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第110話  最終話

 

「あの兵士たちは、何なの? 何か、あったのかしら」


「街の中に騎乗した兵士もいるよ」


 ランスロット達が街の入り口に近づくと兵士たちが横一列になり、ランスロットに対して無言のまま片膝を付いた。


「何処かで御会いしましたか」


「我々は、あなた様方を探しておりました。1度、我が国の国王陛下と会見してもらえませんか」


「国を滅ぼしていいのであれば、お会いしても構いませんよ。俺が王都に付くまでに国が残っていれば」


 大粒の汗が流れ始めて


「ランス、どういう意味だよ。この国が滅ぶのか」


「どうかな! 彼が決めるよ」


「この国の領土は、枯れ果てております。この国をお救い下さい」


「それこそ、俺に何が出来ると言うのですか。お教え願いたい」


 数年で出来る事でない。数百年単位の事を 無理だな! 龍脈が流れてくれば変わるが な!


『いいわよ』


『辞めてくれ 滅ぶ国に時間の無駄だ』


『ひと時の幸せは、人を駄目にするわね』


『それなら 人型の先を考えた方がいい』


『うっふふ!』


「あなた様なら解決策を解ると思います」


「それを聞いて どうする積もりです」


「実行して見せます」


「それは、面白い。人を生きたままに生き埋めにして その養分で野菜を育てるのですか。それなら数年は、領土も生き返るでしょう。但し、数年ですよ。その先も同じことを繰り返すのですか」


「な! そんなにも この国が滅びに向かわれているのですか」


「それを決めるのは、俺で無くてあなた方です。実行して見せてください。その間だけでも滞在しております」


「他には無いの 旦那さま」


「そうだな! シズか、ラムほどの魔力を持っているものが地中から龍脈を引っ張れば、もしかしたら命を引き換えにすれば運次第で引き寄せるかもしれませんが無理でしょう。


 神が許さないと思うよ。この国は、世界樹の魔力の下だったので無理でしょう。全ての魔力を吸われて枯れるのみです。


 この国の龍脈が枯れ果てております。他所の国から引く事が出来たとしても数年で枯れるでしょう」


「旦那さま、私達の魔力を全て使ったら どうなの!」


 街の入り口にランスロットの女達が集まってしまった。


「多分、大丈夫だと思うけど」


「なら 行きましょう。ランス! この国を救うために」


「それは、無理! もうすぐ、この国は海に沈む。俺がこの国に訪れたのは、その確認だ。


 数年前に世界樹が場所を移動して 龍脈が変わり、その犠牲でこの国が消滅してしまう姿を見る為に来た。シズなら分かるよね。この大陸は、世界樹の為に合って世界樹の場所が変わると大陸が別の場所に出来るようになる。


