第38話 嘘だった
その後、2軒目に移動をする際に 数名の兵士が訪れてランスロットを拉致っていった。その光景もまた見慣れてしまい何も言う事が無くなっていた。
「いいのか? お前達の旦那が連れていかれたぞ! 兵士達に」
「問題がありません。ランスロットさまの仕事だと思って下さい」
「いいの! 多分、お父様に呼び出されたのよ。私に教えるよりもランスに教えた方が 利益が伸びると確信しているのだと思う」
「ちょっと待ってくれ 君達は、まだ 子供だろう。遊びたい盛りだろうに」
「ランスロットさまは、奇才の持ち主です」
「ランスは、見た物の全てを把握が出来てしまい。答えを導きだせてしまうのよ。私達が3日もかけて覚えた事が ランスに係れば、一瞬で回答を出していたわ。
あれで私達と同年齢の13歳だと信じられる。カグラさん、ミカゲさん」
“ 私が13歳の時なの遊んでいたぞ ”
“ 私は、確か! 何をしていたかなぁ~ ”
「私達に街の経営など無理、ランスに任せておけば問題が無いわ」
「君達は、ギルガイア大国の王都の学生だろう。宿題は無いのか?」
「私達、伯爵以上は 学園に入る前に学園で習う全てを熟しております。ですので 学園生活の5年間で自分自身の針路を考えないといけません。
ですが 私は、ランスの嫁となって農家の嫁に成る予定です」
「当然、私達もリルとランスロットさまに付いて行きます」
「私もランスに付いて行くから 今から農作業が楽しみで仕方が無いわ」
“ 何なのだ、この規格外な子供達は、チロロ姫もこの中に入れるのか? ”
その間も街を歩くだけで 後ろからゾロゾロと見物人達が付いて来ており、店の前に既に椅子と机が用意されており、花まで飾られていた。
「ランスロットさまは、今日も来られませんか」
「ランスも忙しいから」
「新作の味見をしてもらいたかったのに残念です」
「味に関してなら 後でランスロットさまに報告をしておきます。問題が無いかと」
「私達が食べるから問題が無いわ。ランスなら笑って答えてくれるし」
「私は、シズ考案の“ おはぎ ”が食べたい。それも大量に」
「まだ 食べるのか? さっきの店でも大量に食べていたよな 君達は」
“ 本当にどうなっているのだ、この子達の胃袋は? ”
「そうそう、言い忘れておりましたが明日は、狩りに行く積もりですが同行しますか?」
「明日は、冒険者の方々の姿が消えますので存分に暴れても問題がありません」
「私とシズがチロロと遊んでいるから心配しないで」
「明日は、ランスがいないから存分に暴れられるしね」
「程々にしないとランスロットさまに嫌われてしまいますよ。リルターナさま」
「地形を変化させなかったら問題が無いのでしょう」
「そうですが くれぐれも頼みます」
“ 何を言っているの この子達は、どうやったら地形が変わると言うの? ”
その後も もう1軒の店にも立ち寄り、屋敷に戻るのであった。その間も後ろから見物人達がゾロゾロと付いてきたり、道の両脇にも人だかりに成っており、屋敷の前まで続くのであった。
「これも聖女様の力なのか?」
「多分、リルとラム、それにランス達が この街に来る前にゴブリンによる。スタンビート鎮圧したせいも入っていると思うわ。その際に帝国の転生者も数名捕まえて 未だに尋問の最中だと思う」
「彼等も可哀そう。リルやラムと戦闘をしなければ捕まる事も無かったのに」
「無理ね。ランスが一緒にいたから逃げられる訳がないわ」
「どうして 彼がいるだけで戦闘が変わるという」
「ランスは、魔法を精通しているから どんな時でも ・・・ 」
「シズ、いいわよ。しゃべらなくて! 余り知られたくないわ。この場所では」
未だに街を歩いている最中であった。
「ありがとう。ラム、教えてくれて」
「済まん、場所を弁えず!」
「問題がありません。私達の旦那さまが凄い事だけを覚えていて下さ
れば」
「「「「「「 うん! うん! 」」」」」」
屋敷に戻るとランスロットが皆を出迎えるのであった。自分の家のように執事とメイドまで後ろに控えていた。
“ 何なのだ? この少年は、この屋敷の持ち主と言っても信じてしまうぞ! 本当に村人なのか? ”
「皆に報告がある。明日の戦闘は中止して フィンの街経由で王都に戻ろうと思うのだがどうだろう。その際にチロロとは、そこでお別れになるがな」
「えぇ~~せっかく、明日の戦闘が楽しみにしていたのに」
「それは、構わない。戦闘がしたいのであれば、行ってくれてもいいよ。僕は、フィンの街に行く予定だし」
「何か、予定がおありですか?」
「視察と観察、それと僕達の農地の確認かな」
「何かがあるのですか?その街に?」
