第80話 邪神ルージュ
翌日も農作業をしているとシズが川の異変に気が付いた。
「ランス、川にまた瘴気が混じっているのだけど 川の上流に湖か、何かが在るの?」
「湖が存在している」
「確認しておきたいわ。ランス!付きあって」
「もう少し待ってもらえないか。今日の分だけでも終わらせたい」
「大丈夫です。旦那さま! チロロ達も魔法陣の扱いに慣れてきました。旦那さまが1人いなくても支障が出ません」
「それでもなぁ~」
「任せて シズのお手伝いをしてやって私とミカゲにカグラも魔法陣の扱いに慣れたわ」
「任せてください。ランスロットさま」
「お任せください。旦那さま」
「分かった。お礼は、今晩するよ」
その一言で5人の顔を赤々とさせながらも嬉しい顔になるのであった。ローザとオルガは、今日も朝からギガントタートルの中で作業をしている。こだわり出すとキリが無いのだが彼女たちに任せる事とした。きっと いい物が出来上がるのであろう。
『シズが動くのであれば、私達も同行します』
『ママが行くなら 付いてく』
「何の問題も無いが彼等は、そのままにしておいてくれ ミルク!」
『承知!』
一鳴きすると理解するのであった。周りのウルフたちが 物凄い速さで走りはじめてしまった。ランスロット達が
「アスカ、ランス達は何処に行った」
「上流の湖に向かうと言っておりましたが どうしてですか、クロ様」
「厄介な処に向かったな! 早く死んでくれないかな、あの爺も」
「“ も ”とは、他にも存在しているのか。クロよ」
額に汗を流しながら 後ろを振り向くと
「言葉の文ですよ。やだなぁ~勘違いしないでください。ハク様」
「ほぉ~今度は、“ 様 ”か! 付いてきな 鍛え直してやる。歪んだ精神を!」
「アスカ、助けてくれ! マイでもいいから我を助けろ!」黒龍のクロの声など誰1人として聞き入れる訳もいなく、農作業を続くるのであった。
夕飯時に帰ってきた頃には、ゲッソリとしている最中、ハク様はスッキリとしていた印象があった。クロ様に対して どんな精神攻撃をしたのやら
「瘴気が多くなってきているわ。ランスまだなの!」
「森一帯が瘴気に飲み込まれているわね。魔獣達まで瘴気に飲み込まれて変化しているものまで現れたわ」
「特に目立つのがスライムよ。色までもが変わっているわ。元々が雑食だからなんでも取り込んでしまうのね」
「もう少しだ。警戒しておいてくれ」
「問題がありません。ランスロットさま、ミルクとランが通り過ぎるだけで浄化されております」
「今回は、ラムがいるから私の出番は無いわ」
「そうでもないわ。シズ! これだけの被害が出ているとなるとシズの“ 浄化の恩恵 ”が必要よ」
「あれって 使うたびにレベルが上がるから嫌いなのよね」
「諦めなさい。私達の村を守るためよ」
「そうは、言っても 段々と人間離れしてしまうわ」
「それでも聖女様の力は万能でしょう」
「もう少しだ。・・・ 惨い有様だな! 湖の形をしているだけでも凄いと思う」
ランスロットとラムに見られる。と!
