龍國戦記

　魔法、亜人、そして〈龍〉が存在する〈異世界〉──。
　その世界では、古代より〈龍〉が100年周期で顕現し、龍と契約した者の願いを、いかなるものでも叶えてきた。
　そして龍暦一九一五年。一九回目とされる龍の顕現を折に、世界は百年ぶりの戦乱の世を迎えることになる。

　〈帝国〉〈諸王国聯合〉とともに大国に数えられるようになった〈皇国〉。
　龍争奪大戦に参加する決意を固めたこの国は、黒龍型巡洋戦艦を指揮下に置く西方先遣支隊と”龍の巫女”を友邦〈諸王国聯合〉へと派遣した。

　ついに始まる大戦。
　王国に城下の盟を強いるべく〈帝国〉が派遣したのはグランド・フリート約一〇〇隻。それを迎え撃つのは数的劣勢の免れない〈諸王国連合〉大洋艦隊と〈皇国〉西遣支隊。
　戦艦多数を含む数多の艦艇が、寒風吹き荒れる大海で激突する。

〈龍〉を巡る戦いの最中、人々の思惑が交錯する時、事態は動き出す。
　それが〈龍〉の願った世界なのか──。