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第21話 風の国の姫と共に

《風の国 ウィンドブルム》


「久しぶりに帰って来たけど。全く変わっていわね。ウィンドブルム、安心したわ」


 銀甲冑の騎士鎧に丈が短いミニスカートを履いて、銀の剣を地面に刺して、剣の柄頭を両手で抑えるようにして、シュミレンが黄昏ていますね。


 さっきからの強風でミニスカートがたなびいてドスケベパンツが私に見られているのには気づいているのでしょうかね?


「……何あれ? パンツ丸見えじゃない。ていうか、あれTバックってやつよね?…シュミレンってエロい女の子なんだ」


 シュミレンちゃんのそんなあられもない姿を見て食い入る様に見ているのが、ウィンドブルムでのお供、ラニーちゃんです。


「風の国ウィンドブルム人は外見も中身も派手なんですよ。眺めが最高ですね」


 少し小高い草原に金髪甲冑ミニスカート美少女が恥じらいもしないで、威風堂々としているのは絵になります。


「……ウィンドブルムか。真紅様にセレンティシア様のお供に行って来てって言われて、着いてきたけど。風か強くて草原ばかりね……遠くには大きい都市が見えるけどあれ何?」


「ウィンドブルム国の首都ですよ。風と芸術の都とも言われている、世界有数の都市です……文化レベルも高いので美味しいお酒や可愛い女の子がいっぱいいるのです。楽しみですね」


「………夜中に娼館になんて行ったら、真紅様に速攻で知らせるからね。セレンティシア様」


「な? そんなのはいけません。今日、ウィンドブルムに来たのも、夜の新発見を楽しみで来たんですからね」


「何を新発見する気よ。それよりも万能の魔女としての役目を先に果たしなさいよね。会うんでしょう? シュミレンの母親に……風の女王 エレインに」


「うぅぅ…そうでした。すっかり忘れてましたよ。シュミレンちゃん~! おパンツ丸見えで黄昏ていないで、さっさとウィンドブルム城に行きますよ~!」


「………わぁああ! 先に見えている事を注意してほしかったわ。セレンティシア!」


 さっきまで黄昏てカッコつけていたシュミレンちゃんが赤面しながら、慌ててミニスカートを抑えていますね。恥じらいがあって可愛いです……


「目がイヤらしいわよ。セレンティシア様」


《都市 ウィンドブルム内》


「シュミレン姫騎士様のご帰還~!」

「シュミレン姫騎士。お帰りなさいませ!」

「シュミレン様~! 万能の魔女様。シュミレン様を助けて頂きありがとうございます」

「シュミレンお姉様~!」


 こ、これは凄い光景ですよ。首都の住民達が私達が門に現れたと同時に歓迎してくれています。


「凄い歓迎振り……流石、1国のお姫様の凱旋」


「当たり前よ。私はウィンドブルム国の姫騎士だもの。これぐらい人気があって当然だわ」


「うわ……凄い自信ね。まぁ、シュミレンのその騎士姿を見たら誰でも見惚れる事間違いないものね。アンタの言う通りだわ」


「な? ば、馬鹿……何をいきなり褒めているの?……褒めたって何も出さないわよ。ラニー」


「? 何を赤面してるのよ。可笑しなシュミレンね」


 ………ん? んんん? どうしたんでしょうね? ラニーちゃんとシュミレンちゃんがお互いの顔をチラチラ目配せしながら見合っていますね。それに私は見逃しませんでしたよ。


 さっきまで私にバレない位置で手を握りあっていた事を……これはこの2人に春風が訪れているのでしょうか?


 シュミレンちゃんはてっきり私にメロメロかと思っていましたが違いましたか。フフフフ!


 まあ、私にはカンミちゃん、アナスちゃん、リリムちゃんを筆頭に恋人候補が何人もいますからね。シュミレンちゃんを取られるのは物凄く残念ですが、可愛い弟子の為です。そこは血の涙を流しながら我慢して耐え抜きましょう。


「シュミレンちゃん! ご無事でなによりです。心配したんですよ」


「貴方はルル王子……貴方まで来てくれていたの?」


 ……おや? あれは………美少女? いえ、シュミレンちゃんは王子と言っていましたね。ということは美少年王子ということでしょうか?

 儚げで虚弱そうな身体に、中性的で可愛いらしいお顔をしていますね。ドストライクです。


「う、うん。凄く心配していたんだよ。僕の国からもシュミレンちゃんを捜索する為に隣国中を探し回ったんだ」


 おっと! ルル王子様はそう言うとシュミレンちゃんの右手を強く握りましたね。案外積極的で大胆な子ですね。


「そ、そうなの……ありがとう。ルル王子」

 

 そして、シュミレンちゃんも満更ではない様子です。これはいったい?


「……何その反応? ちょっとムカつくんですけど」


 ラニーちゃんはラニーちゃんでシュミレンちゃんとルル王子のやり取りを見て不機嫌になっちゃいましたね。これは……禁断の三角関係と言うやつでしょか?


「えっと……ここだとあれだから。お城に移動しようか。ば、万能の魔女様。僕の婚約者を助けて頂き本当にありがとうございます」


 ズキューン! この子………良いですね。1国の王子が礼儀正しくお礼を言えるなんて、この子の親御さんはなんて良い子を育てたのでしょうか。


 この可愛いらしい姿。是非ともランデブーしたいですね。


 ………ですがこの子の下にはナニかが付いているんですよね。


 ………ですが私にはあれがあります。どんな可愛いらしい男の子でも女体化させられる万能のお薬が。


「………セレンティシア様。アンタ、今、物凄い悪い事を考えているでしょう? 顔に出てるわよ」


「へ? そんな事考えていませんよ。私は常に健全な万能の魔女なんでからね」


「どこがよ。いつも不健全な煩悩の魔女の間違いないじゃない。全く……」


《ウィンドブルム城内》


「万能の魔女セレンティシア様。我が娘、シュミレンを見つけ出し助けて頂いた事、心より感謝致します」


 シュミレンちゃんにそっくりな顔立ちの女の子……いえ、我が娘っ言っておりますし、この人がシュミレンちゃんのお母さんなのでしょうね。

 

 とてもとてもお若いですね。お姉さんかと勘違いしてしまいましたよ。


「いえ、そんな事は……風の国ウィンドブルムの女王。エレイン様、無事にシュミレン姫を送り届けることができ、良かったです」


「あ、あの。セレンティシア様がちゃんとした挨拶をしているわ」

「……夜はあれだけけだものなのに、ちゃんとしているわね」


 ラニーちゃんとシュミレンちゃんが失礼な事を言っている様に聴こえますが、気のせいでしょう。


「さて……今回世界各地で引き起こされた各国の姫拐い事件の犯人なのですが……」


 む? 何でしょうか? エレイン女王の雰囲気がピリツいている様な。


「……現在、この国に……いえこの首都に潜伏して居ることが影の国からの使者より書簡で知らせが来ました」


「影の国からですか? 犯人が? それはそれは不穏な知らせですね……エレイン女王様。それを私に伝えたということは、つまり……」


「はい……つまり。今回の各国姫拐いの犯人を探し捕えてほしいのです。Numbers11のイレイブを。万能の魔女セレンティシア・ティファレント様に」


 エレイン王女は私に跪き、《魔礼の儀》を持って、私に詔を捧げました。


「エレイン王女………その礼法は……………畏まりました。万能の魔女としてその願い引き受けましょう。世界の秩序を見守る者として」



 


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