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朧月 香にまぎれて 影揺らぐ 嫉心と警戒 ひそかに燃ゆる

夜の御殿

燈火の下、私は几帳の陰に座して香を焚いていた

惟光が静かに進み出て、恭しく頭を垂れる


「夕顔の君に関わることにございます」


私は扇を傾け、目を細める


「申せ」


惟光は慎重に、言葉を選ぶような様子で続けた


「右大臣家の暁の君、夕顔の君に香木を贈られました

名香『夢浮橋』の欠片にございます」


しばし沈黙し、扇で口元を覆う

燈火の揺らめきをじっと見つめる


右大臣家の名香を夕顔に贈るは、思慕の証にして、政の庇護をも意味するもの

夕顔は、我が庇護の手を離れ、右大臣家へ渡りゆくやもしれぬ…


「暁が…夕顔を慕うと申すか」


惟光は深く頭を下げる


「はい

暁の君の姉上、朧月夜様もまた、夕顔の君を認めておられる様子

右大臣家に近づきすぎること、政においても危うきことかと存じます」


扇を閉じ、低く呟いた


「なるほど

暁の心を牽制するには…朧月夜を通すのも一手か」


燈火の揺らめきが几帳を照らし、影を長く伸ばす


朧月夜を通し、右大臣家の意を探り、暁の想いを制する

それが…

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