第26話 ゴブリンスレイダー
リルターナが馬車から降りて行き、ランスロットの元へと向かっている最中、馬車の中では!
「あなたも聞いていたでしょう」
「リルターナも飛んでも無い程の規格外に育ってしまったな! 俺でも分かる。リルターナ達からすれば 俺など凡人だな!」
「私達が束で戦っても1分と持たないで全滅になってしまうわ。それ程の戦力が5人もいるのよ。頑張ってよ、お父さん」
「へっ! そこで俺に振るのか。この状況を!」
「私は、妻ですから 家を守っているわ」
「昔からお前と言う奴は、面倒事を俺に押し付けるよな」
「そんな処も好きなのでしょう。私の事が」
「今さら聞くな、当たり前の事を」
「相変わらず、分かっていないわね。女心が あ・な・た・は 」
これから 待ち受ける衝撃に耐えられるのであろうか。
その頃、フォンフォードの街にゴブリンスレイダーと名乗る、冒険者集団が冒険者ギルドを現れていた。彼等は、ゴブリンのみと戦闘をして多くの集落を壊滅して来たと噂になる程であった。全員がAランク冒険者であり、基盤となる街を持たない流れの冒険者グループでも有名であった。ギルガイア大国でも認められており、近じかSランクにも成りえるほどに 名が挙がる程に多くの功績を上げてきた。
そんな彼等が冒険者ギルドに顔を出しただけで
冒険者ギルド内に設置してある酒場にて
「おい、おい、見かけない集団が入ってきたぞ!」
「きっと名のある集団じゃ~ないのか?」
「王都で見た事がある。ゴブリンスレイダーだろう。彼等のお陰で 王都周辺からゴブリンの姿が消えたと噂が上がっているからな」
「その噂なら俺も聞いた事がある。彼等が通り過ぎただけで多くの黒い霧が出来ると そしてゴブリンを一刀両断で切り捨てると言っていたな!」
「そうだよな! より多くの魔石を持ち込めば、それだけでもいい金になるものだよな!」
「その噂なら 俺も聞いた事がある。1度に魔石を300~500も持ち込んでいるらしいぞ!」
「おい、おい、そんなにも倒しているのなら集落も壊滅させているのだろう。懸賞金まで付いて来て金貨100枚も超えるのか、たかが5人で大稼ぎだな」
「本当かよ。信じられないなぁ~」
「俺が聞いた噂と少し違うな! 俺の聞いた噂は、村や街を訪れてゴブリンで困っている者達と協力してゴブリン討伐をすると聞いたのだがな!」
それを聞いていた。新人冒険者諸君は、ゴブリンだけを討伐しているだけでもAランクに上がれるのだと思うのであった。ランクが上がるたびに魔石を1つ売るだけでも金額が変わってくる物なので彼等にも魅力を感じるのであった。
「ランドがこの街に訪れるって本当の事か? ミヤ?」猫族のミヤ!
「ライトもその時にいたから 知っているでしょう」 人族のライト
「俺が聞いているのは、バリババの商隊がこの街を訪れると聞いただけで 本当にバリババの商隊へ加入できているかは、俺にも解らないよ。ミヤ!」
「ランド達にも会いたいから もう少しこの街にいようぜ!」人族のトーヤ
「私は、何処でもいいニャ~」猫族のアヤとドワーフのドガンで5人のグループであった。彼等もランドたちと同様で孤児院出身の冒険者集団であり、宿屋に泊まるのが勿体ないと言う理由で宿泊場所は、孤児院を使い多くの子供達に肉や野菜を運ぶのであった。
フォンフォードの街にもリルターナとラムたちが放った魔力影響が未だに残されるほどに街のあちこちに被害が出るほどであった。その為、復旧工事が日夜作業をする事が目に入るのであった。いい金になると言う理由で多くの新人冒険者が仕事をするのであった。
「バリババの商隊が来るまで 孤児院で待っていようぜ。彼等もまた 孤児院を使うと思うから」
「何処の街でもそうだけど! 孤児院が1番、落ち着くのよね」
「そうニャ~ン、肉持って孤児院に行こうニャ~」
「どうせ! ここでもゴブリン討伐がメインなのでしょう」
「俺達程度では、ゴブリンが1番だろう。オークとかでもいいのだが時間が係りすぎてしまって戦闘に向かないと思うんだよな」
「そうニャ~ 私達は、俊敏性が売り物だから敵を翻弄させている間に撃退するしか出来ないニャ~! 期待をしているニャ~! トーヤ、ライト、ドガン」
「そう言えば、お前達の武器も新しくした方がいいのでないのか。そろそろ潮時だろう」
「それならば、あなた達は どうなのよ」
「俺は、バスターソードだから鉄の塊りだし、ライトだって数本の杖を持っているから問題がないだろう。ドガンに至っては、俺と同様で鉄の塊のハンマーを使用しているから問題がないと思うぞ。
お前達の武器には、予備が無いのだから この際だから1本づつ買っておいてもいいので無いのか?」
「おいっ! もしかして それまで俺に持たせる積もりか」
「仕方が無いニャ~ ドガンが1番力持ちで 歩くのが遅いからニャ~」
「仕方ねぇ~だろう。俺達、ドワーフは足が短いから自然と歩くスピードが遅くなってしまうだけだ。というか、お前達が早過ぎる。街中を歩くだけならまだしも戦闘中など付いて行くだけでも大変なんだぞ!」
「それで冒険者ギルドには、何をしに来たのかな?」
「冒険者ギルドで買い取りをしてもらって それと情報収集がメインだな! 帰りに武器屋を何軒か廻って肉を買い、孤児院に向かうが俺のプランだがそれでいいか!」
「それならば、私達にも少しは、お金が廻って来るわよね。甘い物が食べたいわ。私とアヤは」
「私達も女だから 甘い物が食べたいニャ~」
「それならば、武器屋に行く前に立ち寄って 今後の事も話し合う事にしよう。それならいいか!
