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第30話  大福


「ねぇ~ねぇ~リル、街を案内してよ」


「私、街の中に入る事が初めて」


「この世界の街並みって どうなっているのかしら?」


「くれぐれもランスロットさまとリルターナさまに迷惑を掛けないで下さいよ」


「分かっているわよ。ラム! 分かっていても街の中に入る事も初めてなのよ。この世界に来て」


「分かったのです。ラム! それでも 嬉しさが顔に出てしまいます」と 言いながらもランスロットの左腕に抱きつくのであった。当然のように右腕に抱きつこうとしていたリルターナであったが 先にシズに奪われてしまい。先頭を歩く事となるのであった。アスカは、常にランスロットの後ろを歩くのである。ランスロットに呼ばれる事を期待して



 そんな彼女達であるが 城壁の中に入ると王都では、家々が多く立ち並んでいたのだが フォンフォードの街に入ると畑が多く、その中心部分に街が存在しているだけの存在でしかなかった。そして街に入る為には、もう1度、城壁を越えると街が見えて来ており、家々が引き締め合うかのようにギュウギュウに家が建っていた。


 そして 多くの商人達や領民たちの笑顔が見て取れるのであった。王都ほど、大きな建物が有る訳も無く、それでいて安らぎを感じる場所であった。何故か、懐かしい香りまで漂わせるのでもあった。



「ねぇ~ねぇ~リルの行きつけの店って あるの?」


「こら! シズ、リルターナさまを困らせないの」


「行きつけの店ねぇ~ 2~3件かなぁ~! 良く屋敷に持って来ていた店しか、知らないわよ。


 私も幼少期から 良く食べていたもの! そう言えば、もう何年も食べていないわね。懐かしいなぁ~」



 そんな事を思い出しながら 店に向かうのであった。そして 店の前には、似使わない方々が大勢おり 今にも店を壊そうとしているのであった。


「リルの知っているお店が大変な事になっているみたいよ。リル」


「ちょ・ちょっと行ってくる。みんなは、ここで待っていて」


 リルターナが1人、速足で駆け出すと“ ちょっと通して ”と リルターナが声を発すると最初こそ睨むも リルターナの顔を見ただけで笑顔に成り道を譲るのであった。この街の住人でフォンフォード家の顔を知らない者など1人も存在していなかったのだ。誰しもがフォンフォード家にお世話になっており、情勢も安定していた為に不満が出る事も無く、安心して暮らせる街でもあった。


 その為、リルターナが通りたいと言えば、道を譲ってしまうのであった。



「お嬢様がどうして こんな処にいるのですか」


「どうしたの? 何があったの?」


「実は、お恥ずかしいお話なのですが 先代からの借金が元で店を売り渡す事になりそうなのです」



「これは、これは、フォンフォードのお嬢様、私は金貸しを営んでおります。“ リード ”と言います。お見知りおきを それで この店にお金の回収に何度も来たのですがお金が無いの1点張りでして 此方としましても金利だけでも払ってもらわないと生活ができないのです。分かってもらえませんか。お嬢様」


「それで幾ら貯まって要るの? 親父さんは、元気にしている」


 店の奥から のそのそ出て来る人物がいた。ドワーフだった。


「お嬢、今頃は王都だと聞いていたのですが」


「それで 幾ら借りているの? 親父さん」


「その辺りは、私がお答えいたします。元金、金貨50枚と金利、金貨10枚です。合計金額、金貨60枚になります。お嬢様が払って下さるのであれば、金貨50枚でも構いません」


「おう、おう、おう、金利が金貨10枚だと どんな計算だ、お嬢に払う金が無い事をいい事に勝手言いやがって」


「何と言われましても我々もお金の回収が目的ですので ご勘弁ください」



「ランス!」



「それで金貨50枚でいいのですか」


「坊ちゃんが払ってくれるのですか?」


 ランスロットがアイテムボックス経由で カバンから金貨50枚を取り出して“ リード ”に袋を手渡すと目を丸くしながらも袋から出して かぞえ始めるのであった。そして


「はい! 確かに金貨50枚を受け取りました。それでは、こちらの証文を受け取って下さい。これで私達は、退散させていただきます。今後も御ひいきにお願いします」


 ゾロゾロと男たちが離れて行くと


「面目ねぇ~お嬢に飛んだ処を見せてしまうばかりか、借金まで払わしてしまって」


「何があったの お店だって繁盛していたのでしょう」


「お嬢がいた頃までは、まだ 繁盛していたのですが 先代からの味を守るばかりに変わった事を何もして来なかったのもありまして 同じ味に飽きてしまったのだと思います。その為にお客さんが離れてしまいまして


