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第19話 雪の国は以外と暖かいです。

《雪の国 ブリュッセル》


 幻想的な雪景色広がっています。『セファルレギア』の世界の北方地域にある雪の国のブリュッセルの都市に降り積もる幻想的な雪化粧が……


「セレン様。こちらです。こちらが私の故郷ですわ」


 元気な姿のアナスちゃん。私が繁華街のランデブーで一緒にランデブーした超絶美少女専属メイドの1人です。


 今は厚手のコートと手袋に身にまとい、私の右腕に抱き付きながら仲良く歩っています。


「全く。どれだけの女の子を誑かせば気が済むんですか? 浮気好きのセレンお嬢様。最低女ですね。コノヤロウ」


「誰が最低女ですか。私は自分の本能に忠実に生きているだけですよ。そしたら、世界でも有するの美少女達が集まって来ただけで……痛い。痛いですって! や、止めて下さい。真紅さん。貴女の脳天チョップは殺人級に痛いんですから。お止め下さい~!」


 ヒノ国でカンミちゃんを家で預かる事を許してもらったのも束の間、今度は北の雪国ブリュッセルの書簡が家に届けられていたんですよ。


 全く。こっちはカンミちゃんの身体を楽しみながら新規開拓していたといいますのに、余計な邪魔が入っちゃいましたね。


 因みにカンミちゃんとはヒノ国の一件以来、私の技の1つ1つをちゃんと伝授して、とんでもない変た……とんでもない天才ちゃんに育て上げてますので、将来がシオン君と並んで楽しみで仕方ない娘になりましたね。


「幼児にはまだ雪国は厳しいからと。真紅さんが付いてきてくれたのは良いんですけど。なんか最近、真紅さんの当りが強いのは気のせいでしょうか?」


「気のせいではありませんよ。セレンお嬢様。『ゆがみの刻』やシオン君やラニーさんの修行もありますのに、可愛らしい美少女さん達と楽しいお時間を過ごせられて、その後もこの様な国際問題を連発で起こしているお馬鹿さんにキツくならないわけありませんよ。お馬鹿なセレンお嬢様」


 い、言い方にトゲがありまくりませんかね? わ、私はただ自分の中に眠るサキュバスの血の本能に従って、可愛らしい美少女達を楽しませてあげただけですのに……因みに無理矢理ではありませんよ。


 皆さん。最初は恥じらいながら色々とやっていたんですけど。慣れてくると自分から私を襲う様になっていたんですよ。


 そして、襲われた私はあの娘達に良い様に弄ばれたり、弄んだりの繰り返しでランデブーしてただけですからね。


 私もあの娘達も悪くありません。成り行きが全て悪いのです。成り行きが。


「そうですよね? アナスちゃん」


「へ? は、はい。私はセレン様を大切に思っておりますわ。(ポッ)」


 う~ん! 百合百合ですね。超絶美少女にこんな事を言われると悪い気が1つもしませんね。最高です。フフフ!


「セレンお嬢様……鼻の下が伸びてらっしゃおますよ」


「伸ばしてません。大切に思われていて嬉しくなっているだけですよ」


「……(本当に見境がない人ですね。遥か昔は1人の殿方をあんなにお慕いしていた方ですのに。時が経つと人は本当に変わっていきますね。シロさん)」


《ブリュッセル城》


 世界でもっと美しい城と称えられるブリュッセル城。そんな城が私達の目の前に建っています。


 壮観ですね。世界が1度崩壊仕掛けた時と変わらない素敵な装飾です。細部にまでこだわり抜かれたその装飾は、劣化防止の魔法と強度な氷魔法の結界で何人にも破壊されない建物の造りとなっています。


「ほ、本当に来られた。無事でおられた様だぞ。急げ。早く、女王様にアナス姫様の帰還を知らせろ」


「「「ハッ!」」」


 私達の様子を遠くの方から望遠鏡で覗き込んでいる方が居ますが、あれはこの国の大臣さんぽいですね。城の周辺に居た衛兵の人達に指示を出している様にみえます。


「煩悩の魔女様セレンティシア・ティファレント。アナス姫様と共におなり~!」


 ブリュッセル城の警備隊が私達が来たことが分かるなり、知らせの言葉を告げましたね……気のせいでしょうか? 私の異名の万能の魔女ではなく、煩悩の魔女などと聴こえた気がするのですが。


