第75話 リルターナの険呑
数年前にランスロットの父親が爵位を担保に金を借りて返済が出来ないままに爵位を奪われて ドット・ライズ本人に奪われてしまっていた。今現在は、ドット・ライズ男爵と名を変えて エリザベス傘下の貴族になっている。
「お久しぶりです。リルターナ嬢! 中で話をいたしませんか。美味しいお茶を用意してあります。それとお茶菓子もあります」
屋敷に入り、部屋に通されると奴隷メイドが震えながら お茶とお茶菓子を出すのであった。そして 数分の後
「お待たせいたしました。これが今年の分です。金貨3000枚、受け取ってもらえませんか」
金貨1000枚が入っている。袋が3袋出されると持ってきた男性の頭が飛ぶのであった。血を吹き出して倒れ込むと
「この男は、犯罪者よね。私の前に良くも出してくれるわね。この際だ、奴隷諸共、殺しまくるか」
突然の出来事に驚くも リルターナの手の中に魔力が集まり出すことが分かると
「ま・待ってください。リルターナ嬢! この者には、奴隷の腕輪をさせておきましたが気に入りませんでしたか」
「私が店に入る前に言ったわよね。奴隷なら首輪を付けろと一々、確認などしないで狩るわよ。せっかく貴族になれたのに 今日で私に狩られてしまいなさい」
リルターナが周りを見渡しただけで 奴隷メイドは震えだしてしまっているし、周りを取り囲んでいる奴隷たちも同じような状態であった。彼等も犯罪奴隷であっても強者には、逆らう事が出来ないのであった。
本来の魔法であったならば、切り裂く程度でもリルターナの魔法は、攻撃型だった為に魔力を練り込んでいるために威力が倍増してしまい。魔獣でも切り裂くのであった。
「私が報告しておくわ。エリザベス様に この商会を潰したと」
そこかしこから 悲鳴めいた声が聞こえてくると
「この死体を処分しろ、それとリルターナ嬢に新しいお茶とお茶菓子をお持ちしろ、今すぐだ」
奴隷たちは、震えながらも死体を片付けて リルターナの前に新しい。お茶とお茶菓子を出すのであった。
「これからは、犯罪奴隷のみに奴隷の首輪を付けさせます。それでよろしいですか」
「それは、あなた方の為よ。もし 森の中でランス達に遭遇した時、役に立つわ。意味は、解っているわね」
ドット・ライズの背中に汗がにじむのであった。
「今後、処置しておきます。後は、何か ありますか?」
「私は帰るわ。お金ならランスに渡しなさい。私は、ランスと別れてしまったの だ・か・ら 」
「その辺りの情報なら私の耳にも入っております。リルターナ嬢にお願いがあります。2体の奴隷を処分してもらいたいのです。さすがに私どもでは、手に負えません。
それと今回の迷惑料で金貨1000枚をお持ち帰りしてください」
血が付いていない袋をリルターナの前に出すのであった。
「奴隷ですって 私にどうしろと」
急に声が小さくなり
「ここで話す事が出来ません。学園が休みの時に屋敷に馬車を回しますので それにお乗りください。案内をいたします。奴隷市にお連れ致します。この王都から然程、遠くない処で行われております。
詳しいお話もそちらで話せると思います」
「なるほど、そんな類か」
リルターナが大きな声を出すと
「この壁を蹴り飛ばして 壁越しに聞いている奴らの顔を拝んでみるか」と 言い出すと
両サイドがバタバタと音と共に リルターナの部屋にやってくると リルターナに対して平伏すると
「今聞いたことを忘れろ、意味は言わなくてもいいよな」
コクコクと頭を上下すると部屋を出ていくのであった。
週末、学園が休みになると朝方1台の馬車がリルターナの屋敷に前に止まり ドット・ライズ本人が迎えに来るのであった。
「どちら様ですか」
「ドット・ライズ男爵と申します。リルターナ嬢を迎えに参りました」
「少し出かけてくるわ。夕方までには帰る予定よ」
貴族の女性らしくドレス姿で現れるとドット・ライズが見惚れてしまうのであった。
「何をしているの行くわよ」
2時間ほどで到着をするのだがその間、リルターナは一言もしゃべる事も無く読書をしていた。ドット・ライズ本人も違和感を覚えるのであった。別人の女性が目の前にいるのだから そして
「歩きましょうか。面白そうだし」
「なるべく犯罪者を殺さないでください。彼等も仕事をしております。ここでは」
「分かったわ。彼等が襲ってきたら容赦なく殺すわよ」
リルターナが馬車から降りると多くの男性たちが集まってくると貴族の女性だと分かるとその場で持ち帰ろうとする者が現れるも木まで吹き飛ばされるのであった。
「息が臭いわ。近寄らないでもらえるかしら」
いつもの服装と違うがリルターナ本人と分かると近寄ってくる奴らが減るのであった。そんな中にも馬鹿な奴がいるもので 両手両足に魔力弾を受けて倒れ込むと
「私のスカートの中を覗いたら1人目になりなさい。何か、用でもあるのかしら」
殺気を駄々洩れにして 大きな男性の上に乗るのであった。
「貴様を殺せば、兄弟たちの弔いだ」
「それでどうするのかしら このような状態で! それとも この場にいるすべての人々を殺しまくってもいいと思う」
「それは ・・・ 」
「今回は、願いを聞き入れたから来ているけど 本来であるならば皆殺しよ。この場諸共、爆炎魔法1発で終わりよ」
殺気から威圧に変わると周りの犯罪者に一般人までもが震えが止まらなくなっていた。
「リルターナ嬢、先を急ぎましょう。この者の処分は、我々が行っておきます」
遊び心で
「それとも私のスカートの中でも覗いてみる」と 言ってみた途端に目をつぶるのであった。野次馬達まで反対方向を見てしまい身体ごと反転していた。