ライトとドガンもそれでいいか!」
「いいよ!」
「問題がない」
「さすが トーヤ、気前がいいわね」
「にゃ~!」
トーヤ達が冒険者ギルド内のカウンターに順番待ちをしている時に事件が起きた。
「た・大変だぁ~! ゴブリンによる。スタンビートが発生らしいぃ~ 助けてくれ~仲間達を」
少しして 冒険者ギルド内でも報告を受けるのであった。今現在、多くの冒険者によって正面入り口が守られており、多くのケガ人まで続出していると報告が上がるのであった。その為、手の空いている。冒険者や騎士団が正面玄関の門の前まで来た時には、既に多くのケガ人達が運ばれてきており、その多くが村人や商人達であった。
そこかしこでケガ人の治療が行われており、未だに避難をする人で正面玄関の門が閉まる事もできない状態であった。その為に多くの冒険者や騎士団が協力体制で人々を助けるのであった。
「大変な事態になっているな!」
「見てトーヤ! 門の外にまだ取り残されている人達がいるわ。助け出さないと」
「ハァ ハァ ハァ お前達は、走るのが早過ぎると いつも言っているだろう。俺の事も少しは気を使えよ」
「ドガン、行くよ。まだ 取り残されている人々を助けるよ」
「ドガン頑張って」
「頑張るニャ~」
「もう 行くのかよ。少しは、休憩させてくれよ」
トーヤ達が走り始めると その後ろから ドッシ ドッシと音を出しながら走る姿を見る物が多くいたと言う。
戦場を目の前にして
「ミヤ、アヤ、敵をいつも通りに翻弄させてくれ ライトは、詠唱を始めてくれ時機を見て彼女達を助けてやってくれ、俺は、端から薙ぎ倒して行くからよろしく! ドガンならその内に助けに来てくれるから心配するな!」
「はいよ!」
「にゃ~!」
「分かっている」
その後、トーヤ達のお陰で多くの村人や商人達が助けられており、無事 フォンフォードの街の大扉を閉める事ができたのだ。それでも大扉の前では、未だに多くのケガ人達の治療が行われており、命を落とす者まで現れるようになっていた。
「ごめんなのニャ~! 私達の武器が折れてしまったのニャ~ まだ1本は、残っているが心配ニャ~」
「こんなにも早い時期から折れてしまうのが予定外よ。もう少し持つかと思ったわ」
「なら 先に武器の調達に行こう。その後で冒険者ギルドに向かえばいいだろう。俺達は、この街の冒険者でないから事情が違うからな」
「助かるニャ~! それと出来たら屋台でいいから肉も食べたいニャ~」
「それも言えているわ。長期戦になりそうだから お腹にも入れておいた方がいいと思う。私達は、朝から何も食べていないのだから この辺りが限界に近づいていると思うし」
「酒も飲みたいモノだな! 俺様的に」
「ドガンって どんな時でも酒が1番よね」
「俺達ドワーフは、酒さえ飲んでいれば 事足りるからな」
「失礼しても構わないか。君達は、ゴブリンスレイダーの方々で間違いが無いか?」
「そうですが 何か、用でもあるのですか? 俺達に騎士団の方々が?」
「先程、我々の仲間を助ける際に剣を折ってしまったと聞いた物でどうだろう! 武器の調達をする積もりであるならば、我等が用意をしてやるから 出来れば最後まで戦ってもらえないか」
「人々を守る事が冒険者なので最後まで戦いますが 俺達程度があなた方の武器を使うこと自体おかしいです」
「俺達が身に付けている。武器も防具もこの街で作られた物だ。君達が使っている物と変わらない。それに この街の領主様からも言われて居る。“ 街を守る勇気のある冒険者には、武器も防具も好きなだけ与えてやれ ”と 言われておるので心配する必要が無い。
それに我が街の領主は、英雄の称号を持っているので気質がいいと思うぞ!」
「それは、有り難いのですが俺達程度に武器を分け値手もいいのですか?」
「君達もSランク昇格が有るのかもしれないのだろう」
「その件でしたら お断りしました。俺達には無理です。称号も村人なので昇格もありえません」
「なら 尚更、武器と食事だけでも取って行ってくれ 長期戦になると思うが 時機に領主様が帰って来てくれるからそれまでの辛抱だ。それまでは、頑張ってもらいたい」
「1つ、聞いてもいいかしら?」
「何だ!」
「どうして 領主様が帰って来るだけで この戦況が変わるのかなと思って?」
「領主様の姫様と婿殿が来ていると聞いていてな! 王都でも有名らしいぞ!」
「その婿殿も やはり、称号が勇者か英雄なのですか?」
「いや、村人だと聞いている。それと奇才だと噂が上がっていたな!」
トーヤ達でも思っていた。完全なる逆玉に乗った男性がいるのだと貴族の娘と結婚が出来るだけでも凄い事なのに それが領主の娘と結婚できるなど夢のまた夢であると思うのであった。そんな彼等も思うのであった。“ 奇才 ”って 何?