 世界樹を中心に世界が変わる。多くの国が滅び、多くの国が出来上がる。その繰り返しをみて見たい」


「人々を救う事が私の役目」


「最近、御祈りをしていないだろう。シズは」


「私は、ランスロットさまのメイドであって シズに従う事は出来ないわ」


「シズ、ごめん! 私も旦那さまの道具だから無理!」


「そうだった。私が救うのは、人間だけで無かった。生きているすべての生き物の聖女だったわね。固執しすぎていたわ」


 そう! 大地も生きているのよ。龍脈は大地の血流なのだから 今の私には無理、けど いつか、解決策を見つけて見せるわ。


『それで いいのよ。シズ! 答えは、1つでないわ。今回は、諦めなさい』


『これも試練だと 受け取っておきます』


 大粒の涙を流しながら ランスロットを見つめるのであった。シズが


「何かが 聞こえて来たのかい」


「全て お見通しなのね。ランスは」


「聖女の力で何とかなるのか」


「今の私には 無理! この先の為に生かして見せる」


「それならアドバイスだ。地面を触って感知魔法を拡げてみろ! 何処まで酷い有様になっているのかが分かる」


 ランスロットを見つめて


「何も言わなくていい。心に仕舞っておいた方がいいだろう」


 この日、シズはお祈りをして1日を費やした。あくる日も あくる日も 等々、1週間もの間、飲まず食わずで お祈りをして崩壊をほんの少し伸ばす事が叶うのであった。


 ランスロットの胸で大粒の涙を流しながら 大きな声で泣きわめくのであった。


『君に託した。この1週間もの間、泣きながら聞いて来て 気が滅入ったよ。後の事は任す』


『どんな事になっても知りませんよ』


『あぁ~~構わん』


「シズ、風呂に入って飯食って寝ろ」


「ランス、一緒に入って」


 その後、お決まりのコースで何かを忘れるみたいに ランスロットの上で狂ったように腰を動かして意識が切れてしまった。その後も10人を相手にして 風呂から出てくると食事の準備が出来上がっており みんなしてシズの口に食べ物を運ぶとモグモグと食べ始めるのであった。意識が途絶えると静かに眠るのであった。


「ランスロットさま、私も確認をしてみましたが惨い有様になっております。修復は無理なのですか」


「修復は、可能だと思うけど ・・・ 」


「けど? 何ですか。お教えください」


「この大地が海に沈み、新しい大地が生まれるという事は、新しい生物に新しい植物も生まれると言う事だと俺は思う。それが数百年か、数千年の時が掛かるとしても未来の彼等が切り開いていくものだろう。


 それに この大陸が海に沈むと言っても まだまだ数百年の時が係るし な! 

 今日明日で決めなくてもいいのでないのか」


「大地のみを生き返らす事は無理なのですか」


「その事だが無理でない。実証済みだから可能性はある」


「どんな方法でしょう」


「俺達の畑と同じことをすれば、この大地でも野菜は育つし、大地に魔力が戻るかもしれないが ほゞほゞ不可能だろうがやってみる事は可能だと思う」


「この国に行う事が不可能だと判断します」


「だろう。生き物の養分で野菜を育てるか。魔石を粉砕して野菜を育てる事も可能だと思うけど この国で魔石を粉砕できるだけの魔道具が存在しているのか」


「別の国から取り寄せる事は可能ですよね。ランスロットさま」


「それは可能だと思う。どの国でも扱っているからな、けど 何処の国が引き受ける」


「その前に私達は、どうやって魔石を粉にしているのですか」


「そんな事は、俺が錬成空間の中で圧力を掛けて粉にしている。寄り良く野菜達が育つために」


 そうだった。この方が少し天然だった。普通の人が考え出さない事も出来ない事も簡単に出来てしまう人だったわ。


「錬成空間を作ることが出来れば、可能なのですか」


「それは、無理だと思う。実際にラムも無理だろう」


 私も錬成空間の中に魔石を入れてみたけど “ 圧力 ” って 何なのですか?


「その前に圧力って 何なのですか?」


「そのままの “ 力 ” だ。例えば、指と指の間に小石を入れて粉砕してあげれば砂が出来るだろう。それを錬成空間の中に入れて全てから力を入れてあげれば簡単に出来上がる。そんな仕組みだ。


 薬師をしている者なら常識的な事なのだが な!」


 そうだった。色々な分野に精通しているから 答えが1つで無いのであった。


「例えば、魔石を水に入れて何日で魔力水に変わるのですか。ポーションを魔力水に返る事は可能なのですか」


「俺が作っている。ポーションなら木の桶で5杯分だ。他の奴等を知らないから分からないが! それと魔石は、普通に水の中に入れても反応をしない。魔力を与えてあげないと それを触媒にして魔力を放出するからな


 それでもどうなのだろうな? 魔力水が出来るとは、考えつかないな! 時間が在ったら実験してみるが 余り期待しないでくれ」


 即答で答えが返ってくる。知らない事が無いのでは?


