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プロローグ
初めまして。よろしくお願いいたします。
僕は、目立ち過ぎてしまった。
「では、この使途不明金の使い途を教えないと?」
「はい」
本来なら僕に支払われるはずのお金が支払われなかったばかりか、行われたパーティーさえ、誰かのデマカセだったなんて。
かといって食品や調味料を異世界から仕入れてるなんて言ったら、異端者として処刑されるし、言わなかったら、言わなかったで、きっと、ヒドい目に遭う。
解っていて、そういうしかない。
僕には、他に方法がなかった。
「お前の料理の腕は惜しい。私としては死なせたくない!そこで、だ、3年間の近衛第14部隊勤務が無事終了したら、私が必ず店を出させてやる!」
「ありがとうございます!無事終了したら、宰相閣下の元に馳せ参じます!」
そう、僕は何も知らなかったのだ。
近衛第14部隊がスタンピード専門制圧部隊だとか、荒くれ者の集まりだとか、ちっとも知らなかったのだ。