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干渉
『では、こうしよう』
ニッコリ微笑むエルダの表情は笑顔というより悪巧みを思いついた子どものような不敵な笑みだった。
『ショータにはこれから、ホトトギ村へ行ってもらう』
…ホトトギ村?日本?全く聞いたことねーんだけど。つーかそもそも県外に出るってことだろ?家に荷物取りに行ってもいいってことだよな?
携帯もねーしなんなら財布も鍵も、着替えだってこれしか。
『そこで』
食糧もねーしな。あでも村に行けば可愛い女の子と出会っちゃったりして、これ作りすぎたのって分けてくれたりすんのかな。
『この女の』
いやいやいやいや。
生きてきた中で一度もモテたことのない俺が急にそんなウハウハ体験できるわけねーだろ!何浮かれてんだ。
『首を』
第一、旅行じゃねーんだから。
学校に支障が出ないように土日通えばいっかな。
あとはやっぱりゲーム機が必要だろ〜。大荷物になるな。
『取ってこい』
「はいはい、女の子の首を取……取って…………」
え?
こいつ今、なんて…?
『この女の首を私に献上しろと。簡単なことだ』
────は?簡単?俺に人を殺せって命令してんの?頭おかしいだろ、馬鹿なの?