと熱くなる
暁は、私の手を離さないまま、ゆっくりと顔を上げた
灯りの揺れが、暁の瞳に映る
「ありがとう…」
暁は、私の手をそっと引き寄せる
「俺は…君が迷う時は道を照らす灯りになりたい
君が泣く時は、そっと寄り添う風でありたい
君が笑う時は…その光を隣で受け止めたい
その気持ちは、変わらない」
その言葉が胸に触れた瞬間、涙がまた溢れそうになる
「暁…」
声が震える
暁は一度、深く息を吸った
「だから…
これから先、何があっても…
俺は君を守る
君を一人にしない」
暁は深く息を吐き、微笑むと、私の手を胸に当てた
「君の隣を、一緒に歩いていく
俺は君と…生きたい」
その言葉は、夜の闇を切り裂くように
まっすぐに私の胸へ届いた
私は涙を拭いながら微笑み、そっと、暁の手を握り返した
「…はい
共に…」
夜の静けさの中で、確かな未来のあかりが灯る
暁は私の手をそっと離すと、少し険しい顔つきに変わった
「夕顔
父に、この事を…話そうと思う」
息が止まる
「右大臣に…?」
暁は深く頷いた
「君と生きたいと、父に、はっきり言う」
心臓が脈打つ
原典で、右大臣家は左大臣家と並ぶ巨大権門
右大臣はその家の絶対的な家長であり、強大な権力者…
暁の真剣な眼差しを見て、小さく息を吐いた
「わかった…」
婚姻の承認は、家事
避けては通れない道…
暁は再び私の手を優しく握る
「必ず君を…守る」
変わらない、暁の真剣な表情に、小さく頷いた
「うん」




