第42話 森の散策
その後、盗賊や殺人などを犯してしまっている奴隷に対しては、そのまま奴隷のままでいたのであったが それ以外の健全な奴隷に対しては、シズの魔法で奴隷の首輪を外されていた。本来なら掛けた本人以外に外す事が出来ないものなのに そこは、やはり聖女様の力で難無く外す事ができ、キズまで癒されるのであった。
彼等が滅んでから4日目の朝を迎えていた。その頃には、周りに集まっていた。ワイルドウルフやシャドーウルフ達の姿も消えており
「ソロソロ逃げ出そうか。子供の僕達には、関係が無い事だし」
「潮時だと思います。フォンフォードの街と王都からも進軍が来ていると思いますので 違うルートで帰られた方がいいかと思います」
「学園に到着が遅れるけど 折角、チロロと知り合えたから 巨人族の国も見てみたくない」
「それに関してなら賛成です。彼等と戦闘訓練をしてみたいです」
「私も 私も ジャイアントロードと戦ってみたい」
「アスカの言う通りよね。いいわねぇ~切り裂いてもシズがいるから 生き返るものねぇ~」
「久し振りに本気の戦闘も楽しめるかもしれません」
「そうだね。大人の方の胸を借りて 訓練ができる処は歓迎だな! 僕は、みんなを応援しているから」
「あの~無理だと思います。我々が勝てないのであれば、誰1人としてあなた方に挑む者などおりません」
「私達もそれなりに 国では、強い方なのです」
「大丈夫じゃ~ないのジャイアントロードにもなると剣も通さないと言うくらいだし、僕達の武器程度なら問題が無いでしょう。子供の武器だし」
「そうですよね。子供の武器でした」
「私は杖だし」
「私もハンマーだから 問題がないよね」
「私達もムチですので問題が無いです」
「任せて下さい。旦那さまを振り向かせてみせます」
ローザとオルガのお尻を触りながら 腰からお腹に手を回してクルクル回すと
「もっと がんばれるよね。ローザ、オルガ」と 囁くと2人の腰がフルフルと震わせながら崩れ落ちてしまった。
「旦那さま、私達をイジメる事は嬉しいのですが その様なイジメだけは、お辞めください。身体が勝手に反応してしまいます」
「もっと 過激にイジメてください。私達に」
「考慮しておく」
「アスカ辞めて 旦那さまに触られて身体の反応がいいのよ」
「シズも辞めて 私もローザと同様で か・身体がぁ~」と 言いながらも大量の水を出して気を失うのであった。笑顔のまま
「処で 本当にこの街に住む予定なの? ランス」
「この街と言うか、近くに住む予定だよ。さすがに街の近くで野菜を育てる事は出来ないと思うし」
「そうよねぇ~私達が育てる野菜って 異常ですものねぇ~」
「まぁ~来年の春頃から 畑作りを再開するでいいかな!」
「どうして 今年から始めないのですか?」
「土作りからはじまるから それだけでも1ヵ月以上使うと思うし それにもうじき秋が来て冬になるからやるだけ無駄になってしまうだろう」
「そんな事よりも ランス! 私達の家では、この人数が入れないわよ」
「そうでした。3人で生活を送るだけでも狭かったのに」
「それに関してなら シズに魔力を借りて部屋の創りを返るから問題がないと思う」
「ミルクもいるのよ」
「1人1部屋で人数分作るだけでしょう。問題がないと思う」
「ちょっと待って下さい。そんなに部屋の数は要らないと思います。寝室も1つで構いませんし、着替え部屋もランスロットさまと同じで構いません。寧ろ毎日見ているから問題がないと思うのですが 浴室だけは、少し大きめにしてもらわないとイケないかと」
「僕、個人にとっては 1人で寝て見たいのだけど」
「無理です」
「私は、ランスの嫁だから無理」
「私も無理」
「神が認めております」
「私だけは、旦那さまの股間で寝たいです」
「私も股間で構いません」
“ はぁ~ コイツ等、本気で言っている。俺は、1人で寝たい物だな ”