「ここ数年、異常な程に景気が悪いみたいなので確認をしておきたい。それと ・・・ いいよ! 気にしないでくれ」
「問題がありません。私は、ランスロットさまの奴隷ですから 何なりと言って下さい」
「この前から気になっていたけど ラムは、僕の奴隷で無いからね」
「ですが 皆様方の前で私の魂とやらを取り出して契約を施しましたが」
「あれは、普通の光魔法で誤魔化しただけだし、魔法陣に関してなら契約魔法陣だったけど 普通に発動させただけだから何の権限もないから気にしないで」
リルターナとラムの頭の中が白くなったのは、言うまでもない。国王や貴族達が集まっている場所で 堂々と嘘を付いて魔法陣まで展開させてしまうなど誰が思うのであろう。
「あ・あの場所には、国王様や多くの貴族様方がお集まりでしたよね」
「ただの子供の遊びだと思ってよ。それにラムには、言ったと思うけど“ これからは、自由にしていいよって ” 覚えている」
「そのあと、ランスロットさまが死なない限り、私も死ねないとも言いましたが」
「そんな場面が訪れると思う。普通に! それにラムの魔力量なら死ぬ事も無いでしょう。魔道王のスキルを持っているのだから 全ての魔法を扱えるでしょう。いまなら」
「ですが あの時の ・・・ 」
「あれも嘘だから 信じちゃダメだよ」
「私に少しの時間を下さい。考えさせてください」
「何を死んだ目をしているの ラム! 良かったじゃない。これで晴れてランスの嫁に相応しいわ」と 言いながらラムの背中を叩くと シズも続き、アスカ、ローザ、オルガと続くと ミルクが自分の顎で ラムの頭に打撃を与えるのであった。
「そうでした。ランスロットさまにとっては、当たり前の出来事なのでした。けど 普通はしませんよ。それも国王様の前で」
「僕の武器が色々と教えてくれるのです」
“ それも嘘だけど! ”
「信じちゃダメよ。きっと それも嘘だから」
「それならば、これからは リルターナさまで無く、リルと呼ぶ事にしましょう」
「それでこそ、私の親愛なる親友よ」
「けど ランスロットさまの顔に泥を塗る事だけは許しません。いいですか、リル!」
「分かっているわよ。私だって!」
「あぁ~~そう言えば、ランスのお腹から血が出ている時も あれも嘘だったよね」
「何を言っているの 今更!」
「そう言えば、そうでした。あの時は、気が動転していて気が付きませんでしたが“ あれも嘘です ”よね」
「昔の事です。忘れて下さい」
「何を言っているのよ。去年の事じゃない」
「落ち着いてリル、私達のランスロットさまよ。当たり前でしょう」
「だって 悔しいでしょう。私達の先を見ているのよ。ランスは!」
「それが私達の旦那さまです」
「今日は、これから存分に甘えてやるから覚悟してよね」
“ はぁ~~マジかぁ~ ”
「頼むから服だけは着てくれよ」
「問題がありません。眠り魔法で寝かせます」
「ちょっとラム、どうして ランスの味方をする訳」
「私の立ち位置は、これからもランスロットさまのメイドです。当然、裸の付き合いも致します。リルが寝ている間に」
「ちょっとシズにアスカも何か、言いなさいよ」
「リル、弁えろって言っているのよ。ラムが」
「そうそう、シズが正解」
「あなた達2人は、あの時、あの場所にいなかったから言えるのよ。どれだけ寂しかった事か分からないでしょうに」
リルターナの頭を擦りながら ランスロットが
「お風呂に入って ゆっくりとしようか!」と肩に手を回して歩きだすと静かになり、ランスロットにしがみ付くのであった。リルターナが その様な光景も今更であった
“ 良かった。これで皆と肩を並べられるわ ”
翌朝になり、屋敷の前に集まるとランスロット達は、普段着で カグラとミカヅキは、武装しており大きな剣を背中に背負っていた。
「ちょ・ちょっと待て その姿のまま“ フィンの街 ”に行くのか?」
「そうですよ。可笑しいですか?」
「王都から来た時と変わらないわよ。私達は!」
「せめて革鎧を着た方がいいだろう」
「問題がありません。私達は、魔法を使いますので身体が汚れる事もありません」
ガルムとリリスが屋敷の玄関にやって来た。ガルムは、リルターナの父親であり、フォンフォードの街の領主である。リリスは、母親である。貴族でありながら 他に奥方を持たない事でも有名な事でもあった。
「本当に行ってしまうのだな! 来年も待っているからな! ランスよ!」
「来年からは、1日で来れます。問題がありません。ラムがマーキングしてくれたので ここまで転移で来れます」
「ちょっと待ってくれ ラムちゃんは、転移魔法も使えるのか?」
