第31話 孤児院で
リルターナ達のお腹も膨らみ、夜も遅くなって来た物だから屋敷に戻ろうと言う事になり、街中を歩いているだけなのに多くの領民たちに見られながら 家路に向かうのであった。
「おいっ! い・今、可愛い女の子が通ったぞ!」
「また トーヤの可愛い子、探しが始まったよ」
「違うって 今、男が1人に対して女が4人もいたのだぞ。不公平だろう」
「きっと 貴族様なのよ。それじゃ~なきゃ! 商人のボンボンよ」
「私達みたいな冒険者など 相手にもされないわよ」
「あの中に確か、俺達のケガを一瞬で治してしまった人がいたと思ったんだよね」
「ちょ・ちょっと待ってよ。それなら話が別よ。その彼女は?」
「そうよ。お礼ぐらいは 言いたいわ」
「お嬢様に話し掛けると領民に袋叩きに合うぞ! やっと 念願かなって婚約が出来たのだから」
「へぇ~貴族の御姫様でも 婚約が中々出来ない人もいるものなのだね」
「何でも4年もの間、音信不通だったみたいだぞ!」
「へっ! なら どうやって見つけたの おじさん!」
「何でも学園で見つけて 婚約まで行ったみたいだぞ。やっとの思いで」
「どうせ! 称号も英雄や賢者なのでしょう」
「いやっ! 村人だとも聞いている。但し。王都でも有名な奇才とも言われているみたいだ」
「奇才って 天才の上の奇才? ただの変人じゃ~ないの?」
後ろからミヤとアヤの口を塞いだまま喉に剣を向けられて
「あまり大きな声でランスロットさまとリルターナさまの悪口を言っていると頭と胴体を放してやってもいいのだぞ。それと金輪際、王都に近づくなよ。見かけた時には、切り殺すからな! いいな!
おっさんもだ! 軽はずみな事を言えば、同じ様に殺してやる。俺達は、あの方々にお世話になっているから 人を殺す事に何の抵抗も無いからな」
「ここで殺しても問題が無いだろう。周りには、冒険者しかいないのだから」1人の男性がそう言う風に答えると周りの見物客が5人を取り囲むのであった。先程まで ゴブリンの襲撃も彼等が終止符をしてくれた事を知っているので街の治安が保たれており、今も領民の笑顔が戻って来ていた。
王都でもそうだったが ここでもフォンフォードの街でも同じ様に彼等は、遊んでいる積もりでも 彼等にとっては、生死の境を歩いている物だから ランスロット達の存在自体がとても大きかった。何が何でも領民の笑顔を消してはいけないと感じるのであった。
「彼等が貴族だからですか?」
「黒霧に付いて聞いて回ってみろ 色々と分かるぞ。時と場合によっては、その場で殺されても文句を言うなよ」
あれから 3日後に孤児院でランド達と再会を果たすまで 孤児院から1歩も出る事が出来なかったと言う。
「どうした トーヤ! 何を震えている。それも5人揃って」
「そうよ。いつも 騒がしい、ミヤとアヤまで」
「ランドは、黒霧に付いて何か知っているのか?」
「ランス達の事か、いい奴等だぞ!」
「そのランスって人の悪口を言ったら 喉元に剣を突きつけられてしまってな」
「そりゃ~災難だったな! 俺がその場にいたら そのまま切り捨てていたかもしれないぞ。当然、トーヤ達は、その場から盗賊の汚名まで付けられて 森に捨てられていると思う」
「何故だ、ランスとやらが貴族だからか?」
「それもあるが 多くの冒険者の命も助けているし、この街にゴブリンの襲撃もあったと聞いたが」
「前日の戦闘で大ケガをしてしまってな! ライトの回復魔法で何とか生きていた状態だったのだが それが突然に成ってゴブリンの襲撃が止むし、街のあちこちでケガをしている人たちが回復してしまうし どうなっているのか知らないが何故なのか、知っているのか。ランドは?」
「それは、多分! シズさまだ。称号に聖女を持っていてな! ティラミス神の加護まで持っていて会話もできる人だと聞いているぞ。神様と会話が成立するなど有り得ると思うか!