そんな人騒がせな場面もありながらも 昼過ぎには、街を出て行ってしまっていた。当然、街の人々に見つかる事も無く、すんなりと街の外に出るのであった。そして 森の中を移動するのであった。
「良かったのかしら 勝手に出て来てしまって」
「子供の僕達に命令をされるよりも 大人同士で解決した方がいいと思うよ。それに夕方には、フォンフォードの街からの進軍も到着すると思うし」
「明日の昼頃には、王都からも進軍が到着すると思います」
「そうよね。子供の私達が考えても仕方が無いものね」
「そう言うこと 大人達に任せれば勝手にいい方向に進めてくれると思う」
「アスカ、私達は何も考えなくていいから 楽が出来るわね」
「そうですね。シズ! けど 本当に勝手に出て来てしまって良かったのでしょうか?」
「問題が無いでしょう。街の周りには、生き物の存在が無いから安全だと思います」
「アスカおねぇちゃん、森が静かすぎる。怖い」
「チロロも私達と合流するまでに感知魔法か、サーチ魔法位は、覚えるように」
「それと勉強もするように!」
「勉強だけは、苦手だな! 旦那さまやリルさま達が羨ましいです。頭がイイから」
「ランスは、奇才だけど! リルは、そうでも無かったみたいよ。毎日3時間も睡眠を取っていたみたいだし、寝る間も惜しんで勉強と訓練と教養を覚えたと言っていたわ。ランスに恥を欠かせない為に」
「旦那さまの奇才って 何?」
「ランスは、見た物、聞いた事 全てを覚えてしまうらしいのよ。本などなら3分で見るだけで覚えると言っていたわ、それに1時間程度の睡眠を取っていると言っていたけど その間は、頭の中の整理に使っているから殆ど寝ていなかったと思うわよ。彼みたいな人の事を天才肌とも言うわね。
一般の人から見たら奇才などと簡単な言葉にしてしまう人もいるけど 彼もまた十分に努力をしていると思うわよ」
「それなら アスカおねぇちゃんやシズさまも勉強をしたの?」
「私の場合は、内緒だけど魔王になった時に 全ての理が頭の中に入ってきたわね」
「私も神様に この世界の理を教わったわ」
「ふぇ? アスカおねぇちゃんって 魔王様なの?」
「内緒にしてね。それも家族だけの秘密だから」
「問題がないわ。今すぐに記憶を消して上げる」
チロロ達3人に対して 魔王様と言う言葉が消え去っていた。その部分のみが空白になるのであった。
「ありがとう。シズ!」
「軽はずみな行動や暴言は辞めてよね。アスカ!」
「気を付けるようにする」
「何を話していたのかしら?」
「そう言えば、チロロの国って 何処にあるの?」
「私には、分からないからカグラに聞いて?」
「山を3つ程、超えた辺りに見えてくると思います。我々は、森と共に生活を送る部族です。途中でオーガの里を通りますが 何も心配する必要が無いので安心して下さい。我々が一緒なら彼等も襲ってくる事は、致しません」
「何? 何? カグラとミカゲがいないと襲ってくるの 楽しくなりそう。そう思うでしょう。リル、ラム!」
「オーガと言えば、戦闘民族の筈! それは、十分に楽しめます」
「シズがいるから 安心よね」
「ランスロットさま、彼女達を止めてください。大惨事になってしまいます」
「大丈夫ですよ。僕達が負けて誤れば済む事です。それに子供が相手で本気になると思いますか」
「ですが 彼等は、子供でも容赦なく殺します」
「その時は、僕とシズが結界を張ってリル達を守りますから問題がないと思います」
「カグラ、その前に彼等がリルさま達 相手に立っていられると思うの」
「私達程度で1分と持たないのに 彼等に勝ち目が有る訳がないのか!」
「私達は、リルさま達が出る前にオーガの里に行き、彼等を止めるべきだ」
「そんなにも戦闘がダメだというのであれば、私達は 体術だけならいいのかしら」