「時間短縮が可能です」
「はぁ~~今更だが ランスの嫁達は、凄いよな!」
「そうよね。シズさまは、聖女様だし アスカちゃんは、いるだけで
癒されるし 本当に羨ましぃ~わ」
「それも旦那さまのお陰です」
「ランスじゃ~ないと無理ね」
「当然です。私達の旦那さまですから」
「本当にその姿で街を出させてもいいのですか、領主様」
「カグラさん達が同行してくれるし アスカちゃんがいるから問題が無いと思う」
「どうして アスカおねぇちゃんなの?」
「私がこの中で1番弱いからよ。そ・れ・だ・け・!」
「そんな事は無いわ。これだけは、断言してあげる。戦闘になったら絶対にアスカの近くに近づかない事よ。簡単に死んでしまうわ。それが私達でもよ」
「チロロも戦闘になったら アスカから逃げなさいよ。巻き込まれてしまうから」
「ちょっとだけ大きいだけでしょう。私の武器が」
「アスカおねぇちゃんの武器って いつも腰にぶら下げている。これでしょう」小さなハンマーの事を指している。
「はぁ~~ここにもいたわぁ~見た目で騙されている奴が!」
「もしかして カグラさんやミカゲさんも チロロと同じ様に思っていたの?」
「違うのですか? ラム」
「私もこんな武器を見た事が無いから いいのか心配でもあった」
「はぁ~~アスカ、本来の姿に戻してやって それと本来の重さと大きさは、10分の1にしてよ。街の人々が驚くからいいわね。頼むわよ」
「分かっているわよ。私とリルを一緒にしないで 少し離れるわ」
アスカが皆から10メートルほど離れると
「アスカおねぇちゃん、そんなに離れてしまうと武器が見えないよ」と チロロが近づこうとするとラムに止められていた。
「チロロ、止まってアスカの武器に押し潰されるわよ」
「えっ?」って 言いながらラムの方に振り向くと アスカが自分の武器に魔力を浸透させただけで 本来の大きさと重さが10分の1で地面にめり込んでいた。それを片手でもちあげて肩に担ぐと
「これが私の武器よ。本来は、もう少し大きいけどいいかな!」
「私とシズは、杖よ」と 言いながら白い杖を取り出した。
「私とランスロットさまは、剣を所有しているわ。滅多に出さないけど」
「それなのですが 私とオルガの武器が崩壊してしまいました。少し魔力を与えただけで 出来ましたら新しい武器を買ってもらえませんか」
「もしかして もう 見つけてあるの 武器を!」
「はい、探し求めて見つけました」
「街を出る際に買ってもらえませんか。私達2人にとっては、最高の武器です」
「お幾らかしら?」
「多分、金貨数枚かと思います。スキルを使っていいのであるならば、タダで手に入ります」
「シズさまを連れて行くような店では、ありませんがいいでしょうか」
「もしかして あなた達関連の店ってこと」
「そうなのよ。ラム! 私達にぴったりの武器を見つけたの それに店の雰囲気も最適なの」
「それならば、スキルを使って安くしなさい」
「なら 問題が無いわ、タダにしてみせます。その店なら私達に逆らえないから問題が無くてよ」
“ 何、この2人の殺意は、普通と違うわよ ”
「そういえば、ランスが1番出さないよね。自分の武器を」
「僕の武器が1番、禍々しいからね」
「禍々しいって どう言う事?」
「1番、恐ろしいって事よ。見ただけで震えるわよ」
「旦那さんの武器は、恐いです」
「そうかなぁ~魔力を与えてやると喜んで食べ尽すのに」
「チロロちゃん、ランスの武器だけは 見ない方がいいぞ! 俺でも恐ろしいと思うからな」
「この前、初めて拝見させてもらったけど 私も腰を抜かして立ち上がれなかったわ。本当の事よ」
「なら 私にも見せてよ。旦那さま!」
「ランスロットさま、魔力だけは与えないでやって下さい。ここにいる者、全てが気を失うかもしれません」
「そんな事は無いと思うよ。たかが武器に!」
ランスロットの嫁達が全員一致で否定している。
「そんな事が本当にあるものなのか、ミカゲ?」
「私もそんな事を聞く事自体、初めての事だから分からないが 嫁達が言っている事は、多分 本当の事なのだろう」
“ そうなのかぁ~ 信じられないなぁ~ ”
ランスロットが自分自身のアイテムボックスから柄の部分を出しただけで 嫁達が生唾を飲み込むと嫁以外人達の下半身が震えだしていた。
「どうしたのだろう。私の下半身が震えている」
「チロロ姫、私達も同様です。ランスロットさまの武器が恐ろしいのです」
「まだ 柄しか見ていないにも関わらず」
“ 本当の事だった。見たくない、そんな武器など ”と 2人は、思うのであった。その反面、チロロは、興味津々で期待に溢れていた。