「事前にフリュデ女王に手紙を送っておいて正解でしたね。セレンお嬢様、ヒノ国の時とは違い今回はスムーズに事が運びそうでなによりです」


「フリュデさんは昔から勘違いする所がありますからね。あの人と会う場合は事前のアポは必須なのですよ」


「えっと……私のお母様とセレン様はお知り合いだったんですか?」


「え~とですね。それはフリュデさんに会ってから話しましょうか。色々と積もる話しもありますからね」


 不思議そうな顔をするアナスさんは私にフリュデさんとの過去を聞きたそうにしていましたが、それは後でにしましょう。今はフリュデさんに再会するのが先ですからね。


《ブリュッセル城 女王の間》


「フリュデ女王様。煩悩の魔女セレンティシア・ティファレント御一行をお連れしました」


「ええ、ご苦労様。スノーヘル。下がって良いわよ」


「ハッ!」


 衛兵さん達に案内されて着いた場所はこの城の玉座の間でした。そして、フリュデさんが鎮座していますね。


「…………アナス。無事でなによりでした。貴女が何者かに拐われたと聞いた時は心配で心配で夜も眠れませんでしたよ」


 フリュデさんはアナスさんを見るなり、玉座から立ち上がり私達の方へと駆けてきました。


「お母様……心配かけてしまい申し訳ございません」


「いいえ……謝るのは私の方です。良い歳になったからと世界旅行などに行かせた私が悪かったのです。本当にごめんなさい。アナス」


 親子感動の再会ですね。良かった良かったです。仲良く抱擁し合っている感動的です。


 藍色の髪にアナスに似た顔立ち……今に思い返せばアナスさんがフリュデさんの若い頃にそっくりだと初めて会った頃、一瞬だけ感じたんですよね。まさか本当の親子なんて思いもしませんでしたよ。


「……それで貴女が私の娘を救ってくれたのね。セレンティシア。貴女には歴代のブリュッセル一族がいつも助けられているわね。ありがとう」


 フリュデさんが私を見つめてお礼を言うなんて……あのお転婆だった頃とは違い、大人の女性へと成長したんですね。


「ええ、感謝しまくると良いですよ。フリュデさん。私がアナスさんと出会わなかったら、アナスさんはどこの馬の骨とも知らない方に貫通されていたかもしれないんですからね」


「貫通とか、相変わらず下品な言葉使いね。セレンティシアは、全然変わっていないわ」


 おっと! 娘さんを助けた人に対してなんて物言いなんですかね。この女王様は、クールに見えて毒舌なのは変わっていませんね。この人は。


「お久しぶりでございます。フリュデ様……お変わりない様で安心しました」


「真紅様もお久しぶりね。二人共、昔と何一つ変わっていないのわね。いえ、そんな事よりも先ずは娘をブリュッセルに連れて来てくれた事のお礼を言うのが先だったわ。本当にありがとう。セレンティシア、真紅様」

「あわわ! あ、あのお母様が頭をお下げになるなんて……い、いいえ。違いましたね。お、お礼を言わないと……あ、ありがとうございます! セレン様」


 フリュデさんとアナスさんが私達にお礼を言ってくれましたね。別に対した事はしていないんですけどね。


「い、いえ。そんなお礼を言われる事なんて何もしていませんよ。それに私もアナスさんには気持ち良くしてもらっているのでWINWINです……ぐぇぉ?!」


 真紅さんに喉元を手刀で突かれましたね。凄くいたんですけど。何するんですか? この殺意マシマシメイドさんは。


「ゴホッ!ゴホッ! な、何すんですか? 真紅さん」


(お馬鹿さんなんですか。セレンお嬢様はフリュデ様はそういう卑猥な事にはお厳しいお方です。そんな事を言ったら怒られる所ではすみませんよ)