「はぁ~~! やればいいのでしょう。やれば! ・・・ “ 浄化の恩恵 ”」を発動した。
いつもの事だが シズを中心に光の輪が拡がり浄化が終わるまで光が出続けると 今回は不思議と森が再生をし始めるのであった。
それでも 湖の中心部分から瘴気が上がってくる事を感じると
「ランス、ダメだわ。浄化が終わらない。湖の中心部分から瘴気が溢れているわ」
「水の中に 何かの結界が施されているわ。その先が解らない」
“ はぁ~~ どうして こんな生物がこんな処にいるのだ。勘弁してくれ ”
「どうしたの ランス!」
「分かりましたか。ランスロットさま! 何が封印されているのですか?」
「封印が弱まっているから瘴気が漏れ出しているの ラム!」
「私には、わからないわ。もしかしたらランスロットさまなら解ると思う」
「そうなの! ランス」
「ラム!“ 雷撃 ”を湖の中心部分に落としてくれ」
「分かりました」
ラムの指が上空を指すと黒い雲が渦を巻き始める。と 上空の黒い雲が段々と雷の帯が出来はじめる、途端に爆雷が湖全体に落ちるのであった。
「ちょっとやり過ぎだろう。ラム!」
「ここ最近は、魔法の威力が上がっているのです。普通の魔法を発動しても×5倍の威力になってしまうのですが 補助系はいつも通りなのです」
「そうなのか! それなら 魔力搬出量を考慮して もう1度、撃ってごらん」
「分かりました。ランスロットさま」
ラムが上空を見て魔力調整をしている最中に 湖の中心部分が盛り上がってくるのであった。何かが浮上すると同時に本来の雷撃を撃ち落とされるのであった。
ラムの一撃を喰らって 水龍が気を失い、身体ごと水面に浮いてきた。その時に右手には、宝珠を持っており。左手には、封印咳を持っているのであった。彼が出てくるのと同時に結界内に蓄積されていた、瘴気が溢れだすもシズの浄化の恩恵が発動して全ての浄化が済むのであった。
“ おい! おい! 勘弁してくれよ。どうして邪神なんて持っているのだ。この爺は ”
ランスロット達が 水龍が倒れている事をいい事に水面下を歩いて封印咳の前までやってくると
「ランス、封印咳って何? ここから瘴気が漏れ出しているわ」
「シズ、この際だから これに“ 浄化の恩恵 ”を発動してみてはいかが」
「そうね。やってみようかしら」
シズが“ 浄化の恩恵 ”を発動させると
「ちょっと待て シズ!」
既に遅く、封印咳が粉々に砕け散り、中から可愛らしい男の子が出てくるも
「あら大変! 魔力が無くなっているわね。私の魔力を注いであげるわ。処でランス、何?」
「もういい! シズの魔力を含んだから変化を期待するよ」
「シズ、大変よ。この子、邪神だわ」
「ラムの執事 ヴェルファイルと違うのね」
「そう言えば、あれも邪神だったわね。ちょっと待って もしかして この子って」
ラムが この子の股間や胸を触り出すと 何かの確信を持つのであった。そして パンツの中に手を入れると目覚めるのであった。クチャクチャと音を鳴らすと赤面しながら ラムから離れだすと
「我は、邪神だぞ!」
「だから 何!」
「可愛い男の子だ、こと!」
“ 面白い方向に変化し始めたな! ”
「あれ? 我の魔力が変化している?」
「ごめんね。私の魔力を注いだ性かしら」
「本当に邪神なの? ヴェルファイルよりも弱いなんて考えられないわ」
「ちょっと待て 我を封印した。爺は、どうした?」
「あなたの後ろで気を失っている。水龍のこと」
ブリキのおもちゃみたいに ガタガタ音が鳴るみたいに 後ろを振り向くと水面下に浮かんでいる。水龍を見るのであった。途端に青い顔になると
「もしかして 貴様等が倒したのか?」
「気を失っているだけよ。逃げるなら今の内でしょう」
「我は、邪神だぞ! この世界の崩壊と混沌を司っている。神だぞ!」
「好きにしていいわよ」
「もし 私達の村に攻めてくれば容赦無く、消し飛ばしてやるわ」
「ちょっと待って お前たちは、ちょっと変だぞ! どうして 我を見ても驚かない。恐怖しない」
「ラムの配下に邪神がいるからよ」
「あれよりも弱い奴に興味が無い」
念話で『わたくしめが説明をいたしましょうか』
『必要が無い。消えろ!』
「貴様、今! 誰と会話をしていた」
「それが何、あなたに関係でもあるの」
「止めておきなさい。ラムの会話の相手なんて あなたでも敵わないわ」
「そんな事を言ったら シズだってそうだろう」
「何なのだ、お前たちのステータスは、おかしいだろう。大体、この世界に聖女なんて存在するのか! それにお前もだ。本当に魔人か、魔王を遥かに超えた存在になっているぞ!
そいつもだけど どうしてこの場に神獣が2匹もいるのだ。おかしいだろう」
『そいつを喰ってもいいか。シズ様』
『ママ、私も食べたい』
「ダメよ、お腹を壊してしまうわ。アスカの野菜で我慢しなさい」
「どうして こいつ等と会話が出来る」
「浄化も済んだから 帰るか!」
「そうですね。今すぐに消えなさい。見逃してあげるわ」
「悪戯目的で私達の村にやってきたら 消すわよ」
ランスロット達が立ち去ろうとすると 水龍が目覚めるのであった。