 この様な状態です」


「それって 私達にも食べさせてもらえます」


「こちらの方々は?」


「この人が私の旦那さまに成ってくれる予定のランスロットで ラム、シズ、アスカ、ランスロットの嫁候補たちです。私の家族達です」


「今から これだけの女性がいると言う事は、貴族様ですか」


「僕は、村人なので欲しい子が入れば、お譲りします。彼女などどうですか。役に立ちますよ。聖女だし」とシズを進めると


「な・何を言いだすの 私が旦那さまと離れる事が出来ない事を知っていて」


「へっ? どうして?」


「私がランスと1週間も離れれば、世界が崩壊するみたいよ」


「良くそんな出鱈目な事が言えるわね。シズが崩壊させるのに」


「嘘は、ダメです。シズ!」


 ラムとアスカに突っ込まれると


「だってぇ~ 旦那さまと離れたく無いものぉ~ だったら リルが2番目になってよぉ~」


「私は、ランスと愛し合っているから無理!」


「まだ キスもしていないのに」


「キスって 何?」


「唇と唇を合わせる事よ」


「それだったら 子供の時に良くやった遊びでしょう。良くランスにおねだりして 唇を合わせたわよ」


 途端に3人の目が怖くなり、ランスロットが後ずさりし始めるとアスカとシズに腕を持たれて逃げ出す事が出来なくなるのであった。

 その後は、店の前で4人とキスをする羽目になったのは、言うまでも無い。4人が笑顔になるも


「坊ちゃん、あんたも大変だな!」と 呟く親父さんであった。



 その後、この店の商品を食べてみるとラムとシズが納得するのであった。


「この味なら納得がいきます。打開策を思いつきません。すいません」


「ランスと親父さん、手伝って! この辺りなら私が色々と教えられるかもしれないわ」


 彼女達が食べたモノは、温泉まんじゅうや それに属した物ばかりを多く口にしていた。その為に口の中に甘さだけが残るのでもあった。


 そして シズも食べた事がなかったが 見て来た物をそのまま ランスと親父さんに伝えると器用に作り出して店の前だと言うのに リルターナがいるだけでも人が集まり出して更に“ おいしいぃ~ ”と 呟くと 周りに集まっている領民たちの喉が鳴るのであった。



「シズ、僕達に何を指せる積もりだい?」


 シズが知っている。アンコ関連の商品を味も含めて説明をしはじめると意味を理解して作業を開始するのであった。シズは、おとなしくその場から立ち去り、リルの元に行き、椅子に座ると1品目のお汁粉が出てくると上には、焼き上がったアツアツのお餅が乗せられており、見た事も無い黄色い物が小皿に乗せられていた。



「旦那さま、この黄色い物は何? 私も知らないわよ?」


「これは、口直しをしてもらう為に添えてみただけ さすがに甘い物ばかりを食べていると飽きるでしょう」


 4人が一舐めすると 塩の辛さで衝撃を受けるもお汁粉を飲むと口の中に甘さが拡がり、小豆独特の香りが充満するのであった。そして 4人から“ おいしいぃ~ ”と 声が漏れ出すのであった。



「俺のは、おはぎと言う物らしい。改良点が色々と在るが先ずは、食べてみてもらえないか。坊ちゃんに習って デーコンを塩付けにしてみた。粒アンとこしあんの2種類を作ったのだが どうだろう?」


 4人は、皿までも舐める勢いで平らげてしまい。またしても最後に口直しを食べると元に戻るも更なる要求の目をするのであった。


「ちょ・ちょっと待ってくれ これ以上は、材料が無い無理だ」


「大丈夫です。親父さん! 先ずは、お茶の葉をフライパンで煎ったやつにお湯を注いで入れてみました。ほうじ茶と言う物らしいです」


 4人に渡して 親父さんにも渡すと目を閉じて味を確かめている間にテーブルの上に乗っている物全てをアイテムボックスに仕舞い込み、新たに別の物をテーブル一杯に色とりどりに盛り付けられた。フルーツまで挟まれている。大福を用意していた。


 そして お茶を堪能して目を開けると目の前には、色とりどりの食べ物らしいものが並べられており、5人の目が光輝くのが分かるのであった。


「どうぞ 召し上がれ」と ランスロットからの言葉を聞く前に既に4人の口の中にフルーツ大福が入るのであった。そして 5人揃って“ おいしいぃ~ ”と 呟くと周りの見物客が更に増えるのであった。周りの見物客にもランスロット自らが1人1人に対して配り始めると 目が地面に落ちそうになるほどに 甘さも無くスッキリとした甘さの大福であった為に 今1度、食べたいと言う衝撃を与える事となるのであった。


「商品として店に近じか並ぶ際には、よろしくお願いします」とランスロットが深々と頭を下げただけで お客が殺到するのであったのだが 当の4人は、それ処では無かった。我先にと自分の口に大福を詰め込んでいる姿も見物客の目に留まり、喉を鳴らすのであった。実際に1つ、食べてしまっているので その美味しさが未だに口の中に残っていたのだ。その為に十分な宣伝効果に成るのであった。


 翌日にお客さんが殺到してしまい。噂が噂を呼び、とんでも無い事になっていた。いままでの商品と新たなる商品、それと漬物までもが売れてしまい。毎日が商品 品切れになる事となってしまい。この店始まって以来の売り上げを伸ばす事となるのであった。




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