第14話 遊びがおかしい
「ちょ・ちょっと待ってよ。どうして それ程に狭くて難しくしているの?」
「私達の家が小さいので壁際に立つとこの広さに成ります。たかが遊びですので気にする事ではありません」
「本来なら もっと広さを取って行う訓練なのよ。危険じゃないの?」
「問題がありません。リルターナさまの攻撃など単調ですので当たる事も考えに入りません。もう少し 魔力操作を身に付けて貰わないと私もしくは、ランスロットさまの遊び相手になって貰えないのが現状です」
「あなた達2人の魔力操作がおかしいのよ。もう1度、勝負よ」
また 遊びと言う訓練が始まるも外から見ていても分かるように リルターナの攻撃が単調だと分かるのであった。属性の種類が少な過ぎて攻撃のパターンが単調過ぎるのだが ナタリーにしても グレイにしても リルターナには、遠く及ばない程に勝てないであろう
“ リルの攻撃が単調だと言うのは分かるけど この2人の頭の構成がおかしいわ。普通に無理よ。本来なら30メートル程 離れての訓練を行う物なのに どう見たって5メートル程度しか離れていないわ。更に驚かせられるのは、そのスピードよ。普通に放つ威力よりも早いなんて信じられないわ。
この訓練の最中に魔力操作まで取り組んでいるのでしょう。どう見たって尋常な遊びでないわね。その前に どれほどの魔力を持っていると言うの この2人は? 聞いてみたいわ “
ナタリーが考えている最中に リルターナの負けが分かり、目の前で悔しがる姿に笑みがこぼれるのであった。
「リル、あなたの魔力量って どの位あるの?」
「えっ! 20万位かな」
ナタリーの顔が引き攣るとそのまま ラムを見るのであった。
「私ですか。35万程度です」
ナタリーの顔が青くなるのと同時に自分の魔力量が低すぎる事に落ち着いた。800程度で グレイに至っては、500程度、母親のリリスに対しても1200程度で普通であったが この2人が飛びぬけていたのだ。なら どうして 学園内でビリだと言われているのか不思議である。これ程の能力を持っているのであるならば、学園内で行われる訓練など遊び程度にしかならない筈なのに
「リル、あなた達って対抗戦の時って いつも初戦で敗退しているわよね。どうして?」
「だって 面倒くさいでしょう。1回戦で敗退しているわ。私とランス以外が弱すぎるから丁度いいのよ」
「冒険科って 確か、勝負事が大事でしょう」
「それは、冒険者に成る人たちが言っている事であって 私は、ランスの嫁に成るから村人よ。農園で野菜造りをして暮らすの たまに森に行って肉を確保するだけでいいだけよ」
「あのねぇ~ 農家と言っても簡単な仕事でないのよ。分かっているの!」
「えっ! 土を耕して 種を蒔いて 水を与えて上げればいいだけでしょう。違うの?」
「そうだけど その土を耕すと言っても大変な仕事なのよ。分かっているの」
「そんな事は、簡単よ。魔法で簡単に出来るし、種まきは大変だけど 水やり程度なら魔法で十分できるわ。毎週、学園が休みの時に農家に訪れて色々と教わっているもの私達3人で 毎日が楽しいわよ」
ナタリーが思い出していた。リルの魔力量がおかしい原因が分かったのだ。週末事にそんな事を毎日行っていれば、毎日 魔力欠乏症に陥り、魔力量が増えだすと更に“ 賢者の杖 ”相成って魔力量が増え過ぎていたのだ。ラムも同様に
「はぁ~~何となく分かったわ。あなた達の魔力量がおかしい原因が なら ランスロットもあなた達と同様に魔力量がおかしいのかしら?」
「ランス! ランスは、1万程度ね。魔力が無くなると勝手に浮遊している魔力を取り込んで体内に入れてしまうわ。それに私達との遊びもランス自身の魔力を使わないで 私達の魔力で遊んでいるし」
ナタリーの顔が青ざめると3人が規格外だと理解をするのであった。そして ランスロットの称号が村人だと言う事が理解出来ないのであった。ラムは、魔人だから魔力操作など朝飯前だと思うけど ランスロットは、人間で 当たり前だと思うけど魔力操作は、賢者の称号を持っていないと扱えないし、剣も同様で勇者や英雄の称号を持たないと自在に操る事が難しいとされている筈、それなのにランスロットは、普通に魔力操作もでき 剣も扱えると聞いていた。
本当に村人なのかしら?
