第102話 崩壊
「ミルクとランが先行する。カミキュラは少ししたら向かえばいいだろう。その時に街がどのように変わっていても気にするな」
「私に何か、お手伝いする事はありませんか」
「在るわよ。あなた達の身体と魂をエリーの子供達に食べさせなさい。骨でも美味しく頂くわ」
ミルクとランが自分の口の周りを舐めまわして
『異世界人の肉を食べさせろ』
『私も食べたい。いいでしょ! ラム!』
「あら あら! ミルクとランまで参加するみたいね。それでいいかしら」
脂汗を流しながら ランスロットを見つめると
「お前等とは、敵対するかもしれないから どちらでも構わないぞ」
椅子になど座っていられなくなり、ランスロットの前に土下座をしてしまうと
「私は、あなた様の忠実な僕です。どうか、我が国をお守りください。お願いします」
ランスロットがミルクとランの頭を撫でると 何時もの様にランスロットの隣で寝始めた。
「ラム様 ・・・ 」
「エリー、いつも言っているでしょう。私に対しては “ ラム ” で いいわ。様は不要よ。出来ないのであれば消えなさい。それとも狩り尽くすわ。マイが!」
「エリー、私達は家族に成るのでしょう」
「ですが アスカ様」
「私にも様は不要よ。ですが マイ様もアスカ様を呼ぶ際は、様を付けております」
「そろそろ、シズが出てくるわ。エリーは、準備しておきなさい。それと私に対しては、様は不要よ。いいわね!」
「分かりました。ラム」
「まぁ~~ いいわ」
突然、青空だった空が暗くなると黒い雲が世界樹の真上に集まり出してきた。天界人達の住処の異空間のみが残されるのであった。黒い雲が段々と拡がりを見せ始めるとミルクとランが城の1部を壊した場所に次元が開くと混沌と黒い存在が姿を現すのであった。
シズが姿を現すとその後からルージュが現れた。
シズの気配を感じ取った。ミルクとランがランスロットから離れて 本来の大きさに成って草原を走り抜き、城壁を飛び越えて街の屋根の上を走り抜けるとシズの真横に2人が達のであった。
そして ミルクが吠えると ガァッッッwwwww~~と街に魔法陣を展開させると 中からミルクの兄弟達が姿を現すのであった。
それと同時に シズに悪寒が走るのであった。
「どうしたの シズ?」
「悪寒が走ったのよ。何か? が! 来る」
「また また 冗談言わないでよ。こんな状態で何が来るって言うの」
今まさに街中は、進化を遂げてしまった。ワイルドウルフにシャドーウルフ達が走り抜けて暴れまわっていると ランスロットがいる方向から 何かが向かって来ていた。
少し前、ミルクとランが走り去るとエリーのアイテムワールドが開くと中から 大きな万足が出てきた。万の足を持ったムカデが出てくると全長が2キロにも及び、草原に街の城壁も簡単に壊して街に侵入すると縦横無尽に街中を走り去ると そのまま世界樹を巻き付きながら登っていき、天界人達の世界の異空間まで橋渡しをするのであった。
道が出来るとミルクの兄弟達が万足を渡って 異空間の中へと入っていった。当然、天界人達を狩り取る為に そして 食べ尽くすために侵入するのであった。
「僕でも あんな奴と戦いないよ」
「きっと ランスよ。こんな事をするのは」
『ママ、違う。魔力を与えたら勝手に出来上がった』
『エリーに みんなして 魔力を与えたら勝手に出来上がって旦那に懐いてしまったの』
「そうなの ミルク」
「大きな乗り物だと思えば いいだけでしょう」
『そう!』
「なら 私の魔力を与えたら何が出来るかしら」
楽しみが増えたわ。
そこにヴァイオレット聖王国の兵士たちが流れ込んでくると シズと目が合った者達が皮と鎧だけに成って魔力と命を取られて干乾びくのであった。
「ルージュ、時間になったわ。ランスの処に向かいなさい。邪神のあなたでは耐えられないでしょう」
「よかったぁ~ 今でも大部、無理だったんだよ」
「リルに声を掛けてやって 彼女も脳筋だから」
ルージュが飛び去ると 1つの魔法陣を作る そこに1人の男性が現れるのであった。
「あなたでも耐えられないでしょう。この空間では」