 真紅さんが小声でチクチクとそんな事を言っていまね。目付きが凄く鋭いですね。怖いですね。


「アナスに気持ち良くしてもらってる?」


「お、お母様。違うのです。これは私が好きで行っているだけで、貫通も……最後の方まではいっていないんです。セレン様はいつも寸止めで下の方もですね……」


 あの天然お馬鹿のアナスさんは何を暴露しているんですか。そんな事をフリュデさんに伝えたら、フリュデさんがぶちギレ間違いなしにです。


「貫通? 寸止め?……良く分からないけど。セレンティシアが私の娘に魔法の修行をつけているという解釈で良いのかしら?」


「え、えーっと……そ、そうですね。そんな感じですよ。アナスさんは魔法の才能がありますからね。私が直々に鍛えてあげてますよ~」


 厳しい言い訳ですが。ここは必死に誤魔化しましょう。貴女の大切な娘さんと毎夜毎夜ランデブーしてるなんて言ったら、フリュデさんに何をされるか分かりませんからね。


「……アナスに才能。まあ、この娘は氷魔法の才能が王族一だものね。そうセレンティシアが私の娘に魔法を……アナスはこのままブリュッセルに戻って来たい? それともまだセレンティシアの元で修行したいのかしら?」


「え、えっと……セレン様の元に居たいですわ。お母様。私、セレン様とクンズホグレズをしていたいです」


「クンズホグレズ?……良く分からないけど。貴女はセレンティシアに魔法を教わりたいのは良く分かったわ……セレンティシア、真紅様、アナス着いてきなさい。見せたい物があるのよ」


 フリュデさんはそう言うと私達の前を歩き始めました。


「見せたい物? なんですか? 昔の思い出の写真ですかね?」


「………違うわよ。この世界の危機の1つを見せたいのよ。この城の地下に眠る脅威をね」


 彼女は城の床を指して暗い表情になっていました。


《十数年前 北の果て》


『オラアァアアアァア!!…………『氷月刀』』


「………流石はNumbers。しぶといですね」


「セレンお嬢様! フリュデさん。あちらの山から雪崩が発生しています。一端逃げましょう」


「ハァーハァーハァー…… 私が氷魔法で壁を作るわ! まさかこんなに長時間の戦闘になるなんて思いもしなかった。残りの兵士達にそんな気力はもう残っていないわよ」


「『瞬間移動テレポート』で逃げてもらいましょう。いくら強兵として知られるブリュッセル兵でも人格を失ったNumbersには勝てるわけありませんからね」


「ならば私達でどうにか倒すしかないって事ですね? セレンお嬢様」


「いつもいつも無茶ばっかり言ってくれるわ。この煩悩の魔女様」


「……これが最後の戦いです。3人で止めますよ。ティーンを………『星消滅スターノヴァ』」


『『氷斬』……我に逆らうな。ファーストの取り巻き』


《ブリュッセル城 地下》


「氷漬けの氷狼人ですか?」


「この方は……まさか?!」


「氷の中に人?……この人はNumbersの………ティーンさんじゃないですか? 生きていたんですか?」


「そう。アナスが行方不明になった後、リュメル氷山で見つかったのよ。その後は放置するのもなんだからと、ブリュッセル城の地下へと移動させたの」


「…………そうなんですか。まさか身体が残っていたなんて思いもしませんでした。あのティーンさんの身体は今、どんな状態になっているんですか?」


 私はティーンさんとの昔の事を思いだしながら、フリュデさんに質問しました。


「多分死んでいると思うわ。あの戦いで身体だけは残ったみたいだけど」


「そうですか……」


 ティーンさんは私のお師匠様である。ファーストさんの仲間の1人でした。ファーストさんが居なくなった後はこの雪国で悪政を敷き、若き日のフリュデさんと私達との死闘の末、討伐したのでしたね。


「フリュデさん……何故、この方の氷漬けの死体を私達に見せたのですか?」


「Numbersのベヒーモスが復活したとナルカミちゃんから手紙が来たのよ。それに貴女達はテュエルブとも戦ったのでしょう? そして、この氷漬けの遺体も最近見つかったわよね」


「つまり。そのうちこの氷漬けのティーンさんもいつか復活するかもしれない……それを危惧して私達をここへと案内したんですね? フリュデさん」


「ええ、だからこの氷漬けの遺体を消滅させる事ができるアナスに、貴女の氷魔法の奥義わざを伝授してあげてほしいのよ。『絶対零度アブソリュート ゼロ』を」



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