第8話 血の契約
突如として乱入して来た者は、魔人2人だった。この世界でも魔人と言われる者達と戦う時は、数百人対1の割合で戦闘を行い、かろうじて勝利を持てるほどに酷い有り様になるのだが この場には、英雄の称号を持つ2人が存在をしており、1人がコフレーク騎士団長、そして もう1人が第3王子にして この場に居合わせていた。テルミーナがこの場に存在をしている。異界の者を仕留める事が許されている者達が 勇者もしくは、英雄のみだった為にランスロットは村人だし、リルターナは、賢者でしかなかった為に倒し切る事が不可能であった
「出かしたぞ、小娘! 変わりに永遠の死を褒美に与えてやる」更にもう1人は、大笑いをしながら周りを見渡して目踏みすると 片方からファイヤーボールが飛んで来て ラムに向かうのであるがリルターナによる。魔力防壁により、ラムにはキズ一つも付けられないでいた
ランスロットの背中の辺りに魔法陣が出来上がると2人への合図と共に 3倍の威力のエアーカッターが飛び、2人の翼の片翼を切りつけてしまい。床の上に落ちて来た時を見計らい、コフレーク騎士団長とテルミーナが動くのであった。床に着地と同時に魔人2人の首を切り裂き、首を刎ねてしまった。
この場にランスロットの姿は無く、扉の処に降りケガをしている彼等の治療を行いながら 魔人達が王宮の間までの道則の最中に城の被害者たちを救うのであった。
扉が壊れているが何も無かったかのように元の場所に戻って来ると
「問題がありません」
「さすがエリザベスの子供だな! 肝が据わっておる。これで一件落着か?」
「それをお決めになるのは、村人の僕でなく 国王様がお決めください」
「これにて一件落着!」
「全てが終わったみたいなので僕とリルは、この辺りで帰らせてもらいます。構いませんね。国王様、そして皆様方! リル、帰ろうか!」
「うん、帰りに屋台で串焼きを買って帰ろう」
“ この2人の存在は何なのですか? 国王様や貴族様方が居られる場所で普通に会話をしており、平然とこの場から出て行こうとする態度がおかしい。そして 私のことを完全に忘れ去られている ”
「あ・あの~ ・・・ 」
「待て ランスロット! どうして彼等に奴隷の首輪が付いている事を知った?」
「鑑定で知りました。本来ならば普通に書かれている場所に グレーで書かれている事から隠蔽工作を行っている物だと確信も持てます、本来の名も言えないと思いまして判断をしたまでです」
「宮廷魔法騎士団からは、その様な証言は聞いておらんぞ」
「その辺りの事は、彼等に聞いて下さい。しかし グレー部分の文字は、古代文字で書かれておりますので もしかしたら 読めなかったのかも知れません。その辺りも了承して寛大な処置をお願いします。彼等もまた国の為に頑張っておりますのでお願いします」
「宮廷魔法騎士団に関しては、鑑定を持つ者に対しては古代文字の勉学を義務付けよう 更なる能力が上がるのであろう。そして この娘から知る限りの情報を取りたいと思っておるのだが如何致せばよろしいか?」
「この場から いつも通りのメンバーにして奴隷の首輪を外して上げればいいだけです。もしもが ありますので」
この場が伯爵家や王族家だけに変わるのであるが ランスロットの父親が残っていると
「貴様も出ていけ、貴様はもう伯爵で無いし、男爵に落としてやっても構わないのだぞ」
「俺もまた ランスロットの父親でして」
「勘当して ランスロットを捨てたのだろうに今更、父親になる積もりか。さっさと出ていけ貴様の顔も見たくないと周りの奴等も同じ気持ちだ。貴様の顔など見たくないから出ていけ」
「この際ですから 国から追放をしてやっても構いませんよ。最低限度の金だけ持ってこの国から帝都に移動をするのもアリかと思います」
何も言い返さないで部屋を出て行くのであった。寂しい姿のまま
ランスロットの母親のエリザベスが二ヤリと笑みを出しただけで この場に存在をしている貴族達が震えだし、国王もまた震えだした。ラムは、何が起きたのか分からないでいた。この世界でも情報を持っている者が1番の出世するのであって国を自由に扱えるのであった。エリザベスによる情報操作まで行われているのかも知れない。が
そんなラムもまた 涙目になりながらランスロットにすがるのであった。私を見捨てないでと言わんばかりに目で訴えてくるのであった。
今更、彼等を引き付けるエサなどと言えないし! どうした物やら ・・・
なんじゃ ランスでも困る事があるのか、面白い物を拝見できたな
「ランス、さっさとその娘と契約を行ってしまって 新鮮な情報を求める」