魔法陣の中に降り立つ、カミキュラが見た物は世界の崩壊であった。世界樹の周りのみが光り輝くのであったが その光もシズが手を向けると そして 手のひらを差し出すと世界樹が光の中に入り、1粒の種に変わると静かにシズの手の中に納まるのであった。
「これを持って 自国に戻りなさい。そして 大量の魔力水を与えてやるのです。いいですね」
シズの手から 光り輝く種がカミキュラの下へと行くと
「仰せのままに 聖女様」
両手で受け取ると 姿が消えるのであった。そして 魔法陣が消えると
天界人達の異空間から 大きな悲鳴が聞こえてくる最中、ヴァイオレット聖王国の王都でも同じような悲劇が起こっていた。この国に滞在している。天界人にエルフの貴族連中が酷い有様に成るのであった。
少し前
「リル、逃げないと大変だよ。シズが怒っている」
ルージュが飛び去ると
「逃げるわよ。ポルン!」
「誰ですか。彼女は、見るのも初めてなのですが」
「あなたも神話位は、読んだ事があるでしょ! 邪神ルージュ よ! ランスの新しい彼女」
リルターナも身体強化を使って走り始めると 街中で滞在していた。ギルガイア大国の騎士に 生徒に 教師達に逃げるように教えてランスロットの下へと向かうのであった。
小高い丘の上に ギガントタートルハウスが聳え立っていた。
シズが右手を空に向かって伸ばすと 万足が天界人の異空間から出てくると 地上と異空間の中心部分に大きな魔法陣が展開されるとウルフたちが中に消えて ヴァイオレット聖王国の王都の中で暴れていた。ウルフたちも姿が消えるのであった。
万足が地上に落ちると衝撃で大きな地震が起きて 全ての建物が崩壊するのであった。リルターナが身体強化で走っている真横を高さ15メートル、長さが2キロに及ぶ 万足が走り抜けるとギガントタートルハウスに蜷局を巻き付けるように 頭を頂上に置いて 向かってくる者達を見定めするのであった。
1番最後尾を走っていたのが テルミーナとデルタにポルンであった。完全に出遅れたのであった。それに釣られるように街の住人達も彼等と同様に走り去れるのであった。そこに安全が在るものだと思って
向かう先には、真上から街の中を暴れていた。万足が待ち構えていた。足を止めた者から気を失い魔力が奪われるのであった。
シズは、静まり返った街を見た。
この世界から魔力が無くなると こんなことに成ってしまう。私の存在って何なの? どうして こんな称号を私に与えたのかしら 転生神 ティラミス神も教えてくれなかった。私に何をさせたいの?
天界人やエルフの方々が神々に嫌われているからって 本当にそんな事をしてしまっても良かったのかしら?
静かに目を閉じて 大好きな彼の方向に目を開くと 目の前には、ランスロットと彼女たちがシズの帰りを待つ姿が目に飛び込むのであった。
1歩、足を踏み出した途端に またしても世界が変わり出した。灰色の世界から色が付き、世界が動き出す姿がシズの目に映るのであった。
そうよ。生きる者を守る事も大事だけど 壊す事も時と場合によっては壊さないといけないのだわ。私が1番に大事な物を守れる強さを身に付けるために 転生神様が私に与えてくれた称号なのよ。“ 悪女 ” は、
私が1番に守りたい物、それは ランスロットと家族たち。私がこの世界に転生して 何の苦労も無く、無事に世界を歩くことが出来たのも彼等のお陰なのだから 私にも少しくらいの力があっても構わない筈。
この力を私が制御できれば何の問題もない筈、と 思った瞬間に全てを理解するのであった。
「ふぇ? どうして?」
『人生は、あなたが決めていいのよ。好きなように生きなさい。悩みや相談事なら 何時でも受けてあげるわ』
「どうして 私に “ 悪女 ” の称号を与えたのですか」
『私よりも上の存在よ。私には、理解が出来ないわ』
「その御方の名を教えてください」
『ごめんねぇ~ 私の口からは、言えないのよ。そんな事がばれてしまうと私自身が消し去られてしまうわ』
「それって」
『シズが思っている事であっているわ。私が消滅して 新しい転生神が降臨するって事』
ヴァイオレット聖王国の王都が崩壊したというのに 相変らず、転生神 ティラミスとのおしゃべりが終わる事も無く、話に夢中になるのであった。




