500文字の浮気
きっかけはほんの些細なことだった。
彼氏が他の女と仲良く話しているところを見て、ムカついた。ただそれだけ。
彼女の私を放っておくなんて許せない。私も同じことをしてやる。そう思った。
楽しく話すだけのつもりだった。一緒にご飯食べるだけのつもりだった。それで私の仕返しはおしまいのはずだった。
「玲香ちゃんは大変だね。彼女に焼き餅焼かせるんなんて最低だよ、そいつ」
「そうなんです。亮典くん、人の気も知らないで」
浮気相手はバイト先の先輩だ。
彼は私にいつも耳触りのいいことを囁いた。だから私は先輩にすっかり騙されてしまった。
私のことをわかってくれていると思い込み、ついつい体を許してしまった。
「玲香ちゃん、俺、バイト辞めることになったんだ」
「え……」
ある日のこと、先輩が突然バイトを辞めると言い出した。そして彼は、何も告げず私の前から姿を消した。
先輩からしたら、私のことなんてどうでもよかったのだ。彼にとって、私との関係は火遊び程度の感覚でしかなかったのだ。
結局彼氏に浮気がバレてしまい、私は彼氏と別れることになってしまった。
全部私が悪いことも、自業自得であることも理解はしている。だけど私は今、胸が張り裂けそうだ。
最後まで読んでいただきありがとうごさいました。