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初めてのお悩み解決

「……諦めろ。僕はついていかない」

「えぇ~!付き合ってくれるって言ったじゃん!」

「確かに言ったけど、どっかに遊びに行くとか何かをおごらせるとかだと思ってたんだよ。そんな危険そうな事には着いて行きたくない」

「むー、ゆーくんの嘘つき!禿!馬鹿!」

「馬鹿と嘘つきはまだしも、僕は禿げてない。少年ジャンプの覚醒した主人公くらいには髪の毛が生えてる」

「じゃあもういいよ、一人で行ってくるから!」


 まぁまぁボケたつもりだったので、

「どこの少年ジャンプなの?」

 とか、

「馬鹿と嘘つきは良いんだ?」

 とか、スルーせずに突っ込んでほしかったのだが、まぁ仕方がない。何にしたってちょっとしたじゃれあいだ。


 それに僕のボケ自体そもそもあまり面白くなかったし。


 そんなことより気がかりなのは、一人でコトリバコ探しをしようとしていることだ。

 こいつを一人で行動させるわけにはいかない。こいつは行動力が高いうえに好奇心旺盛なので、危険だと分かっていてもすぐに首を突っ込んでいってしまう。放っておいたら大変な事になりかねない。


 それに僕は、今回探したいというコトリバコはかなり危険な代物という事を知っている。

 女子供を標的とした呪いによる殺戮兵器。少し身近においておくだけで呪いによって内臓がねじれ、ちぎれていくというもの……だったはず。それを見つけて身近に置いておいたとしたら。


 僕は意地を張ってまで数少ない友達を失いたくはない。


「待て、一人で行くのか?」

「うん。だって学校の皆は私の事嫌いだし、誰か誘うにしてもこんな危険な事ゆーくん以外には頼めないよ」

「危険だってわかってるなら僕を巻き込もうとするな」

「ゆーくんがいれば危険なことにならないと思っての事だよ?」

「いや、たしかにそうなんだけど……僕が言いたいのはコトリバコを諦めろってことなんだよ。そもそもどこにあるかも分からなないし、それの探索から始めるんだろ?」

「いやいや、探索からじゃあないんですよ。実はすでに目星がついてるんですよねぇ~」

「行かないって。行く体で話するな」


 ふっふっふと口に出しながら周りをくるくると回りだす。いや、論点はそこじゃない。勝手にすり替えるな。

 そう考えているが、口に出しても反応がないことを容易に想像できたので口に出さないことにした。


「実はねぇ?この学校の神社の中にあるらしいんだよ!」

「あぁ、あの渡り廊下から見える神社の事か?丁度さっきも窓越しに見てきた」

「そうそう!いつも何かわからずにうずうずしていた感情ともここでおさらばだよ!コトリバコなんてものがこの学校にあるなんて全く想定してなかったから、今からすごく楽しみなんだよね!いやー、道行く人全員にあの神社ってなんの神社って聞いてきてよかった!」

「お前本当に行動力の塊だな。それだけのコミュニケーション能力あるんだったらすぐに友達出来るんじゃないか?」

「それはないかな~。質問には答えてくれなかったし、質問した後直ぐにすごく侮蔑的な顔をしてすぐにどこかに行っちゃうんだもん」

「じゃあどうやって神社にあるってわかったんだよ」

「勝手に心を読んで答えを見つけただけ。だから結局誰とも言葉を交わしてないね」


 う。


 別に気にしてなさげに話す分、やけに悲壮感が増している。


「まぁ……わかったよ。お前ひとりだけで行ったらどんな痛い目に遭う事か」

「ついてきてくれるって事?」

「そういう事」


 ただでさえ呪いに行き当たろうとしているのだ。こんな星一つ瞬かない曇天の夜に、女子一人で外に出すわけにはいかない。

 最悪不良のたまり場となっている可能性もあるし。

 自分の良心と相談した結局、おもり役として六架に着いて行くことにした。


「本当!?やった、やった!いぇーい!」

「はしゃぐな、欲しいもの買ってもらった子供か」

「だって行かないっていう心境から、私の事を思って心変わりしてくれたんだよ?そりゃあ喜ばずにはいられないよ!」

「いや、正直言ってみな?」

「え?どういうこと?」

「ついてきてくれないと思ってたけど、ダメもとで聞いたのか?」

「え、え~と、あの~。ね?」

「さっきも言ってたけど、僕が優しいのは知ってるんだろ?そこに付け込んでお願いを通そうとしてたりはしてないか?打算的なお願いだったりしない?」

「……」


 しばらくの沈黙。そして気まずそうに口を開ける。


「最初からついてきてくれると思ってました……」

「うん、正直が一番だ。行くと決まれば早く行くぞ。時間は有限だし」

「ゆーくん意地が悪い!!!そんな詰める感じで聞いてこなくてもいいじゃん!」

「わざとらしい演技をするお前が悪い」

「うぅ……」


 渋々と俯きながらついてくる。メンタル面が弱すぎないか?というか神社の場所はわかるけど、そこに向かうルートが分からないから僕についてこられてもどうしようもないぞ。


「なぁ、六架」

「なんでもない……」

「僕は何でもあるんだよ。僕は神社に向かう道が分からないし、先導してほしいんだけど。今、頼みの綱はお前だけなんだよ」

「え?私しか頼りになる人がいない?」

「そういう事」

「……しょーがないなぁ!私が先導してあげるよ!」

「そうしてくれると有難い。本当にうれしい」

「それじゃあ行くよ!」


 やはり六架の機嫌を直すには褒め殺しが一番だ。心が読めるのにこういう時は簡単につられてしまう所が本当にチョロい。

 これ以上は僕の好感度にかかわるのでやめておこう。


 そんなこんなで現在時刻17:38。この感じだといつも通りの時間には帰れそうにない。妹に帰りが遅くなると連絡を入れておくか。

誠心誠意お話描きます。


ブックマーク、評価貰ったらめっちゃ喜んでめっちゃいい作品描きます。

なのでよろしくお願いします。




たのむ~

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