 その後もラムと話が終わらないまま 朝を迎えるのであった。皆が起き出す時間になり、朝食の準備に取り掛かると みんなが起き出してくる中


「アスカ、シズを起こしてきてくれ」


「旦那さまが行ってあげてください。シズの為に 後の事は、私とチロロでやっておきます」


「私も手伝うよ。アスカお姉ちゃん」


「そうか、分かった。シズを起こしに行ってくる」


 シズの唇にキスをすると


「踏ん切りが付いていないのか」


「ランス、おはよう。どうしたのかしら 私って」


「普通の人間なら当たり前だ。その前に事情を知らないから この土地に住み付いている。自然の摂理だと思うしかない」


「それでも」


「もし シズが知らなかったら そんな思いはしなかったのか」


「そうだと思う。ランス、私の記憶を消して」


 まぁ~~ いいか!


「分かった」シズと熱いkissをすると シズの1部の記憶を隠蔽して消すのであった。記憶の中に眠っているだけだけど


 ランスロットとのキスが終わると 1粒の雫が零れ落ちて新たなる聖女シズが目覚めるのであった。


「ランス! ありがとう。魔大陸に行こう」


「やっと その気になってくれたな! シズの冒険が始まるという事だな! みんなが待っているぞ、食堂で」


 ご愛読、ありがとうございました。


 次回作もお楽しみください。




 ある日、この村に1人の女性と娘がやってきた。この村は、近くの街から遠く離れており大人の足でも2日も係るほどに離れていた。そして この村には、子供が1人しか存在していなかった。それが主人公のカイトであった。父親は、村の護衛兼農家を営んでおり、母親も家の事をしながら農民として 貧しくとも笑いが止む事も無い程に楽しい家族であった。


 そんな家族に父親の妹が訪ねてくると


 「どうした。ガンザは?」


 「ガンザは、依頼に失敗して私達を残して死んでしまったわ。それで悪いのだけど 当分、ここで生活させてもらえないかしら」


 「確か、冒険者だったよな! ガンザは優秀な冒険者だった筈だ! それがどうして」


 「彼も馬鹿な奴よ。仲間を守って命を落とすなんて 私達がいるのだから命を大事にして欲しかったわ」


 「なんだ、娘に武器を持たせているのか。もしかして冒険者にでも育てるのか」


 「この子は、剣筋がいいそうよ。良く、ガンザが褒めていたわ。この子も成るのかしらね。冒険者に それで兄さんに この子の確認してもらいたいのよ。本当に可能なのかを! 私は、魔法の事なら教えられても剣はさっぱりなの」


 「あんた! そんな入り口で話をしないで中に入れてやりなよ。小さい女の子も一緒なのだろう」


 「そうだな!」


 「お姉さん、少しの間 お世話になります」


 「少しなどと言わないで 腰を下ろすのも進めるよ。まぁ~田舎暮らしなど街から来た。あんたには、暇で死ぬかもしれないが な!」


 「お母さん、暇だと死んでしまうの?」


 「なんだい、カイトと同じくらいか! カイト、風呂を沸かしてあげな」


 「分かった!」


 「あんたもそんな処に立っていないで 妹と久しぶりに会ったのだから酒でも飲んだらいいだろう。酒の肴を持っていくから待っていな!」


 「リリス、久しぶりの実家だろう。寛いで行けよ」


 「カノン、自分で挨拶しなさい」


 「カノンです。14歳です」


 「本当に内のカイトと同じ年だったのか。カイト! カイト! お前も挨拶をしな!」


 少しの間が過ぎると


 「カイト! 聞こえているのか。挨拶しろよ。恥ずかしがっていないで」


 「五月蠅いババァ~~だな! 風呂を沸かしている最中だろうがもう少し待っていろよ」


 「悪いわね。家のバカ息子は、魔力操作が出来ないものだから大変なのよ」


 「ちょっと待って お姉さん、カイト君は魔法を使えるの?」


 「何を言っているの リリス! 田舎では当たり前でしょう。魔法を使う事は」



  デットラインのアトリエ ~ 影の勇者と秘密

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