使徒様の女性版みたいなものだと聞いてたな! そのシズさまもランスの嫁候補みたいだな! そんな奴の悪口を言って 良く生き残れたよな! 感心、感心
それで これから どうする積もりだ。ランス達と1度、食事を取ろうと約束をしているから一緒に来るか」
「是非、是非、いかせてくれ。そして 謝る事も許してくれ」
5人が涙を流しながら ランド達を抱きしめるのであった。
翌日になり、孤児院の外が騒がしくなると ランドが外に出て見るとランスロット達がいるのが分かったのだが更に女が増えている事に不満を覚えるのであった。
「ランス、また 女が増えているだろう」
「リルのメイドだ。ラムと同族らしいぃ~! ローザとオルガだ、よろしく頼むよ。貰ってくれてもいいぞ!」
「ローザです。リルターナさまのメイド見習いです。よろしくお願いします。ランド様」
「オルガです。リルターナさまのメイド見習いデス。よろしくお願いします。ランドさま」
“ 滅茶苦茶、胸が大きいけどラムちゃんと同族でなく、アスカちゃんと同族だろう! ”
「ランドさん、今! 私の胸を見てから アスカの胸を見たでしょう」
「そ・そんな事は無いから アスカちゃんの同族かな! なんて 思っていないから」
ランドの溝にラムの溝打ちがハマリ、腹を抱えて苦しみ出していた処に ティラとマーカーが現れて それ以外にも5人連れて来ていた。トーヤ (人族)、ミヤ (猫族)、アヤ (猫族)、ライト (人族)、ドガン (ドワーフ)
「ランス、この子達も今日、一緒でいいよね。私達の孤児院仲間でさぁ~」
「アスカちゃん、武器は どうしたの? ランスに買ってもらったの?」
「リルのお父さんに貰ったのです。使ってもいいよと言われました」
「何て武器なの? 見た感じ鉄の棍棒みたいだけど?」
「パワーウエポンと言うみたいです。今は、形状を変えてあります。さすがに街中では、恐れられてしまって本来の姿に出来ません」
2人の額から 汗が滲み出すと
「もしかして ラムちゃんと同係属なの?」
「違うと思います。私のは、ただ単に重いだけです」
「それって 私達にも持てる重さ?」
「多分、無理かと思います。ラムでも持ち上げる事が出来ませんでした。から」
「そっ! そうなの! 辞めて置くわ。
それで これからどうする。さすがに この大人数で こんなにも早い時間帯からお店など空いていない事だし、少し こずかい稼ぎでもして 食事など どうかな!」
「オーク肉の分量が少し減ってきましたから狩りたいと思っておりました」
「オークもそうですが 鳥系も欲しい処ですね」
「あと 野菜と果物が欲しいです」
「ティア、俺達の事も紹介してくれ! 頼むよ」
「あっ ごめん! トーヤ!」
「ランス、ちょっといいかな!」
「何ですか。ティアさん」
“ 相変わらず、2人の女に挟まれているな! コイツだけは! ”
「ゴブリンスレイダーって 聞いた事ある」
「街で噂になっている方達ですよね。聞いた事があります。何でもSランクに成れるとか成れないとかと聞いておりますが 会った事は、ありません」
「彼等が そのゴブリンスレイダーの面々なのよ。私達が自慢、出来る仲間さ!」
「へぇ~そうなんですか。もっと 強面の方々だと思っておりました」
「しょぼいわね。こんなんで戦闘ができるの?」
「ラム、地が出ているわよ。気を付けなさい。メイドなのでしょう」
「ゴメン、シズ! ツイ、本音が出てしまった」
「これが普通で あなた方がおかしいだけ! 気にしないわ」
「どうも すいません。見下す言い方をしてしまって 彼女達も悪気が合って言っている訳で無いので許してもらえませんか」
「俺達って 君達から見ると そんなに弱く見えたりするの?」
「だって 5人ともレベルが40弱でしょう。体力にしても 魔力にしても戦闘が長引いたらケガでもしそうだし」
「問題が無いわ。私が一緒なら その程度の体力も魔力も回復してあげるから 気にしないで戦闘して頂戴」
「そんな事が言えるのは、シズだけよ。普通は、魔力回復ポーションで回復をする物なのよ」
「だって あんなにも苦い飲み物を飲むよりも私が回復をして上げた方がラクでしょう。苦しまなくていいし」
「かさねがさね、すいません。本当に悪気が合って言っておりませんので」
「君達のレベルって?」
「僕が100オーバーで それ以外は、200を超えております。それ以上は、聞かない方がいいと思います」
「そ・それって本物のSランク冒険者と同じじゃないか?」
「分かったか。トーヤ! ランス達の実力が 彼等が本気で冒険者をやったら俺達は、彼等の援護にも成らないと言う事が それに まだ 13歳の若さだ。俺達が守らないで誰が彼等を守ると言う事かな」
「ねぇ~ラム、私にもランスの隣に立ちたい。お願いだから変わって」
「いつでも言って下されば、いつでも変わりますよ。シズもそうだと思います」
「もしかして そんな事でイジケテいたの リルらしくないじゃない」
「だって ここの処、勉強が忙しくてランスにカマって貰えなくて寂しかったのだもん」
「その辺りに関しましては、私もリルターナさまに付き合っていたと思うのですが それに途中から ローザとオルガも同伴したと思います」
「だって ランスに甘えたかったのだもん! 昼間は、アスカとシズとで遊びに行ってしまうしぃ~」
「そこで 私の名前をだすかな! 私もアスカも リルとラムと遊びたかったけど執事の人とどっかに行ってしまって 仕方が無く、ランスと3人で街の見物に行っていたのに それを ・・・ 」
「まぁ~ まぁ~ いいじゃないですか。今日は、存分に遊びましょう。リルもだよ」
「だいじょうぶ、今日は 存分に暴れたい気分だし」
「それに関しては、私も同意見です。少し 溜まってしまいました」
「暴れるのでしたら 我々にも参加をさせて下さい」
「存分に暴れたいです」
「頼むから 地形を変える事だけはしないでくれな!」
ランスの言葉に“ ビクッ ”と 反応するのであった。




