視える男、恋する女
僕、幽崎深佳は簡単に言えば幽霊が見える体質である。家が神社であることも相まってか幼稚園の頃から目にはまがまがしいものがよく映る。たまに霊と気付かずに話しかけられて話を返したら周りの人から白い目で見られることなんてこともある、まだはっきり霊について知る前は見えることを他人に話していた。だから、高校になった今でも悲しいことにクラスメイトからは異端児扱いされ友達もいない。挙句先生さえその状況にはお手上げのようで僕が一人になればとりあえずで適当なグループには入れさせてくれる。ただ友達を作れとは強制しないいい先生だ、過干渉でも干渉しなさすぎでもない。
それに加えルックスも平均。勉強も運動もずば抜けてできるわけでもできないわけでもない、ていうかそれのほうが要因としておかしくないかもしれない
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「はーいじゃ、テニスのペア組んで~」
朝と言うのにまあまあ暑い一時間目の体育の時間。担任であり体育教師の綿也理子がそういうと生徒たちは仲いい人とペアを組み始める。みんなが動き回る中少し離れたところで僕はぽつんと立っている。どうせある程度組み終えたら先生が声をかけてくれるはずだ。
「ね、幽崎君」
「っ!?!?」
下を向いていたから誰かが近づいてきたのに気づかなかった。顔を上げるとそこにはクラスの生活委員でありよくモテると噂の八戸響がいた
「何の用…?」
「いや、俺とペア組んでほしくてさ」
「は・・・?」
「今日大我休みで俺一人なんだ…幽崎君が一人でいたから」
「・・・」
全然知らなかった。一人休みってことは偶数だから僕が余るってことがない、だからといってこんな魔反対陽キャと組むのはあまり乗り気じゃない。ちらっと奥にいる先生の顔を見るとすごくにっこりとしよかったじゃないかと言わんばかりの顔でこっちを見ていた。さすがに断るわけにもいかないし・・・
「いいよ、僕なんかでよければ」
「やった、ありがとう!!!」
とても屈託のない笑顔を見せられて少しぞわっとした。
「そういえば幽崎君友達いないの?」
「何?失礼だと思わないわけ?」
「あ、ごめん。いやいつも一人でいるからさ…」
なんだそれ。いるいる、こういうやつ、自分を他人を心配する心優しい人って思うために声かけてくるやつ。人を自己満の道具に使うなって話だ。
「余計なお世話だよ」
そう八戸の目も見ず言い放つ。こうでもしないとこ言うやつはまた寄ってくる。
ただこういう側も地味に心に来る。八戸も喋らくなっちゃったし…流石に気まずいからなんか話題…
「そうだ、八戸君って」
「はぁ?あんた何なの響君にあんな態度取るとかほんとさいてー!!」
「えっ」
一瞬八戸に遮られたのかと思ったが聞こえた声は女性の声だ。
「ん?どうしたの?」
「あ、いや、なん・・・でもない」
こっちを見て首をかしげる八戸の後ろ、確かに僕の目には綺麗な髪をツインテールしている女の子がいる。八戸が気付いてないってことはこの女幽霊だ。
「この男響君に馴れ馴れしくしやがって‥響君もこんなやつ無視しとけばいいのに」
そう僕のほうを見ながらつぶやく女。聞こえてるんだが??すると急に距離を詰めて僕の前に来る
「はー響君より全然かっこよくないし、陰キャの極みって感じ」
「・・・・」
落ち着け僕。ここで文句を言ったり見えてる素振りをしたら負けだ。
「八戸君、早く行こう」
「え、うん」
僕は八戸の腕を掴んで引っ張る。その光景に八戸とあの女が驚く。八戸に幽霊が憑いてますよなんていうわけにもいかないし無視だ無視。
「むっかつくなあの男…」
こっちのセリフだからな。死んだくせに未練たらたらな恋愛幽霊がよ