第98話 聖女が消えた
シズが城に向かって歩きはじめると いままで姿を消していた住人たちが姿を現して聖女を歓迎するのであった。多くの歓声が鳴り響く中をシズが手を振って歩くだけの事なのだが中には、祈り始める者や声を露にする者が多く見られた。
城の中に入っても同じように片膝を突いて聖女様が通り過ぎるのを待つ方々が目に留まるのであった。
そして ヴァイオレット聖王国の国王と謁見の場に到着すると多くの貴族が集まる最中、赤い絨毯を歩くだけで多くの貴族たちが聖女の姿を目に焼き付けるのであった。
シズが定位置に付く頃には、ミルクとランも体の大きさが小さくなっており それでも聖女の両脇を守るのであった。
「国王の入場です。聖女様、頭を下げてお待ちください」
「どうして 敵国の国王に頭を下げないといけないのかしら 私が頭を下げるのは、当然 旦那さまと転生神ティラミス様のみです」
当然、ヴァイオレット聖王国の貴族たちが騒めく最中、ヴァイオレット聖王国の国王が入場してきた。
国王が 国王の椅子に座ると妃も隣に座り、子供たちが周りを取り囲む姿となった。その中には、リルターナの従者だった。カーメルの姿がそこにあった。当然、シズに対して片膝を突いて 頭を下げるのであった。その光景は、貴族たちを驚かせるに十分でもあった。
「良く御出でくださった。聖女シズ様」
「 ・・・・・ 」
シズが無言で何も言わないでいると貴族たちがまたしても騒めき始めるのであった。
「シズ様、国王様がおっしゃっております」
「それで 私は、何とお答えすればよろしいのですか。お教え願いたい。
私は、この国に対して何度と無く襲われているのですよ。どの口が言うのかしら」
極一部の者しか知らなかった事を暴露されてしまい。当然、国王も知らされていなかった事であった。後ろに控えていた貴族たちの企みであった。
聖女がこの世界に転生してから幾度と無く、盗賊に襲われたりしていたが家族たちがシズを守るのであった。その為に盗賊達には警戒心が強くなってしまっていた。
「後ろに控えている方々には、理解している方もいると思います。名乗らなくて結構、全て神が見ております」
突然、謁見の場に 神の降臨が降り注ぐとシズの姿が消えるのであった。それと同時にミルクとランが大人しくしていたのが突然、本来の姿になって人の言葉を話し始めるのであった。
『シズを何処へやった。答えろ』
『やはり人間は ・・・ 』 ランが天井に向かって魔力を放出すると黒雷が爆散させて空が見えるようになるのであった。
『答えろ』
『何処だ』
ミルクが風を巻き起こして壁が取り壊してしまうと その勢いのまま世界樹に傷を付けるのであった。
世界樹が多く揺さぶれただけで 天界人達がわらわらと舞降りてくる最中に ランの黒雷により、多くの天界人達が地上に落ちる姿をヴァイオレット聖王国の住人達が目にするのであった。
その後もランの黒雷で街や世界樹に多くの傷跡を付ける事となるのであった。当然、ミルクも暴れて世界樹が半壊するまでに陥るのであった。彼等にとっては、世界樹など どうでも良い事なので好きなだけ暴れた。
シズが消えてからの半日で街が崩壊したのは、言うまでも無い。神獣が2匹で暴れれば当たり前の事であったが ケガ人が多く出た者の死人が誰1人として死ぬ事が無かった。幸いである。
その後、ミルクとランの姿が消えると そこに残された。ギルガイア大国のテルミーナ御一行とヴァイオレット聖王国の貴族に王族達は、何が起きたかも分からないまま放心状態で 無言で立たされていた。が
シズが消え、神獣のミルクとランがその場から立ち去ると
「これは、国際問題と生半可に出来ない事です。当然、王族の首と貴族の首を全て差し出してもらいます。
この世界の聖女様、誘拐として ・・・ 」
「テル、問題が無いわ。10日後にランスが帰って来るわ。それに今頃は、ミルクとランがランスに報告に言っている頃だし、もしかしたら 報復に街に向かって魔法の雨が降り出すかもしれないわね。当然、世界樹などいい標的になるわ」
