表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

詩歌集

蛇の子を孕む



夜になると、押し入れがスコーッと開く。


そこから、細長い紐状のものがずるずると這ってくる。


蛇だ。


蛇は布団に入ってきて、私の身体に巻き付く。


その蛇は噛みつくわけでもなく。


身体に巻き付くだけで、特に何するわけでもなく。


私もまた、蛇に対して何するわけもなく。


ただ、静かに巻き付き巻き付かれる。


そして、蛇はある程度すると、私の身体から離れる。


ずるずると畳を這いながら、押し入れの隙間に戻っていく。


そんな、よくわからない夜を過ごすこと1ヶ月。


蛇は予告もなく、訪れなくなった。


それから、数ヵ月後。


「おめでとうございます。お腹に赤ちゃんがいますね」


生理が来ないので病院に行くと、医者にそう告げられた。


私には、そんな相手はいないし。


それに、最近そういうこともしてない。


思い当たることと言えば…蛇が一時期、私に巻きついてきていたくらいだろうか。


だとしたら、私のお腹の中の赤ちゃんは…蛇の子?


わからないけど…


私のお腹に宿る、命。


私はお腹を擦りながら、微笑む。


私は1人じゃないんだ…


私は誰の子かわからない、もしかしたら、蛇の子かもしれないその子を産むと決めた。


病院の帰り道。


草影に蛇がいた。


あの、蛇だ。


チロチロと舌を出し、ぺこんと頭を下げた。


まるで、会釈しているように見えた。


「…大丈夫、ちゃんと育てるからね」


私がそう言うと、蛇は静かに草むらに消えてった…


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ちょっとこわくて ちょっとせつなくて ちょっとほっこり にょろにょろにょろろ
[良い点] 蛇×人間、いいと思います! 神秘的にもなるし、エロティックにもなりそうですね( *´艸`) 物語としてもぜひ読みたいです♪
2023/02/22 23:33 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