「残念、せっかく殺しまくれると思ったのに」
「リルターナ嬢、あなた様は人を殺す事に抵抗が無いのですか」
「ゴブリンと同様で湧いてくるでしょう。魔物と同じよ。それとも違うのかしら」
幼少期から人さらいに会って来ている事を思い出すのであった。彼女もその1人だと けど! リルターナの場合は違う。ランスロットに人が殺される姿を見させられてきたので当たり前だと思うのであった。特に犯罪者に対しては、殺しても構わないものだと教わってきていた。
その為、鑑定のレベルも上がって森でも街中でも平気で犯罪者を殺すようになっていた。
その後は、リルターナの周りに人が寄り付かなくなると平然と歩くのであった。大きな奴隷商の前まで来ると首輪をアピールしてくる者が多く見られた。が! 気に病むことも無く、そのまま進むと個室に案内をされるのであった。その場に2人の奴隷が待っており、裸で立たされていた。
1人目がエルフ国の皇女、もう1人が龍神族の皇女であった。
「国際問題になっても私には、関係が無い事だ。無駄足だったな!」
「彼女たちを貴族に売った場合はどうなりますか」
「そんな事は、私が知った事でない。次からは、奴隷諸共殺しまくってやるだけだ」
「それでは、我々の商売に影響が出てしまいます。その辺りの事も含めてランスロットさまにお願いが出来ませんか」
「フィンの街付近に滞在しているから 会いに行けばいいだろう。会う事が出来るのであればな」
「それが無理な事は、承知の筈。我々みたいな一般人が入ることが許されておりません」
今現在は、更に増えてしまっていた。ワイルドウルフにシャドウウルフが群れでランスロットの農園を取り囲んでおり、何人たりとも侵入が出来なくなってしまっていた。更にミルクやランもいる者だから警戒態勢が万端で 誰も知らなかったが黒龍に白龍、そして多くの神獣たちの住処にまでなってしまっていた。
黒龍の女たちが子供を連れて農園に住み着いてしまっていたのだ。近くの山々には、多くのドラゴンたちまで住み着く羽目になってしまっていた。その為に被害も多いいが 聖女様が住んでいる場所だと思うとフィンの街には、多くの観光客が集まるのであった。
「それで私にランスを説得しろとでも言うのか」
「その通りにございます。お願いできませんか」
「無理だな! 諦めろ! 私自身が殺されるわ。彼等に」
「噓を言わないでください。リルターナ嬢ほどの方なら大丈夫だと思いまして」
「私から魔力が無くなれば、普通の人よりも強くてもランスの処まで辿り着けない」
「またまた 御冗談を」
「お前たちは知らないからそんな事が言えるが ランスを怒らせたら私など一溜りも無く消し飛ぶぞ。ランスが温厚でも 取り巻く連中は別物のだ。ランスの意思をひきついて容赦ない。
それでなくてもランス達が行っている。農園からは、異様な気配を感じる。私でもあの中に入りたいと思わない」
「本当の事なのですか?」
「そんなくだらない、話をする為に私を呼んだのか。私は、帰らせてもらう」
「エリザベスからの御要望で この2人をリルターナ嬢に任せろと言われまして ここまでお連れしたまでです」
「女帝が私にどうしろと言うのよ。国に送り届けろとでも言っているの」
「その辺りの事は、私にも分かりかねます。引き受けてもらえませんか」
2人を見渡すと
「無理ね。普通過ぎるわ。足手まといよ」
「彼女たちは、・・・ 」
「言わなくても解るわ。鑑定で確認済よ。貴族の護衛にでもなるし、性奴隷として売ってしまいなさい。高く売れるでしょう。彼女たちなら十分の筈」
「それでは、エリザベスさまに何て言えばよろしいのですか」
「貴族が買ったとでも言っておけば、それであなたが殺されても私は、構わなくてよ」
“ この方は、本当に面倒だ。自分本位な考え方だから我々の意思を聞こうとしない。どうしたものやら ”
そんな時、扉の外が騒ぎ出すと突然に扉が開き、男達が雪崩れ込んできた。奴隷商人達がリルターナがここにいる事を聞きつけて来るのであった。
「これは、どう言う了見でしょう。どうなっているのかしら」
「おい! こいつらを今すぐにつまみ出せ、誰1人も入れさす出ない」
「お願いします。リルターナさまの旦那さまに言って奴隷商人まで殺さないでもらいたい」
「お願いします。我々を導いてください。助けてもらえませんか」
「リルターナさま、助けてください。このままでは、生活に支障が出てきます」
「先程も言いましたが無理よ。あなた方が行ってきた事に私が言える事はないわ。私も被害者なの」
「それでは、我々にどうしろと?」
「私には、関係が無い事よ。馬鹿な貴族にでも泣きつきなさい。何とかしてくれるわ」
「彼等は、金の無心だ。幾らでも要求してきて何もしてくれない」
「何を当たり前の事を言っているの 国が動かない限り、君たちに未来など訪れる訳がないでしょう。奴隷商人は、合法でも この場所は、非合法なのだから諦めるしかないわね。但し、この場所を合法になれれば、国も認める事となるはずよ」
“ 成るはずも無いけど ”
「リルターナさまが我々に協力してもらえませんか」
「それも無理よ。私もあなた方の敵よ。私も容赦なく殺すわ」
そんな中、1人の男性が殺意を放つと
「辞めておきなさい。その感情は、この場に相応しくないわ。それとも皆殺しをプレゼントしてもらいたいのかしら」
リルターナの目を見た途端に殺意が吹き飛び、全身が震えだすのであった。
「1週間の猶予を与えます。それまでに場所を変える事を進めるわ」