「この先の話は、僕とリルは聞かない方がいいのかと思いまして 彼女の事は、お母様に任せます」
“ この怖そうな御方がお母様って どう言う事なの? ”
「ランス、もしかして全てを知った上で 俺とコフレーク騎士団長を使ったのか」
「たまたまです。村人の僕に理解が出来ません。ただの偶然です。必然かも知れませんがテルミーナさまが居られるから何の心配もしておりません」
「ランスロットさま、この国の為に成るのであるならば、何でも言って下さい。全力で阻止して見せます」
「それも村人の僕に言わなくて 国王様に言って下さい。言う相手を間違えております」
“ 何なの? このランスロットさまは、どうして 皆様方がこの御方をご存知なのですか。そして 村人って? 何? 私の知る、村人と違うのだけど? ”
「まぁ~良い。またの偶然に期待をしておく」
「いつでも お声を掛けて下さい。全力を持って阻止して見せます」
「ワッハハ~~ ランスよ、人気者だな! どうじゃこの際だから 娘も仲間に入れてもらえないか」
“ はぁ~~何を言っているの? この国王様は、どうして ランスロットさまの処に置きたい訳、意味が分からない? ”
「その辺りも先ほども言いましたがお断りいたします。僕は、リルターナ1人で十分に幸せです」途端にリルターナの全身が赤々となるのであった。その姿にガルムがクスクスと笑うと 自分の父親に対して首に蹴りを入れる場面もあった。その様な行為もまた ラムにとっては、不思議な光景であり この2人の存在自体が普通で無い事を理解することとなるのであった。
この2人の両親って上級貴族であり、昔からの知り合いなのである。この場にいる全ての方々が? なら どうして ランスロットさまが村人なの? それが1番の不思議?
「ラム、僕の称号が領民の下の村人だからだよ。理解ができたかな! 多分、その辺りを考えていなかった」
“ えっ? どうして 私が考えている事が分かってしまうの? 神様みたい? ”
「ラムって 簡単に顔に出るし、態度で出るから対応が解り易いよね。助かるよ」
“ この御方って 全てを“見渡す力”をお持ちなのですね。きっと! なら 私に役目も与えて貰えるのかもしれない “
「ランスロットさま、血の契約に基づいて盾に成り、武器になってみせます。リルターナさまと同様に私も可愛がってもらえませんか。お願いします」
ラムのお願いも聞き逃しており、ランスロットはテルミーナに別の内容を降っていた。
「テルミーナさまは、御存知だと思いますが聞いておきます。今日の試合会場に魔人の存在があった事は、御存知ですよね」
「そんな気配を感じなかったぞ?」
「この王都にも魔人の存在が数名おりますが テルミーナさまのみが知らないだけですか?」
ランスロットの母親のみが理解をしており、他の者達は、境を付かれた顔をするのであった。
「忘れてもらって構いません。ラムの件でしたね。それでは、・・・ 」
「ちょっと待て そんな事よりも魔人の件を先にしてもらえないか。この王都に魔人が要るのか? 何処に存在している?」
「彼等も王都内で仕事をしておりますし、ここにも ラムが魔人です」
ラム自身まで驚くのであった。姿形を隠しておりバレル事も無いものだと思い込んでいたのだ。が
「先ほども言いましたが異界の者との契約となりますと血の契約をする事がいいとも言いましたが お忘れですか?」
皆が思い出していた。ランスロットの言葉を そして理解をするのであった。エリザベスのみが理解をしており、これから世界がどの様に変化をするのかも理解をしていた。そして ギルガイア大国の行き先も理解をするのであった。方向さえ間違えなければ生き残れるのでもある。
「この先は、お母様に任せるで 僕は、これ以上は係わりを持ちたくはありません」
「ランスの知っていること全てを洗いざらいはいてもらおうか」
「その辺りの事を僕の一存では、喋る事が許されておりません。お母様に聞いて下さい」
「聞けないからランスに聞いておる。教えてくれ頼む」
「テルミーナさまは、国を潰す積もりですか?」
「何故、その様な事になる?」
「それが 答えです。“その様な事が起こる”かもしれませんが如何致しますか」
「その時に対応して見せるとも」
「その考え方も間違えでは無いと思いますが 答えに成っておりません。僕の求めている答えと違うと言う事でこの辺りが潮時かと思います。本当に失礼を致します」
「ランス、お前自身が知っている。『 神の降臨 』の本来の目的を話してやれ」
「それならば、血の契約を行ってから ラムから帝国の全貌を教えてもらって お話を致しましょう」