「リルターナ様、どちらに行かれるのですか?」
「此処にいたらラムの魔法で焼かれて消滅しかねないわ」
リルターナの一言で ギルガイア大国の騎士たちが震えだすのであった。彼等もラムの性格を知っているだけに容赦が無い事を
リルターナが立ち去るのと同時に騎士達もこの場か立ち去りたかった。が 勝手に出て行く事が出来ないのである。
「ちょっと待ってもらいたい。我々の知る由も無い事なのじゃ、信じてもらえないか」
「我々が何も知らいないとでも思っているのですか。国王よ」
「何の事を言っている」
「俺の口からで無く、彼等が話をしてくれるでしょう。真実を口にすれば、だ」
「シズねぇ~~ 僕の部屋にようこそ」
「ルージュは、ここで5年間暮らしたのね」
その頃、ランスロット達は、
計画的な事だったのでミルクとランがランスロットの真横にやってきて 大人しくするのであった。
冒険科の23名と貴族科の12名がランスロットと共に行動する事となった。ラムによる重力魔法で自分の重さの2倍になって行動をす
る事となり 1キロ歩くだけで3キロの体力を使うのであった。それでも彼等は何も言わないで付いて行くのであった。
その間、魔物に襲われたり 魔獣の襲撃にも昼も夜もラムが作り出した重力魔法の中で生活を余儀なくするのであった。
3日が過ぎるころには、重力魔法にも成れた頃には山を登り出していた。険しい山を登って先には、またしても森が継ぐくのであった。
「マイ、3日を費やしたけど どうかしら そろそろランスロット様と合流したいのだけど」
「そうね。時間の無駄ね。もっと簡単にレベルがあがればいいのに」
「なら 簡単にレベルを上げましょう。ランスロット様に合流よ」
「そんな方法が存在するの?」
夕方には、合流していた。その頃には、他の皆もランスロットの処に帰って来ると森を抜け 岩肌が見える荒野に出ていた。
「ラム、こんな処に何がいると言うのだ」
「ベアーよ。それもキングベアーが今回の標的よ」
「旨いのか。ソイツは?」
「魔獣だから肝があるでしょう。食べてみないと分からないわ」
「なら 今すぐに狩に行こう」
「マイ、あなたの生徒が後ろでへばっているわよ」
マイが後ろを振り向くと青白い顔で地面にしゃがみ込んでいたり、倒れて動けないものまでいた。10キロを1時間で走り抜けたのだ。それも平坦な道で無く、森の中を! その間、マイが魔物や魔獣を撃退して来たので彼等は走るだけに専念をするだけだったにも拘らず、死にそうな顔でマイを見つめるのであった。
「ランスロットさま、彼等にキングベアーの肝を食べさせたいと思っているのですが如何ですか」
「それは構わないが 何をしたいのかな? ラムは」
「彼女が地上に降りれば当然、魔獣の暴走が始まります。その時にテルミーナ様の助けが 脳筋のデルタのみでは、少し物足りないかと思いまして」
「アスカ、風呂の準備をしてくれ! 今回は、こいつ等も入るから壁を作れよ。
マイは、風呂が出来たら水を淹れろ、適温で頼む。
ローザにオルガ、修復は終わっているな! チロロにミカゲとカグラも問題なく、肉と薬草を取ってきたな」
ミルクとランは、ランスロットの足元で寝ている。
「分かったわ。旦那さま! 大きめにして置く」
「分かりました。その後の指示も待っております」
「問題なく35名分の装備と武器の修復が終わりました」
「装備の方は、少し改良をさせてあります。いい素材が余っておりましたので」
「この森は、薬草が豊富だったわ。旦那さま」
「今晩の肉は、ラムに渡しました」
「山菜系も豊富に収穫してきました」
ランスロットがラムの方を見ると既にアスカがラムの手伝いに回っており、マイもアスカに続きと手伝う処であった。
ローザとオルガは、生徒達に生活魔法のクリーンを掛けてから 回復を施し、チロロに目で指示を出すのであった。それを受け取ったチロロが ミカゲとカグラに指示を出して3人して生徒達を風呂場に投げ込むのであった。服を着たままでも構わないとでも思ったのか。何も気にする様子が無く、彼等もされるがままに大人しく従うのであった。