「無理です。リルさまの体格では、オーガに殺されてしまいます」
「最近、少し脂肪が付いて来ているのよね」
「体術のみですか。それも面白いですよね」
「私は、その方が面白い」
「それなら僕にも参加させてよ。僕の実力も知りたいな!」
「ランスは、ダメ! 相手がいなくなっちゃう」
「リルの言う通りです。私達の相手がいなくなります」
「旦那さまって そんなにも強いの 体術が?」
「強いので無くて 早過ぎるのよ、行動が!」
「ランスロットさまだけ 思考回路が早過ぎるのです。私達の100倍の速さで行うから付いて行くことが無理」
「そんなに興味があるのであれば、アスカがランスと対戦してみていかが 分かるから」
「その方がいいわね。せっかく森の中でなら アスカにも勝機があるかも知れませんよ」
「シズ、アスカに身体強化×10を付けて」
「そんなにもしてしまったら ランスがケガをしてしまうわよ。心配だわ」
「違うわよ。アスカの身を守る為よ。私達でもランスロットさまと訓練する際には、身体を守る為だけに身体強化×10を付与してもらうわ。それでも その速さに付いて行けないのよ。私達でも」
「ランスからすれば、私達の戦闘など遊びにしか見えていないのよ。だから 余裕を持って見ていられるの」
“ そう言えば私が この世界に来た時にティラミス神様と誰かが話をしていた記憶があると思う。もしかして あなたなの ランス? ”
『違うわよ。私が話をしていたのは、この世界の創造神様、私達の親よ』
『なら ランスの強さって 何なのですか?』
『彼の思考が普通の人よりも早いだけよ。それだけ 5年間もの間、思考の整理だけをしていれば十分に早くなるって物よ。私にでも無理よ。そんな事をしたくもないわ』
『私にも出来るようになりますか』
『出来るわよ。誰にでも出来るようになるけど大抵の人は、その前に死んでしまうわ。もし 生き残れば彼みたいな存在になるだけ、シズも出来るけど1つ間違えれば、確実に“ 死 ”が待っているわ。
それでもやりたいのであるならば、お勧めしないわ』
『もしかして ランスって頭の思考と身体の反応が悪いの?』
『その為に昔から 彼は、どんな時でも努力をしつづけているわよ。神界でも有名な事よ。彼の名は神々も知っていても彼に加護を付ける物は、誰1人としていないわ。
彼が農民を目指している限り、彼には必要が無いからよ』
『なら 農民を目指さないで他の職業をするのであるならば、ランスも勇者に成れるのですか』
『彼が望むのであるならば、可能でしょう』
『それならば、ランスを説得してでも勇者にしてみます』
『無理よ。諦めなさい。それが真理であっても無理』もう 聞いていないわね。若さっていいわね。頑張りなさい。
「シズ、どうしたの大丈夫! 何か、言って?」
「シズ、気を失わないで 何があったのアスカ? 一緒にいたのでしょう。何が起きたの?」
「分からないわ。突然、止まってしまって 何も言わない内にフラフラしはじめて 急に倒れたのよ」
「ミルク、何か 分からない」
『済まん。神界の扉が開いたのだと思う。我々神獣でも神界の神達と会話を許されていないのだ。多分、命の別状はないと思いたい』
「そんなに簡単に神様と会話など出来る物なの?」
『普通の人間には無理だ、シズは聖女様なだけに可能なのだろう。我々神獣には理解不能だ』
「ランス、シズは大丈夫だよね」
「もう少し歩くと湖があるから 今日は、湖畔で野営をしよう。問題がない。息はしているから死ぬ事は無い」
「ランスが言うのであれば問題がないわね」
「シズは、僕が抱きかかえて湖畔まで連れて行くよ」
「どうして 旦那さまが言えば、問題がないの? アスカおねぇちゃん?」
「私にも良くは分からないのだけど 薬師だからでしょう。人間の創りも分かるみたいよ」
シズが急に倒れてしまって みんなして不安に陥るのであった。




