出会いのハットトリック!1人はオウンゴールそして何故か修羅場です。
僕と寮は罰ゲームを掛けエアーホッケーで戦っていた。
「ぅあ」
「よしゃー3点目ハットトリック。罰ゲーム決定!」
寮は項垂れる。負けるとは想像出来なかったようだ。
「何にしようかなー」
罰ゲームはボウリング代にした。ゴチです。
「財布に集りやがって。俺のような紳士的な罰ゲームにしろ!」
「あれは紳士的ではなく、一種苛めだっつうの」
前回、僕の受けた罰ゲームは教壇での告白。『誰か僕と付き合ってください!』恥ずかしい思いをし、誰も反応なし。黒歴史を作った。
ボウリングカウンターで受付待ち中、見たことのない女子と目が合う。僕らと同じ高校生ぐらい?可愛い子だ。
「あのー一緒にボウリングしません?女3人で映えがなくて~」
彼女は近づいて来て僕に話掛けて来た。逆ナン?願ったり叶ったりだけど。
「いいよ」
「わぁ。ありがとう。私、聖女2年の南川圭」
「同い年だ。僕は城央2年の西沢翼」
女子、しかも3人と知り合いになれる。なんていい日だ。出会いのハットトリック!
南川さんに連れられレーンへ向かう。彼女との会話も弾む。寮もご機嫌。女子友達はどんな子だろう?ワクワクする。
「ナンパしてきたよー」
「え!」
南川さんの声に女子2人が立ち上がり驚いている。想定外のようだ。アレ?1人見覚えが?
「愛佳!」
「翼!」
うぉ。誰かと思えば愛佳。愛佳は僕の幼馴染みのクラスメイトだ。
「あんた、どういうつもり?」
「見なかったことにしてくれ」
「後ろは寮君?」
「うぉ!愛佳」
寮までも驚いていた。
「あー知り合い?城央って聞いたから可能性はあるとは思ったけど」
「思いっきり知り合いです」
出会いのハットトリックと思ったが1人はオウンゴール。もう1人は初めてかな。
「翼君久しぶりです」
「久しぶり?」
「泉沢京子です」
知り合いらしいが思い出せない。
「誰?」
愛佳に小声で確認。
「委員長だよ」
「あ!委員長だ。メガネは?」
「コンタクトにしたんだ」
泉沢京子。彼女は中学時代の同級生。メガネを外すとキュートな美少女になった。
「愛佳から話し聞いたけど、教室で大々的に彼女を募集したって?私でどうかな?」
え?自分の耳を疑う。泉沢さんからのお誘い。悪くはない。
「京子ダメだからね」
「愛佳立候補しなかったんでしょ?」
「だってアレは……」
女同士でお喋りを始めた。あの時、愛佳が立候補してくれればなぁ。
「なんか楽しそうね。私も立候補するわ」
火に油を注ぐ者。南川。
「ダメ!」
ハットトリックで修羅場です。
ハットトリックムズい