ナタリーが考え込んでいる最中に ランスロットとラムの対戦が始めるとリルターナ以外の者達は、そのスピードに付いて行かれずに色とりどりのボールが飛び交っているように 見えていたみたいだ。本の数秒で勝負が決まり、ランスロットが負けてしまったみたいだ。
「ランス! 手を抜き過ぎ、本当にラムには 甘いのだから」
「それは、違います。ランスロットさまは、魔力感知を遮断して反射神経だけでやっていただけです。私にもまだまだ到達が不可能な領域です。リルターナさま、真似をしないで下さいよ。先ずは、魔力感知を完全に覚えてもらわないと遊び相手にもなりません」
「あなた達2人がおかしいのよ。私が普通で 普通よ」
外野では、首が横にフリフリしていた。お前達3人が規格外過ぎると心に誓うのであった。何やかんやと楽しい時間を過ごし翌日、王都を出て いつもお世話になっている農家の家に向かっている最中にプリントンおじさんの商隊と擦れ違い、その時にリルターナの父親が会いたがっている事を教えると彼もまた ガルムと同様に会いたくなり、夕方には 王都にまだ 滞在をしていた伯爵仲間達や家族達までもが集まり、昔の事を思い出しながらお酒を呑むのであった。
その席にランスロットやリルターナにラムがいない事をいいことに 好き勝手に話が盛り上がるのであった。
「リルを好きに使っていいわよと言ったけど まさか規格外になるなんて思いもしなかったわ」
「リルターナは、そんなに凄い事になっているのか? リリス」
「エリザベス、聞いてよ。聞いて! リルは、なんと魔力量が20万ですって もう賢者様と同様に育ってしまっているわ。それにラムちゃんは、35万よ。信じられないわ」
「はぁ~~何だ、そのバカげた数字は、本当の事なのか?」
「彼等3人を鑑定で見たから解るけど、明らかに2人が飛びぬけているけど! 普通で考えるとランスロットも凄いわ。魔法もそうだけど 全属性の魔法を使えて無詠唱で色とりどりに魔法を放てるなんて聞いた事がないわ」
「昨日、リルが言っていたが あれを毎日行っているみたいだぞ。信じられない事に」
「あなた! 私も聞きました。驚くしかないわよね」
「エリザベスの息子も凄い事になっているみたいだな!」
「プリントン兄さん、そうなのよ。フォンフォード辺境伯領まで同行の件、お願いね。それとその時に彼等の魔力量と魔法力を見極めて 後で報告を上げてもらえないかしら 兄さんなら問題がないでしょう」
「仕事熱心なのはいいが 少しは息子として見てやっているのか? それが1番の問題だろう」
「問題がないわ。年に1度位は、顔を合わせていたもの! 会話は、なかったけどね。
ランスロットが8歳から お父様達の家に行って武術に魔法を習っている事は知ってはいたけど まさか お父様の剣を受け継いでいるとは、思いもしなかったは」
「待てよ。あの剣を受け告げるのか。父さんでも扱えなかった剣を昔から家に置いてあった剣を あれこそ伝説に近い程の物だろう。あれこそギルガイア大国の秘宝の1つにまで成っている剣だが 誰1人として持つ事も許されないままに深い眠りに付いていた剣を持つ事ができたのか。
ブルームバスターソード、別名 魂界 この世界の生き物全ての魂を喰らい、成長を遂げる武器。味方であるならば死人すら出ず、敵には容赦なく死を与えると言う“ 伝説の武器 ”だったか」
“ 意味が解らないが 魂を食べるとも書いて在ったが その魂とは、何を意味しているのやら? ”
「お父様が昔、1度だけ話した事があったの! 隣国との戦争の際に1度だけ持って行った事があったみたいなのだけど 鞘から剣を抜いただけで騎乗していた馬が死に その場に境界線が出来たみたいだと言っておられたわ。そして 気が付いた時には、敵が全滅しており お父様は、返り血で身体を赤く染めていたとも言っておられた。その時からよ、お父様の別名が付いたのは、“ 戦武人 ”と
これも聞いた話なのだけど信じて貰わなくてもいいわ。お父様が剣を抜いて戦場に足を向けただけで敵がお父様に向けて突進してくるのを端から一刀両断 一太刀で切り捨てて行き、朝から始まった戦場には、お父様が切り殺した兵士達が赤い海に成っているとも言っていたわ。それ程にあの剣は、呪われているし、刃こぼれもしなかったとも言っていたわ。それをまさか 我が息子、ランスロットを引き付けるとは思わなかったわ」
「ちょっと待てよ。エリザベスの家に飾ってあった剣は、あれは本物だったのか?」
「そうよ。本物よ! ガルム、あんたも昔、あれを触って魔力欠乏症で倒れた事が合ったでしょう。私も何度も体験したけど1度として手に持つ事もできなかったわ」
「ちょっと待てよ。あれは、3メートルを超える大剣だぞ! ランスロットに持てるのか?」
「ランスロットが肩に担いでいる姿を何人もの兵士や教師達が見ているわ。本当の事よ。それにお父様の免許皆伝だし、お母様から多くの魔法も教わり、家にある全ての文献も頭の中に入っていると思うわね」
「ちょ・ちょっと待ってくれ もしかして 地下室の部屋まで読み漁っているのか?」
「そうよ! ランスロットの4年間は、午前中は武術で 午後から魔法指導、空いている全ての時間を使って本を読んでいたと言っていたわ。解らない文字や数字などもお母様に聞いて習ったみたいだし、古代文字まで理解して自在に魔法陣の書き換えも出来るみたいよ。その辺りもお母様に教えてもらっているから確かだと思うわ。
ランスロットは、魔法使いと言うより どちらかと言うと錬金術師に成るわね。この国に錬金術師の称号がないから村人なのかも知れないけど」
「それならば納得がいく! ランスロットが錬金術師か、良かった」
「何が良かったのよ。ガルム!」
「エリザベス、聞いてくれ! 内のリルもラムちゃんも普通に魔法陣を使っていると言う事だ。彼女達は、ランスロットから多くの魔法陣を教わり、それを身に付け今まさに規格外にまで育ってくれた。この国に錬金術師の称号が無い為に我が領土の安泰が保証されたのだぞ!
彼等が農園をやりながら 領土を守ってもらえれば、帝都からの侵略の心配がなくなると言う事だろう」
来月から 偶数日に投票します。




