第6話 厄日な通学路
未来からきた メッセージ
「その日は厄日だ 注意しろ」
そうは言ったって ただの悪戯だろ
何気なく 玄関から外に出た
「いってきます」
通学路に吸い込まれていく
今日も同じだ いつもと変わらず
隣家のポチをからかったり
近所のおばちゃんに挨拶して
かけぬけていく白線 その先に飛び込んだ瞬間それは
――起きた!
倒れてくる電柱・切れた電線で感電する猫・壊れた踏切に・暴走するトラック
通り魔徘徊中・警察装った詐欺士・工事中迂回中・改造車の爆発事故
「今日は本当に厄日だった 注意しよう」
今日だけ通学路は 危険度マックスで
運命から殺されそうになっている俺はただのモブで唐突で
「伏線なんかなかったよな?」
(何に巻き込まれてるんだよ。主人公になりたいなんて 夢の中でしか思った事がないのに)
唐突な 死亡フラグ 連鎖状態
次に来るのは 「どっちから?」だ
思考のパズルくみ上げる
状況推察 推論きずき上げる
必死に逃げる・何も考えずに逃げる・無我夢中・右往左往・正しい選択分からない
(でもそのうちおかしくなってきちゃって 笑い声をあげる僕は こんな毎日も悪くないかなって)
――暴走バイクの前 躍り出て
(…そう思っちゃったや)
「ストーリー」
やっぱり未来は変えられないのか。
魅入られた過去の俺は、死んでしまったようだ。
バイクが走り抜けていったあと、そこに立っていたのは危険を愛する別の誰かだ。